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いつものように目が覚める。
あぁまた、憂鬱な一日が始まる。
「いッ…」
昨日ついたばかりの傷が痛む。どうしたらこの痛みから解放されるのか。今日は何もありませんように。
いつものように重い扉を開く。開いた先には見たくもない顔が二つ。完璧主義者で少しの失敗も許さず、失敗しようものなら教育と言い暴力を振るう父親。 その父親と同じようなことを言い俺を攻め立て父親を擁護する母親。
「おい」
突然かけられた声に驚き少し身体が震える。
「はい。なんでしょうか。」
何か間違いを犯してしまったのか?こんな朝っぱらから最悪だ。
「なんでしょうかじゃないだろう!お前は挨拶もできない出来損ないだったのか?」
「すみませッ」
バシンという鈍い音と共に痛みが走る。
「なんでお前はこんなにもいったことができない、守れない?最近のお前には失望させられてばかりだ」
ッうるさいうるさいうるさい!何なんだ..何なんだよ…俺はお前らの操り人形じゃない…。
「…申し訳ありません。もう二度と失望させることのないようにします。申し訳ありませんでした。」
もう嫌だこんな生活…誰か..助けて….
結局朝食をとることはできなかった。
家に居るときはあんなに重く感じた身体も、学校に近づくにつれて段々と軽くなっているように感じる。
学校はいい。親の監視もなく、何より何も考えず笑い会える親友達が居る。
お前らのお陰で俺は今まで生きてこれた。でも、それももう限界なのかもしれない。
靴箱に靴をしまっていると聞き馴染みのある声が聞こえてくる。
「はよ~さん」
いつもと変わらない黄色。いつもと変わらないはずなのになぜか、今日はとても綺麗に感じた。
「おはよきょーさん」
いつもと同じような表情、声色で返す。
「傷、増えたな」
「あー、昨日と今日の朝ちょ~っとやらかしちゃってね」
冗談めかしに返事をする。曇る表情。これは怒られるなと身を固くする。しかし、きょーさんが声を出す前に別の声が聞こえる。
「らっだぁ、きょーさんおはよ~」
「オハヨ」
きょーさんの時と同じように返事をする。
「おはよ。みどり、レウ」
「あれ?コンちゃんは?」
「日直やって」
「あーそういえば昨日言ってたな」
ふと時計を見ると、HRの時間が迫っていることに気づき声をかける。
「皆時間、やばいよ」
「「「え”」」」
驚いたような声を出すと同時にそれぞれが大急ぎて教室へと向かう。
楽しい時間ほど早く終わってしまうようで、あっという間に放課後になってしまった。今は日直のコンちゃんをみんなで待っている。
「ごめ~んおまたせ~」
合流したコンちゃんや皆と帰路につく。俺は皆と道が違うので、途中で別れて帰る。しかし、今日は家に帰るつもりはない。はちあわせる事を防ぐため少し時間を潰してから来た道を戻り、とあるビルへと向かう。
「ここならあいつらへの当て付けにちょうどいい」
そんなことを呟きながら自分の父親が経営をしているビルの屋上から夜景を眺める。
「これが俺の見る最期の景色か…まぁ悪くないな」
今までのツケだクソ共が
これで全部おしまい。あのクソ共がどんな顔すんのか見たかったな
…あいつらには、悪いことするな。俺の事なんか忘れて皆で楽しく幸せに暮らしてくれてたらいいな
じゃあな
「さよなら」