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——カフェのテーブル。ふわふわのパンケーキを前に、二人は向かい合っている。


レロちゃん(僕)

「ねぇねぇ、れんちゃん」

身を乗り出して、にやにや。

「そのパンケーキ、一口ちょうだい★」


恋愛ちゃん(ボク)

「……嫌」


レロちゃん

「即答!?冷たくない!?」

「一口だよ?一口!」


恋愛ちゃん

「一口でも嫌。

 ボクのだし」


レロちゃん

「え〜?そんなこと言うんだ〜」

頬杖をついて、拗ねたふり。

「れんちゃんって、意外と意地悪〜」


恋愛ちゃん

「……うるさい」


……一拍。


フォークを持つ手が止まる。

視線を逸らしたまま、小さく。


恋愛ちゃん

「……し、しかたないな……」


レロちゃん

「おっ?」

ぱっと表情が明るくなる。


恋愛ちゃん

「一口だけね」

条件をつけるみたいに、すぐ続ける。

「その代わり——」

レロちゃんの皿を指差して。

「レロちゃんのも、ちょうだいよ?」


レロちゃん

「交換条件きた〜★」

嬉しそうに笑って。

「いいよいいよ、れんちゃん欲張りだね?」


恋愛ちゃん

「欲張りじゃない」

フォークで一口分を差し出す。

「……ほら、早く」


レロちゃん

「いただきま〜す★」


ぱくっ。


一瞬、真面目な顔で噛んでから——

にやり。


レロちゃん

「……ん〜」

わざとらしく首を傾げる。

「これさ」


恋愛ちゃん

「……なに」


レロちゃん

「れんちゃんの味がする」


——ピタ。


恋愛ちゃん

「……は!?!?」


一気に顔が赤くなる。


恋愛ちゃん

「な、なに言ってんの!?

 意味わかんないんだけど!!」


レロちゃん

「え〜?だってほんとだもん★」

くすくす笑って。

「甘いし、ちょっと素っ気なくて、

 でも後からじわっとくる感じ?」


恋愛ちゃん

「例えが最悪!!」

テーブルを軽く叩く。

「……そ、そういうこと言うな!」


レロちゃん

「照れてる?」

身を乗り出して、楽しそうに。

「ねぇ、照れてるよね今?」


恋愛ちゃん

「照れてない!!」

でも声が裏返る。

「……もう食べさせないから!」


レロちゃん

「え〜!?

 じゃあ僕のは無し?」

自分のパンケーキをひょいと差し出す。

「はいはい、約束は約束〜★」


恋愛ちゃん

「……っ」

少し迷ってから、ぱくっと一口。


恋愛ちゃん

「……普通に美味しい」


レロちゃん

「でしょ?」

満足そうに笑って。

「じゃ、これは?」


フォークで、もう一口分を

恋愛ちゃんの方へ近づける。


恋愛ちゃん

「……なに」


レロちゃん

「次はさ」

声を落として。

「僕の味、ちゃんと分かった?」


恋愛ちゃん

「……っ!」

耳まで真っ赤。

「……ばか……!」


フォークを奪うように取って、

乱暴に一口。


恋愛ちゃん

「……甘いだけ」


レロちゃん

「へぇ〜?」

にやり。

「じゃあ、その顔はなに?」


恋愛ちゃん

「……うるさい……!」


——言い合いみたいで、

イタズラみたいで。


でも。


パンケーキより甘い空気だけは、

二人とも否定しなかった

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