テラーノベル
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うるさいアラームで目を覚ます。
「パパ!おはよう!」
リビングに行くと彼が待っていた。
僕の息子、C00lkidd。
「パパ!」
どこに行っても着いてくる彼に愛おしさを感じた。
「少し顔を洗ってくるからいい子で待っててくれ」
「分かった!」
彼の頭を撫で洗面所へ向かう。
歯を磨いて顔を洗っているとリビングから声が聞こえた。
タオルで顔を拭いて急いで向かうと、彼がどこかに頭をぶつけたのか痛そうに泣いていた。
「ああなんてことだ…よしよし、氷を持ってくるから待っててくれないか」
「ぱぱぁ……うぅっ」
子育ては思ったより大変だ。
でも嫌とは思わない、むしろ楽しい。
「痛みはどう?まだ痛い?」
「ううん、痛くない」
「今日はゆっくり休んでなさい」
「……うん」
怒られると思っていたのか少し怖がっている様子の彼を優しく撫でる。
彼はまだ子供だ。ぼくがそばにいなきゃいけない。
「あまりはしゃぎすぎないようにな」
「はい、パパ……」
「C00lkidd」
「…なあにパパ」
「君はすごくいい子だ。いつも無邪気で子供らしい。パパの言うことも聞くし、反抗もしない」
「うん、」
「頭をぶつけた時、怒られると思った?」
「うん……」
「大丈夫、パパはすぐに責めない。パパは君の味方だからな」
「わかった、ありがとうパパ」
安心したように微笑む彼に僕も笑顔になった。
「もうこんな時間か、ご飯を食べたらお風呂に入って寝なさい」
「でもアイスが食べたい!ダメ?パパ……」
「ああもちろんいいよ、じゃあしっかりご飯を食べた後に買いに行こうか」
「やったー!ご飯食べる!パパだいすき!」
「パパも大好きだよ」
抱きしめると彼は早速キッチンへ向かった。
「パパ!あーんして!」
「あーん?」
「テレビで見たの!女の人が男の人にご飯を食べさせるときにあーんって言うの!」
「ああそういえばそんなものもあったな……」
「して!パパ!」
「はいはい、あーん」
「あーん!んふふっ美味しい!」
「それは良かった」
いつもより楽しく食事ができた気がした。
その後、2人で食器を洗ってアイスを買いに外へ出た。
アイスを選ぶ彼を見ながら明日の朝ごはんと夜ごはんを考えていた。
(オムライス、グラタン……)
彼が好きなものはなんだろうか…
「パパ!これ欲しい!」
「分かった、じゃあカウンターへ行こうか」
アイスを購入したあと家に帰って一緒にお風呂に入った。
何歳までこうやって2人で過ごせるだろうか
反抗期が来たら、どうしよう……
耐えられるか不安になる。
「パパだいすきだよ!」
背中を洗ってやっていると、彼はそう言った。
「……ありがとう、パパも大好きだよ」
何度も繰り返したこのやり取り、
反抗期が来てしまったら懐かしいものに変わってしまうのだろうか。
「パパ?」
洗った体を綺麗に流した後に、抱きしめた。
「パパ甘えんぼさんになっちゃった?」
まだ幼い声に体、大人になってしまうのが寂しくなる。
「ごめんごめん、そろそろ出ようか」
「うん!」
タオルで体を拭いて、寝る準備をする。
「ひとりで寝れるか?」
「ぼくは寝れるけど、パパは寝れる?」
「……今日は一緒に寝ようか」
「へへ、もちろん!」
寝室に移動して一緒のベッドで眠りにつく。
「いい夢見れるかな」
「きっと見れるよ」
「もしそうだったらパパと一緒の夢がいいな」
「そうだな…楽しみにしておこうか」
少し話をしていると、いつの間にか彼は目をつぶって気持ちよさそうに寝ていた。
数分見守ったあと、彼を抱きしめながら目を閉じた。
僕も彼もいい夢が見れますように、そう願って。
コメント
2件
平和すぎて逆に泣く