青組
・青組の日(遅刻)
・R無し
爆速で書いた短編なので文法おかしかったり話がごちゃついてると思います🥲🥲
『〇〇〇〇』
かち、かち、と、部屋の中に時計の音が響く。それくらい、しんとした室内。
水)…。
本当にぼくらの家とは思えないくらい静まり返っている。それもこれも、ぜんぶいふくんが隣に居ないせい。
水)…もう日付回っちゃうよ…
スマホを開けば、もう23時も終盤。もうすぐで短針と長針が重なってしまう。
そうすれば、ぼくらの記念日は終わり。
ちょうど一年前、ぼくといふくんが付き合った日なのに。
そんな大切な日に、彼はぼくの隣に居てくれなかった。
嫌われてるのかな、とか、記念日忘れてるのかな、とか。
ぐるぐるぐるぐる、考えて、考える。
頭がぐちゃぐちゃになって、訳もわからないまま涙が滲んでくる。
記念日に1人で恋人の帰りを待って。
あーぁ、今のぼく、きっとすごく惨め。
水)…仕事仕事って、ばっかり
今はどうせ誰も居ない。この家に居るのはぼく1人。だから、思い切って不満を口にしてみる。
ぐるぐる心の中で考えてても虚しいだけ。
水)いふくんが仕事人間なのは知ってるけど、さぁ…
水)今日くらい、ぼくと、いてくれ…、ても…ッ、
居てくれてもいいじゃん、まで言えなかった。仕事よりぼくを優先して欲しいなんて、そんなわがまま言ったらいふくんに迷惑をかけてしまうから。
喉がきゅぅとなって、目頭が熱くなる。気付けば頰を涙の粒が伝っていた。
水)ッぅ、ひく、ッばかぁっ…
悲しくて、悲しくて。
大きいソファに1人で座っているせいで、隣がぽっかり空いている。
早く埋めてよ隣に来てよ、いつもみたいに優しく名前呼んでよ。ぼくのことからかってよ、いっぱい話したいよ。
水)…っ会いたいよぉ、いふくっ…
喉が痛くて、自分の嗚咽と鼻を啜る音が大きく聞こえる。
そのせいか、玄関の鍵の開く音に気が付かなかった。
水)ぅぅ”~~ッ、ひ、ひぐぅッ…
もうどうにでもなれ、と思ってぼろぼろ泣いている。と、急に横からぎゅうと抱きつかれた。
?)はぁ”ッ…はぁっ…!
水)…は、へ、?
突然のことに、目を瞬かせる。だれ、と思った次の瞬間、大好きな香水がふわりと香った。
水)…っ!?
?)遅くなって、ごめん、
ぜぇぜぇと荒い呼吸をするままぼくを抱きしめるその人は、間違いなくさらさらの青髪で。鼓膜を揺らす低音が心地良い。
こんなの間違える要素が無い。
水)い、いふ、く…
青)ッうん、いふだよ
青)遅くなってごめん、ほとけ…
ぎゅう、と体を抱き締められる。ここ最近忙しかったらしく、全く話せていなかったいふくん。
そんないふくんにぎゅってされて、涙がぶわっと溢れてくる。
水)ぁぇ、え…
水)いふく、ッいふくんっ…
青)うん、ごめんねほとけ…
「ごめんね」って言われなくても、いふくんが急いでくれたのは分かる。だって、こんなに寒い冬の夜に汗かいて走って帰ってきてくれたんだもん。
それが堪らなく嬉しかった。
青)仕事なかなか終わらんくて、今日も休み取ってたのに…急に、出勤になってもうて
青)1人にしてほんまごめん
青)間に合って良かった…
水)わがってるよぉ”…い、いふくん、いそがしい”の、し”ってるもん”っ…
じわじわ伝わってくる体温が温かくて、声を聞けたのが嬉しくて。
スーツのままのいふくんに縋り付いて泣いてしまう。
青)ごめん、ごめんな
青)…ほとけ、聞いて
大きく空いていたソファ。その隙間が、今大好きな恋人によって埋まる。
青)ほとけのこと、世界でいちっばん、
青)愛してる
その瞬間。かちり、と、時計の針が重なる。
水)…ふふ、ギリギリすぎ…
水)ぼくも、…っていうか、ぼくの方が愛してるよ…
にへっ、て泣くのを我慢して無理やり笑みを作って。大好きないふくんの前では、いつでも笑顔でいなくちゃね。
青)…ほんまに好きだよ
青)これからもずっと一緒におってね
いふくんの手がぼくの頬に触れる。氷みたいに冷たい指先。
水)…っ、ぅぅ~っ…
優しいいふくんの顔がすきで、すきですきで胸が苦しくなる。やっぱり我慢できなくて号泣するぼくの涙を、優しく拭ってくれるいふくん。
その拍子に、お互いの顔が近くなる。
水)…っ、
なんとなく、雰囲気に合わせて目を瞑った。
ちゅ、と軽くいふくんの唇が触れる。
水)…んふ、ふへ、
水)ありがと、いふくん
水)当たり前だよ、これからもずっと一緒…ね?
青)…うん、
いふくんの深い紺色の目が細められ、すりすりと耳を撫でられる。
もう日付は回ってしまったけど、いふくんと一緒に過ごせてることがぼくにとっての最高の幸せだから。
これからもたくさん2人の思い出つくろうね。
『愛してる』
12⁄16 → 12⁄17
コメント
1件
12月16日…もしかして…いふいむの日だ…そういうことか! 主まじで天才すぎるよぉー