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大好きです、本当に、だいすきです
OD リスカ
その行為を助長してるものではございません エセ関西弁 本編伏せ字なし
カタ、とマゼンタの剃刀を机に置く。
茶色の机にどす黒い赤いものが付着したのを尻目に汗を拭う。
俺は自傷行為がクセだ。
年も死ぬこともできないこの身体に反抗したくなったのがきっかけかな、と腕にしたたる血を片付けながら思いに耽る。
リスカは楽しい。
多種多様な人な感想を抱く人がいるが俺は楽しい派。
だから余計やめられない。
やってしまったあとのじんわりとした罪悪感と傷を隠しながらいきる日々が始まるんだと思うとため息がこぼれでた。
「テツ」
「っあ、マ、ナくん、」
じっとりとした汗をぬぐいながらひと息つき、救急箱セットを取り出すと背後から声をかけられ、ひいてきた汗がまたどっと溢れ出す。
マナくん。同棲中の俺の彼氏。
自傷行為にも理解あるし彼もOD、薬の過剰摂取をしてる。だけど見つかるとやっぱり焦燥感は沸く。
好きなひとに汚い姿も醜い腕もみられてしまったというなんとも言えないじんわりとした嫌な気持ちが広がった。
「テツ、また切ってたん?」
「あ、えーえっと、、」
うまくマナくんの目がみれず滴る血もきにせず腕を握りこむ。
「テツ、痛いやろそれ。かわいいんだから隠さなくたってええんやで」
暖かくて優しい指が俺の血塗れた手に触れ、傷痕から引き剥がす。
そっと彼を見ると透き通った水色に柔らかく黄色が溶け込んでいる目が優しく俺を見つめていて耳が熱くなるのを感じた。
「いや、でも俺汚いから!これ!!」
「汚なくなんかないで。ずっと俺はかわいいって言うてるやろ?」
「でも俺、さあこんなことしてるのみられたくなんか、」
気づかないうちに喉に熱いものがこみ上げ涙が溢れ出していることに気づく。
「ぁ、ごめ、マナくん放っておいてくれ、ていいから」
「だめや。弱ってるテツかわええんやもん」
「え」
「でも泣いてるのは俺もいややねんな」
そうマナくんが呟いたと思うやいなや頬に手を添えられ涙をぺろ、と舐められた。
急なことに思考が停止する。
「ぁ、え、マ、ナく!!!?!」
「ふは、テツの涙は甘くてうまいんやなぁ」
癖になりそうやと耳に囁かれぞわ、と腰があまく震えた。
「マナくん、あのこれ処置終わったらその」
「ん、シたくなったんか?」
「、、うん、」
「んは、かわええなあもう」
「そーいうマナくんもシたくてきたんでしょ」
そう鎌をかけるとそんなわけないやろ、と少し怒ったような顔でこちらをみてきた。
「テツが一番優先で大事でテツがしたいことはぜんぶしてあげたいだけなんやで。」
「おれだって!マナくんがしたいこととかぜんぶ一緒にしたい」
ぎゅっと手を握りかえすと、ふにゃりと優しく柔らかくとろけるように笑ってくれるマナくん。
きゅ、と胸が締め付けられ薄い唇に俺の唇を重ねた。
「テーツ?」
「あ、ああ!!ごめ、我慢できなくて!!!」
目をみれなくて包帯を照れ隠しにグルグル巻いていると優しく止められまた唇にあたたかいものが重ねられる。
「俺もやから」
先程まで柔らかく光を含まれていた水色の瞳が欲情の色を含んでいて脳があまくしびれた。
自傷行為よりマナくんの歪んだ愛が一番癖になっているのは墓場まで内緒だなあとベッドになだれ込みながらそう思った。