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【えと視点】
ありえないことの連発。
さっき六番ちゃんの分身が現れたけど、翠ちゃん達が倒した。てか、あの黒い塊、なんなの!?
「あー、終わったね!」
優月ちゃんが結界の中から、七番くんに言った。
「そうだねー……」
黒い塊を見ながら、七番くんが言う。もういなくなったのに、何に警戒してるの?
「え……」
急に、七番くんの斜め後ろにいた翠ちゃんが、こっちに吹っ飛んできた。
「翠!」
四番ちゃんが、すかさず手を振り上げると、飛んでくるスピードがどんどん遅くなり、最終的に止まって、翠ちゃんは座り込んだ。
「いたい……何?」
翠ちゃんが腕を押さえながら前を見ると、七番くんが薙刀で何かから攻撃を受けている。同じ綺麗な薙刀。前髪から覗く目立つ赤と青んだ
七番くんは分身の薙刀を払って、数歩下がった。
「何か変だよ」
翠ちゃんが分身を見て急に言った。
「何かおかしいことがありまして?」
六番ちゃんが翠ちゃんに聞く。
「気のせいだと思うけど、分身の方、なんか変な気配がするんだよね……」
「気配?何も感じないけど?」
四番ちゃんが首を傾げる。翠ちゃんは、気のせいかも、と言って私たちを見ようとしたそのとき。
「運命の糸を断ち切る、終わりを告げる者」
感情のない、冷たい声。七番くんは、驚いた目で分身を見た。
声の主は、七番くんの分身。分身は、黒い手帳を開いて持っている。
「タナトスの名にかけて……全てを無に還せ」
急に視界が黒く塗り替えられた。え、倒れた?
……違う。私が、黒い世界にいるんだ。
「なになになになに!?暗いんだけど!……えとさん!?」
じゃっぴの声だ。後ろにいたのは、じゃっぴ、のあさん、もふくん、たつや、生徒達。翠ちゃん達は?
「翠ちゃんは……」
じゃっぴがそういうと、金属の当たる音が聞こえた。多分、七番くんの薙刀の音だ。
みんなで進んでいくと、見えた。
「ストップ!ストップ!ねえ待って!?強すぎん!?」
四番ちゃんの慌てる声。
「何が起きてるの!?」
じゃっぴがそう叫ぶと、優月ちゃんがこっちを向いた。
「じゃぱぱさん達!いたんだ!……な、七番くんが、倒れちゃってぇ…!今七番くんの薙刀で、四番ちゃんが戦ってくれてるんだけど、強くって!」
座り込む優月ちゃんの横には、倒れている七番くん。
「わ、私が何しても起きなくて…!こんなこと今までなかったのに…!」
優月ちゃんは泣きそうな声で言う。じゃっぴが、
「……七番くん、気絶してるんだ。無理やり起こしたらダメ?」
「えっ……あー……七番くんは起きるかもだけど、ちょっと…」
優月ちゃんは言いにくそうに目を泳がせる。
「でも、叩き起こすしかなくない?てか、さっきの技何!?七番くんそんな力持ってたの!?」
私が聞くと、横に座っていた翠ちゃんが、
「え、でも、七番くんの能力は身体強化のはずで、あんな手帳は持ってなかったし……分身が本物と同じ能力しか使えないんだとしたら、七番くんは能力を隠し持ってたっていうことになって、それで………………」
翠ちゃんがぶつぶつ考え込んでる。翠ちゃんにとっても、これは異常事態みたい。
「で、でも!七番くんを叩き起こしたりなんかしたら、タナトスが…!」
優月ちゃんは、そこまで言って、あっと口を押さえた。
「タナトスって何?」
翠ちゃんが食い気味に言うと、もふくんが、
「ギリシャ神話の死を司る神様だよ。確かに、さっき七番くんの分身が言ってた詠唱?みたいなの、そういう系な感じしたもんね。『終わりを告げる者』がなんとかって」
「終わり……人生の終わりってこと?イコール死?」
私がつぶやくと、周りが凍りついた。
「そんなのが暴れたりでもしたら、地球滅ぶって……」
優月ちゃんが小さく呟く。七番くんとタナトスの関係は知らないけど、なんかヤバそう。
「……とにかく、ここから出ないと」
翠ちゃんは、そう言って立ち上がった。
コメント
1件
ああ、このエピソード、すごく緊迫感がありましたね…!七番くんの分身が「タナトス」の名を出して、あんな異様な力を使い始めるなんて。優月ちゃんが七番くんを起こせずに泣きそうになってるシーン、胸が締め付けられました。翠ちゃんが冷静に状況を分析しようとするけど、それもまた異常事態の証拠ですよね。黒い世界に閉じ込められたときの、えとさんの戸惑いもリアルで…。これからどうなるのか、続きが気になります!