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俺は,あいつを始末した感触をまだ覚えている。
“やめてくれ。
俺が何をしたって言うんだ。
何もしていないじゃないか。
どうしてこんなことをするんだ。”
うるさかったな。ずっとこう言ってた。
レパートリーそれしかないのかよ。つまんないな。なんて思った。
あいつにトドメをさす前に,
凪さんは俺のだから。って言ったら
あいつは,
凪はずっと俺のだ
なんて言いやがって。
ふざけんな。それが凪さんに呪いみたいに付き纏うだろ。
そして俺は
包丁で肉を刺した。
進んでいって,内蔵に到達した。
あぁうざい。 こんな感触さっさと忘れないと。
凪さんに触れる時にこの感触が邪魔してしまうだろ。
血を吐いていた。
包丁を抜くと,血が勢いよく噴射された。
俺はその血を浴びてしまった。
汚い血。このまま凪さんに触れたら凪さんが穢れてしまう。
そう思って家に帰ってすぐ風呂に入った。
けど感触と鉄の匂いは中々落ちなかった。
凪はずっと俺のだ
…俺の方が先に好きになっていたのに。
そんなことをほざきやがって。
凪さんのこと何も知らないくせに。
俺は凪さんの全てを知っている。
お前が知らないこと全て。
だって,愛してるから。
愛している人の事は全部知らないといけないだろ?
_____
「…おい,人の家で寝るな。」
「……ん,ん?!ごめん,寝ちゃったよ,すぐ帰る帰る。」
なんか少し焦った顔をしているな。
まぁいいか。俺は関係のないことだろう。
「構わない,暗いから気をつけろ。」
「うん!!またね~!」
あいつ,寝言で
愛してるって言ってたな……。
…やっぱ学生はアオハルしてんだな。若い。眩しい。
まだ20歳なのにあいつが若いとか思ってるのは流石におじいちゃんすぎたか。
まぁ,いい。
「…早く恋人と連絡がとりたい。」