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明後日、三人は撮影の為スタジオに集まることにていた。
「おはよー、あれ?悠征は?」
「きたみんは…まだかな…」
ネスはそのまま気まずそうに目をそらす。
「どしたん、体調悪いん?」
目が合うと、何か言おうとして
「おっはよー!」
扉が勢いよく開いた。
悠征が元気よく顔を出す。
「おぉ、おはよう悠征」
「おはよ、きたみん」
「北見が来たぜ撮影だぜ」
「榊社畜だし舐めんなしぃ」
「社畜の魁星ですー(?)」
「…何これ」
内輪ノリ。
結局ネスが何を言おうとしたのかは分からず、収録を始めた。
「いやぁ疲れたー!」
「きたみんめっちゃはしゃいでたなw」
「足つってたやんw大丈夫?」
「おう!もう完治!」
撮影が終わり、少し話してからそれぞれ帰宅する。
自分も帰ろうとしたとき、ネスに呼び止められた。
「魁星」
「ん?」
「今日、一緒に帰ろ」
「えーよ」
「んじゃあ俺は普通に帰るわ。じゃなー」
「ん、またな悠征」
「ばいばーい」
「またー」
悠征を見送ったあと、自分達も駅に向かう。
スタジオを出ると冷たい風が頬を撫でていった。
「さんむいなぁ、手痛いわw」
手を温めながら言う。
「…手繋ご」
「は??」
理解する前に、片方の手を握られる。
「こうしてた、気がしたから」
「してた…???ね、ねす、ちょ、え??」
「嫌?」
「そうじゃないで?!嫌ちゃうけど、え?」
違和感を探る余裕もなくなってしまうくらい困惑している。
なぜ急に手??
頭でも打ったのか。
「…オルゴール、動いた」
「!…そうなんや、音なったぁ?」
「うん、鳴った。これも…出てきた。魁星につけてほしい」
ネスがポッケから小さな箱を、そこから指輪を取り出した。
片手で器用…。
指輪?
「え、なん、指輪…なんで僕?」
「魁星のでしょ?」
当たり前とでも言うように、足を止めて僕の指にはめる。
ネスの指にも、いつの間にか紫の指輪がつけられていた。
「やっぱピッタリだ。…ごめん、忘れてて」
「…なんの、こと」
「魁星は覚えてるんでしょ、全部。俺のこと」
真っ直ぐ見つめられる。
罰が悪くて、目をそらす。
握られていた手も、そっと離した。
「さぁ、何も分からんわ。指輪返そか?りゅーちゃんのお友達の…」
「魁星」
強く呼ばれ、また手を取られる。
ネスは、真剣な顔。
「魁星、俺真剣」
「…」
「ちゃんと全部知りたいし、思い出したい」
「…知らんでええことも、あるよ」
「そうかもね。でも、俺が知りたいんだよ」
何も言えなくなる。
「…鍵屋…行こか」
「!…うん、行く」
手は繋いだまま、何も喋れず方向を変えた。
鍵屋につくと、龍が出迎えてくれた。
察したようで、奥の部屋へ通してくれる。
「…最後に確認。ほんまに、知りたい?」
「うん」
「戻れんかも知らん」
「うん」
「危険かも」
「うん」
「…知らんかったらよかったって、思うで」
「それはない」
「そっか、…わかった。全部、話すわ」
長い長い、昔話を。