テラーノベル
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⚠️先天性女体化⚠️
幼少期
夕方の実験室。
窓から差し込む光が、薬品瓶とガラス器具に反射して淡く揺れている。
スタンリーは壁にもたれ、腕を組みながらゼノを眺めていた。
ゼノは白衣の袖を少しまくり、慣れた手つきでフラスコを揺らしている。ポンパドールに整えた前髪、そして肩より少し長い銀髪が背中で揺れる。
実験の準備はいつも長かった。
「……暇」
ぽつりと呟く。
(なんか暇つぶしんなるものねぇかな…)
視線が自然とゼノの髪へ向く。
さらり、と揺れる銀髪。
スタンリーは立ち上がり、無言で後ろに回った。
「……?」
器具を扱いながらも、ゼノは気配に気づいている。
スタンリーは自分の手首に結んでいたヘアゴムを外し、そのままゼノの髪に指を通した。
さらさらと指の間をすり抜ける感触。
「おぉ、スタン。いきなりどうしたんだい?」
「ただの暇つぶし」
無愛想に言いながらも、指先は丁寧だった。
髪を高く持ち上げ、きゅっとまとめる。
高いポニーテール。
銀髪がきらりと跳ねる。
ゼノは一瞬だけ手を止め、振り向いた。
高い位置で結ばれた髪が揺れ、普段から幼い顔が更に幼く、そして凛々しく見える。
「似合うかな?」
いたずらっぽく微笑む。
スタンリーは一瞬、目を逸らしかけた。
(……やば)
心臓が、少しだけ速くなる。
「……よく似合ってんよ」
ぶっきらぼうに言う。
外では風が吹き、窓が小さく鳴る。
実験室の中は、二人だけの静かな世界。
銀のポニーテールが揺れるたび、スタンリーの視線も揺れていた。
――暇つぶしのはずだったのに。
今日はなぜか、やけに胸が落ち着かなかった。
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