床下に落とされ
気付いたときには 青く光る 目に
間近から見下ろされていた
腕は 鎖で拘束され口にはボロ布が
巻かれている
完全に計画的だ……
『つかまえた つかまえた』
ゲラゲラゲラゲラ
『んー!』必死に抗議するが
ツギハギクソやろうは楽しそうに
笑うだけだ
首もとから レインコートが
引きちぎられた
ニヤニヤしながら ツギハギの顔が
近づいてきたとき
わたしは喉を食い破られて
死ぬのだと思ってぎゅっと
目をつぶった
ボロ布の上から口づけられた
べろり
は?!
混乱していると
ツギハギは太ももを掴んで持ち上げ
足の間に身体をネジこんできた
『彼氏 怪異でしょ ?
こういうのできるの?』
『オレ まだ人間だよ』
『オレと遊んでよ』
最低!!最悪だ!!!
身を捩って抵抗を試みるが
両手を拘束している鎖が
ガチャガチャと音をたてる
だけ
ショーツに指をかけ
ビっ 引き裂かれたそれは
右足に 引っ掛かっているだけに
なった
メリッ クソやろうは
無理やり つっこんできた
痛ったい! ど下手くそ!!
罵るが 『んー!んうんんー!!』
言葉にならない声で喚くだけ
悔しい!
クソやろうは 好きに動きはじめる
乱暴に突き立てられるソレ
痛いっての!!
ぐちゅ ぐちゅっ
濡れた音がしはじめると
クソやろうは『気持ちいい?』
とか聞いてきた
アホか!い た い か ら!
身体の防衛反応だっ!!!!!
悔しくて 少し涙がでた
体勢を変えられ バックで
いいところ をごリごリと抉られる
マズイ と思って腰を引いたのが
いけなかった
『ココ がいいの?』
耳もとで 囁かれ
グッと腰を固定されて
ソコばかり 攻め立てられた
やめろ!!
×××××!クソやろう!!!
『んんん!』
『ふうっ…』
『んうーー!』
『んっ…』
『んんんんー!』
『……ぁ』
段々と吐息が甘くなる……
自分の身体に 絶望する
コイツもコイツで
動きが自分勝手なものでは
なくなった
まるで 恋人にするように
そっと触れ 身体をなぞって
ワンピースを捲りあげながら
這い上がってきた その手は
柔く 胸の膨らみに触れ
先端で戯れる
『ん…』
『ぁ あ…』
もう 抗議の声も出なくなってきた
眉根をよせて 変な声を出さないよう
抑えるので精一杯
クソやろうが耳もとでまた囁く
『オレ 好きみたい あんたのこと』
『あなた なるべき
わたしの もの 』
クソやろうが!なに言い出すんだ!
キッと睨んで 振り返り
ヤツの顔をみた
ニヤニヤ笑っているかと思った
その顔は 切なく 泣き出しそう
だった
ぎゅっとわたしを抱きしめ
肩に顔をうずめて 顔を見せない
ようにした そいつは
呼吸を乱しながら ペースを上げた
人語と異界語が混ざりあう
ツギハギの告白
なんで オ…マエ! が
泣…きそうなんだ っ!ふざけんな
泣き…たいのはこ っち…だ
『あっ…あ………はっ、、あ』
訳の分からないまま 揺さぶられ…
不覚にも わたしは小さくイって
しまった
太ももがピクピクと痙攣する
ナカもおそらく………
『うっ、く………』
ツギハギは息をつめ
グッと押し付けるようにして
ナカに放った
『ちょっと だけ いい?』
話し始める ツギハギ
いや 拘束を解いてよ!
なに 語り出してんだよ!!
『んんんんー!?』
『だって それ 外したら』
『殺す気でしょ?』
ツギハギはケラケラと笑った
『オレさー だんだん人間の記憶
なくなってんの』
『自分の名前 思い出せ
ないんだわ』
『ただの怪異として
つまんねー この世界に縛られんの
ご免なんだよね』
『あんたが 殺して 喰って
くんない? 彼氏のほうじゃなくて』
『男に喰われて死ぬの イヤダ!』
『何言ってんだ キモい!
お前なんか 喰うか!』
拘束を解かれたわたしは言い放った
『えー?じゃあ お咎めなし?』
『また 襲われたいのー?』
ケラケラ
ツギハギは いつものニヤニヤ顔に
戻った
『オマエが 自× する
手助けなんてしないよ』
『あと わたしで思い出づくり
しようとすんな!』
『好き? 好きなコに
こんな無理やりすんのか?』
『オ マ エ は!!
ク ソ や ろ う!!!』
自分が何者か 分からなくなる
恐怖 それはわたしにもあった
誰かに救いを求めて
すがり付きたくもなる…
だから全部がウソではないと
思った
でも… 全部が本当でも ないね
『ウソにほんの少し 本当を
混ぜるのは詐欺師の常套手段だよ』
『ばれてんだよ ばーか!』
わたしも名前を忘れている気がする
『化の あだみ』は本当に人間だった
ときのわたしの名前だろうか?
その名前すらも最近は思い出すのに
苦労するのだ…
わたしは人間に未練なんてないから
まだ いいのかもね
お咎めなしは あり得ないが
今ここにアカガサを 呼び出すのは
大変 マズイ 気が するのだ
なんか 凄くそんな気がする!
だって アイツ たぶん全部
見てんだもん
『オマエは ずうっとココに
囚われてろよ それがオマエに
下された罰なんだろ』
『ひゃだ…男前! 余計惚れちゃう』
ツギハギはオドケてみせた
さて こんなこと仕出かした
クソやろう の 手を借りて上に
上がった
『なんで 彼氏呼ばないのさ』
『ほらあの 赤い方とか』
『呼べば来るんでしょ?』
『オレは逃げるけど』
『呼んだら…わたしも えらい目に
あいそうな気がする…』
『何?怖っ? DV彼氏?』
『いや そういうんじゃ
ないけど… 』
『とにかくアンタは 今後一生
背後に…いや、 前後左右
まんべんなく 気をつけなよ 』
『じゃ! 』
『今度 また わたしの前を
チョロチョロするなら 初手
コロすから! 』
わたしは自分の場所へ 走った
『あー………どうしよ?やっば !』
『ばれてんじゃん! 全部?!』
『やべー…… 本気で あのコが
欲しい! !』
ツギハギの目にギラギラとした
光が戻った
クスクスクスクス
『漁夫の利』ってことあるし
チャンスあるんじゃない?
オレたちにも
ケタケタケタケタ
ツギハギの周りに 囁きと嗤い声
白く浮遊する何かが絡みついていた
END 『ツギハギなもの』
選択肢
『選択にもどる』『世界の声をきく』
世界の声
あなたに役割を与えます
『捕縛するもの』
この世界から逃げ出そうと
するもの 消えようとするもの
を捕らえてください
役割を果たせば 住民として
永遠にこの世界に在ることを
許可します
ただし あなたも逃げ出す
消えること は許されません
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