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『本当はね、あなたが好き』
そんな言葉を言ったって、貴方は振り向いてくれないのに。
本当、バカだなぁ。私、恋の呪いかけられたみたい。
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「なぁ!🌸!!」
貴方に名前を呼ばれ、咄嗟に振り向く。
私に話しかける貴方の眼はとても輝いていて、私はある事を「察する」。
『…🤍ちゃんの話?』
「そ!笑」
嗚呼。そっか。貴方は私に興味がない、私の気持ちにさえも気づいてくれない。
昔から、私がずっと見てきたのに。
「それがさ〜、昨日…一緒に帰ったんだよな」
私との帰る約束も破っておいて、他の子と帰ったの?
自分の欲望が腹の底から出てきているようで気持ち悪い。前まではこんなんじゃなかった。
全部、貴方のせいだよ。ねぇ、早く気づいてよ…私の気持ち。
好きだよ、秋紀。早く、気づいてよ。
『ふーん、良かったね』
「まっじで可愛いよな〜…人間か疑うわ」
私の前で🤍ちゃんの話をしないで。私の前であの子の名前を出さないで。
ねぇ、私だけを見てよ。少しだけでいいから。
「なぁ、大丈夫?」
突然、秋紀の顔が私の眼に映る。やめて、心配しないで。これ以上好きにさせないで。
『…平気、大丈夫 』
なんで私はこんな言い方しかできないんだろう。もっと私に愛嬌があったら。
秋紀は今頃私のことを好きになってくれたかもしれないのに_
教室の扉が急に開く。教室に入ってきたのは、まるで人形のような容姿をした可愛らしい女の子。
彼女は、秋紀を見つけると共にこちらへ小走りで向かってくる。
「おはようっ木葉くん」
可愛らしい声で秋紀に「おはよう」の一言。こんな簡単なことだけど、私にはできない。
秋紀を見れば、🤍ちゃんに見惚れているのが分かる。
とても気分が悪い。
「🌸ちゃんもおはようっ」
『、おはよう』
「も」って何?あー、やだ。全部の言葉に腹が立って仕方がない。
こんな事でイラつくなんて、私はなんて性格が悪いんだろう。本当に自分に腹が立つ。
「それよりさ…!昨日のドラマ見た?」
「オススメしたやつ!」
「あー!見た見た笑」
私が知らない話題。そんな話題を2人はしてる。つまり、私は「邪魔者」。
『秋紀』
「ん、どした?」
私が話しかけると、すぐにこっちを見て私の目を見て話してくれる貴方が好き。
けど、私のこの気持ちは貴方には迷惑。
だからもう、辞めるね。
『次、移動教室。先行ってるね』
そう言い残し、私は席を立つ。
こんな晴れない気持ちのまま、1人で行ったって気分は晴れないまま。
そうだ、こんな時こそ「アイツ」を誘おう。
『ねぇ、木兎』
私が話しかけると、木兎はすぐにこちらを向いて要らない一言をぶつけて来る。
「おー!!🌸!!」
「振られた?!」
『うるさい、振られてない』
これが私たちのいつもの会話。
何でこんなヤツが案外モテるの?と疑問が湧く。木兎がモテるから私だってモテる…はず。
「…おい!🌸!」
『…へ?』
急に、秋紀に手首を捕まれ、頭が混乱する。🤍ちゃんはどうしたの?その言葉が私の口から出なくて…身体の中でムズムズしている感じが気持ち悪い。
『秋紀…🤍ちゃんは、?』
私がそう聞くと、秋紀は気まづそうな顔をしながら私にこう応える。
「…いや」
「、移動教室とかは普通に…🌸と行きたい」
やめて、期待しちゃうよ。お願いだから、これ以上好きにさせないで。
私は必死に忘れようとしてるのに、何で貴方はそうやって私の心をかき乱すの?
『…好きな子と行くべきだよ、笑』
私、上手く笑えてるかな。大丈夫かな。
ちゃんと、笑えてるかな。
「何でそんな冷たいんだよ」
「俺…何かした?」
そんな顔で見ないでよ、秋紀が悪いんじゃん。何で、私が悪いみたいになってるの?
『冷たくなんかないよ、平気』
「…なぁ、こっち向けって」
『やめて、もう…行かなきゃだから。また…明日、一緒に行こうね 』
無理やり話をはぐらかして、木兎を引っ張り廊下を歩く。
チラッと見た秋紀の顔は、悲しそうな顔をしていて胸がギュッと苦しくなる。
「…木葉くん…?」
「ん、あぁ…なんでもない…笑」
「…ふーん」
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「はぁ…」
こんな事になるなら一緒に移動教室言っとけば良かった…。今更後悔しても遅いか…。
いつからこんな関係になっちゃったんだろう。…秋紀が🤍ちゃんを好きになった頃から…かな。笑
ガラッと扉が開き、秋紀と🤍ちゃんが一緒にこちらへ歩いてくる。
「おぉ!!木葉ァ!!」
隣では木兎が騒いでいるけど、私はそれどころではなかった。
「なぁ、🌸」
『…何?』
無意識に冷たい感じになっちゃってるのかもしれない。秋紀、悲しい顔してる。
「今度、”2人で”一緒に出かけよ」
『…え?』
「最近、遊べてなかっただろ?」
「俺…🌸と遊びたい」
予想外の言葉に、開いた口が閉じない。秋紀は私の顔を見てフッと笑った。
まるで、絵本の中の王子様みたい。
「口…開いてる、笑」
秋紀は私の唇を触ると、私のおでこにデコピンをカマしてくる。
『痛っ』
「…せっかく、可愛いのにさ…笑」
「笑ってよ、🌸」
これ以上、期待させないでよ。
『…期待…させないでよ』
ボソッと私の中の本心が出てしまう。こんな気持ち悪い感情を支えていたなんて、こんな私も秋紀もみんな大嫌い。
もう、どうしたらいいのか分からないよ。
「ちょっと〜、私の前でイチャつかないでよ!」
と、🤍ちゃんが私たちに向かって言う。けど、言っている割には🤍ちゃんの眼はとても鋭く冷たくて、背筋が凍る。
きっと、🤍ちゃんにとって私は2人にとっては邪魔な存在。言わば、”脇役”。
『とりあえず…距離近い』
秋紀を強制的に遠ざける。🤍ちゃんの視線が刺さって痛い…のと、私の心臓が持たない。
「昔は平気だったのに?笑」
『からかうなし…!』
きっと、私の顔はゆでダコのように赤いだろうな。それだけ、秋紀が好きなんだよ。
気づいてよ。
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秋紀は何がしたいのか分からない。
これ以上期待させて、何がしたいの?
もう、辛いよ。
「平気ですか?🌸さん」
『え?』
話しかけてきたのは赤葦。まずい、落ち込んでるとこ見られちゃったかな?
『全然平気だよ?赤葦こそ、2年生のフロア来てどうしたの?』
「いや…」
「木葉さんと木兎さんに用事があって…」
『そうなんだ笑』
『木兎と秋紀ならあっちに居るよ』
「ありがとうございます」
「🌸さんは来ないんですか?」
『私はもうちょっとフラフラしてるね』
「…分かりました」
何かを察したような顔をした赤葦だったけど、深くは探ってこなかった。
きっと、私が酷い顔をしていたんだろう。
後輩にも迷惑かけて、先輩失格だな。
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「失礼します」
扉を開く音と共に、俺は目線を扉に向ける。扉の前に立っていたのは赤葦で、🌸ではなかった。
「赤葦!」
「🌸見なかったか?」
「…いいえ、見ませんでしたよ」
おかしい。校内中探し回っているのに見つからないなんて。
「🌸さんと喧嘩でもしたんですか?」
ついには赤葦まで、俺と🌸のことを心配して探ってくる。
後輩に迷惑かけて何やってんだ、俺。
「いや…してねぇつもりなんだけどな、笑」
「嫌われちまったかな」
「それはないと思いますけど」
最近、🌸と一緒にいる時間が極端に減った。🤍のことを気にしてるのか分からないが、きっと🌸のことならそうだろう。
俺を気遣って、🤍と2人きりにさせようとしてる、そう…間違いない。
「🌸!」
『…どうしたの?』
明らかに俺から距離を取ってる。あからさまに距離を取られ始めたのは俺が🤍と一緒に帰ったあの時から。
「…その、ごめん」
俺はただ、謝ることしかできない。
『…何で謝るの?』
『…秋紀は何もしてないよ』
ただ、謝ることしか俺にはできない。きっと、俺が🌸を傷つけたのに最低だ。
「…俺が🤍と一緒に帰ったっていったと_」
俺が🌸に避けられて “原因” を話そうとしたとき、🤍が俺に抱きついてきた。
「はッ?!」
「え?」
「私を除け者にするなんて酷いっ!私も混ぜて…?」
NO、とは言えなかった。
『…私、先戻ってる』
「おい🌸!話が」
『🤍ちゃんがいるんだから、話しなよ』
『…私のことは気にしないでいいからさ笑』
明らかに作り笑いだ。昔から何でも溜め込む奴だったから…俺がそばにいて支えてやらねぇとダメなのに。
人一倍強がりで、優しくて…とっても寂しがり屋な女の子なんだから。
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最悪だ。またやらかしちゃった。
せっかく秋紀が話しかけてくれたのに、何で私はいつも素直になれないの?
『…絶対嫌われた』
1人空き教室の隅で座って自分でも言いたくない言葉を吐く。
“私がもっと素直になってれば、何かは違ったのかな笑”
『そろそろ気づいてよ』
『ばーか…笑』
もう、ダメだ。
我慢していた涙が一気に零れる。
好きだよ、秋紀。昔も今もずっと大好きなのに何で私じゃないの?
私が1番、秋紀のこと分かってるのに。
『好きだよ…秋…』
『気づいてよ』
「…やっと見つけた笑」
『…え、?』
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やらかしてから20分経った今でも、俺は🤍の沼から抜け出せずにいた。
「秋紀くん甘いの好き?」
「私、駅前でいいお店知ってるんだ〜!」
「…へー笑」
「明日一緒に行かない?」
「あー…明日は、」
こんなことしてる場合じゃない。早く🌸のところへ行って謝らないといけないのに。
「木兎!」
「おぉー!!木葉じゃねぇか!!」
「🌸、見なかった?」
「俺喧嘩しちゃってさ…」
「🌸さんならさっき、向こうの空き教室(入って行きましたよ」
ナイス赤葦!!
「まじ!?さんきゅー」
「…ごめん、🤍」
「俺、🌸のとこ行ってくる」
早く行かないと。
「…行かないで、」
「え?」
「っ、私…秋紀くんのことすき、」
「ずっと秋紀くんしか見てないよ、!」
「は…」
正直、バカ嬉しぃ。
けど…俺の中には🌸の存在の方が大きかった。
どっちを優先するべきだ?
「好きな人」か「大切な幼なじみ」
…そもそも、俺にとって🌸は本当に “ただの幼なじみ” なのか?
「お願い…🌸ちゃんのところには行かないでっ、?」
「……」
俺の気持ちは?
「木葉さんは🤍さんのそばにいてあげてください」
「は?」
「🌸さんは俺に任せてください」
「木葉さん、迷ってるようなので」
まるで、俺を試すかのような言い方。
「秋紀くん…」
「……」
「ごめん、🤍」
「っ、え?」
「俺はやっぱり、🌸が大切なんだ…笑」
「だからごめんな」
早く🌸に逢いたい。
きっとこの気持ちは「ただの幼なじみ」で済まされる気持ちではない。
「あー…そっか、笑」
俺はとっくの昔から🌸に惚れてたんだ。
「…ここか」
🌸がいる空き教室。
教室の中から鼻を啜ってる音がする。
まさか…泣いてる?
だとしたらマズイ、早く行かないと。
『好きだよ…秋…』
『気づいてよ』
は?
🌸が俺の事を好き?
は???
俺の思考は一気に止まる。
え、は…いつから?
俺が思ってる前からずっと俺に片思いしてくれてたってこと?
やばい、ニヤケが止まんねぇ。
ってこんなこと考えてる場合じゃない。
俺は深く深呼吸をし、思いっきり扉を開けた。
「…やっと見つけた笑」
『…え、?』
もう、離さない。
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まずい、今の…聞かれてた?
『あき…どうしたの?🤍ちゃんは、』
「今🤍は赤葦達と一緒」
「俺は🌸探しに来た」
『は…なんで』
やめてよ、期待させないで。
忘れようって…必死になってるのに。
「俺、🤍に告られたんだよな」
1番聞きたくなかった、その言葉。
『…そ、おめでと』
もう、私の恋愛は終わりか。
長い…片思いだったな。
「断ってきたけど」
『え?』
『なん、で?』
嬉しいと思ってる私は、酷い女なのだろうか。
「🌸が好きだから」
「悪ぃ、気づくの遅くて」
「とっくの昔から俺、🌸に惚れてる」
『嘘、』
「嘘じゃねぇよ笑」
こんな奇跡…あっていいの?
『わ、私も…秋紀が好き、』
「知ってる笑」
「聞こえてた」
『え、?!』
穴があったら入りたい…!!
「俺と付き合って」
「ずっと、大事にするから」
『…はい!』
幸せだな。
どうかこの幸せがずっと続きますように_。
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「はー…途中までいい感じだったのに」
結局、ヒロインは報われて負けヒロインは報われないってこと?笑
そんなの、理不尽じゃん。
「私だって…普通の恋してみたい」
秋紀くん、結構本気だったのに。
ま、ヒロインには勝てないか。
そりゃそうだよね、私…「負けヒロイン」だし。
「🤍さん」
「え?」
あー…確かこの子、秋紀くんと同じ部活の…2年生だっけ?
正直、年下は対象外なんだよねー。
「俺、🤍さんのこと本気で好きです」
「え?」
「裏の顔とかも…笑」
「はっ、???」
「絶対好きにさせるので」
「覚悟しといてくださいね笑」
「……」
私の青春…ここから?!