⚠️注意⚠️こちらはnmmnです。
本人様とは一切関係ありません。
含まれる要素:自傷行為、過呼吸、身体の関係
以下本文
hsrb side
一日が終わってさあ寝ようとした時、決まって嫌な感覚に襲われる。
それはまるで自分の中が空っぽになっていくようで、気が付けばナイフを手に取っていた。袖を捲り腕に当てて引けば赤い血が浮き出て。ああ、大丈夫、ちゃんと生きてるって思えて。 今では寝る前のその行為がすっかり癖になってしまった。
そして、厄介なことに最近周りに勘づかれ始めている。戦闘でどれだけ負傷しても腕だけは頑なに家で手当すると言い張ったこと辺りが原因だろうか。
彼らは優しい。だからきっとこれを許してはくれないだろう。多分、こんなに綺麗な肌なのに、とか言って俺以上に辛い顔をする。そんな顔は見たくないから隠し通さなければいけない。
と、思っていたのに。
「おい、何してる」
…彼に隠し事は通用しなかったらしい。
「ちょ…っと、小柳くん…?」
近付いたと思えば 強い力で手首を掴まれ 、店の二階にある住居スペースへ遠慮なく連れて行かれる。名を読んでも目線すら寄越してくれず、無言で進む背中をぼうっと眺めた。
寝室に着けば力が緩まりやっと振り返った彼と目が合う。
窓から入り込んだ月明かりに照らされた瞳には、悲しみというより怒りに近い色が滲んでいた。
「説明するか寝てから説明するか選べ」
そんなはいかYESかみたいな選択肢、なんて軽口を叩ける雰囲気ではない。射抜くような視線に耐えられず目を泳がせて考えた後、とりあえず座りましょう、とベッドの縁に並んで座る。
「…説明、なんですけど」
「ん」
「俺って今生きてるのかなって」
「おん」
何となく気まずくて両手を絡ませたり擦り合わせたりしながら、一つずつゆっくりと話していく。いつも以上に相槌を多く打ってくれているのは彼なりの気遣いなんだろうか。
素っ気ないように見えて一番優しい心を持っている彼だから、バレるとしても彼以外がよかったな、とぼんやり考える。俺も人に言えないが、彼は一匹で生きてきた分全てを抱え込もうとするから。全部耐え切れなかった弱い俺が悪いのに、自分にも責任があるのではと考えてしまうことを俺は知ってしまっている。
「っ、すみ 、ませ…」
「…星導?」
「ひゅッ、」
気付けば息が浅くなっていて、ぐるぐる思考を巡らせていると喉が引き攣った音を奏でた。
「はひゅ、っは、っひゅ」
「大丈夫、ゆっくり息吐け」
「ぅ、は、っはけ、な」
彼が的確であろう指示を出しているのに上手く従えない。早く終わらせなければいけないと考える程酷くなっていく呼吸に嫌気が差す。背中をさする動きはどこかぎこちなくて、それでも確かにそこに温もりはあって。生理的なものかまた別のものなのか分からない涙が溢れて落ちていく。
「いい、喋んな。俺に合わせろ」
軽いパニックになっていると肩を抱き寄せられ、必死に彼の呼吸音に合わせて吸って吐いてを繰り返す。
「吸って……吐いて ………ん、出来てる」
「少し落ち着いたな 」
「ふ…はい…」
助かりました、と一言礼を言って彼の腕から抜け出そうと身を引くも上手くいかず、代わりに先程より強い力で抱き締められた。急な出来事に瞬きをしている と頭上から声が聞こえる。
「こんなんしなくたってお前は生きてるよ。ちゃんと」
「それとも何、そんなの関係なしに縋るものが欲しい?」
だったら俺に縋ってくれたらいいのに、と言いたかったのだろうか。続くはずの言葉はいつまでも聞こえてこなくて、震える腕で強く抱き締められたままだった。
「…小柳くんはどうしてこうも世話焼きなんですかね 」
「……別に誰彼抱き締めてるわけじゃねぇよ」
「ふふ、俺って特別?」
そうおどけて笑って見せたら頬を赤らめた彼がいたから。
半分無意識に、近い距離をもっと詰めるようにして唇を奪った。
「…俺に空いた穴、小柳くんが満たしてくれませんか 」
kyng side
「ふ…ぅ、♡ぁっ…♡」
身体に触れる度に手の隙間から漏れ出す彼の溶けた声に心臓が跳ねる。長い髪で隠れてしまっている彫刻のような顔は耳まで真っ赤に染まっていて、手を伝って感じる熱さに興奮を覚えた。もっと乱れた姿が見たいと吠える本能に口枷をし、胸の飾りの周りを焦らすように触る。
「…ん♡なん、でぇ…♡」
涙によって潤んだ瞳と視線が交わる。目を細めて今度は強く握ってみれば気持ちいいのか喉を晒す彼。下は触って欲しそうな程に立ち上がっていて、先走りを先端にぐりぐり塗り込むように刺激してやれば腰をビクビク震わせて反応を返してくる。
「は♡ぅ゙♡♡ぃや、っ♡」
「…嫌?ほんとに?」
「ぁ、や゙♡やじゃない…♡♡」
だよな、元はと言えばお前が誘ってきたしな、と言えばたちまち茹で蛸みたく更に顔を赤くする。手を離しそれに顔を寄せてキスをすれば、どうにか力を入れて上半身を起こす彼。
「ぇ、なにして…っあ♡」
「ん゙♡そこきたな、♡♡っねぇ、♡ぅ♡」
水音を含む卑猥な音が部屋に響いて、先程よりも強い刺激からか声のトーンが上がった。止めさせようと乱暴に俺の頭を掴んでいる手も、裏筋を舐めたり亀頭を吸えば力が入らなくなっていく。
「ほんと、だめ…ッ♡ぃぐ♡♡い゙…っ♡♡」
「ん、」
口を離したタイミングで勢いよく精子が飛び出る。顔にかかった分を舐めてみせると恥ずかしさからかわざとらしく視線を逸らされる。
「なぁ、後ろ使ってもいい?」
「…いい、よ」
彼が何回か自分で弄ったことあるし、とこぼした言葉が嘘ではなかったことだけを鮮明に覚えている。はち切れそうな理性を何とか繋ぎ止めて、孔にあてがい、出来るだけ負担がかからないように少しずつ奥へ進んでいく。
「ひ、♡あ゙、ぁあ♡♡ふぅ゙っ♡♡」
「きつ、…動くぞ」
「ぇっあ゙♡♡はやッ♡っゔぁ゙♡♡」
普段隣でヘラヘラ笑っている奴とは思えない程に俺の下で鳴いている彼を見て、触れたいという強い衝動が抑えられない。細かいことは置いておいて、今はこの時間を楽しもうと思考に蓋を落とし現実に意識を引き戻す。
「っは♡♡まっで♡♡むり゙ぃっ♡♡はぁ゙っ♡♡」
「大丈夫、いけるいける」
肌を打ち付ける度揺れる肩と、軋むシーツの音。全てが官能的な空間のせいにして俺は首元へ思い切り噛み付いた。痛い、と声を漏らす彼の声には聞こえない振りをして、上から優しくキスを落とす。次に嬌声をとめどなく溢れさせている開きっぱなしの口に食らいつき、舌で口腔内を荒らしながら前立腺を刺激してやればその顔が快楽に歪んだ。
「ぁ゙♡♡ふ♡♡…っは♡ん゙…ッ♡♡」
背中に回った脚がもっと、とでも言うように絡まってきて、そこで俺の記憶は途切れていた。
翌朝。発端は向こうからとはいえ、しっかり堪能してしまった自分に小さく溜息をつく。右側の膨らんだ布団へ目をやると先に起きていたのか彼とぱちりと目が合った。
「…どう、満足?」
「まぁ、それなりに、は…」
何だその答え。まあ彼らしいと言えば彼らしいか。なら良い、と返し、長いこと居座ってしまった為そろそろ帰らなければとぼんやり考える。
俺は星導が好きだ。キスをされた時は驚いたが、最低な思考回路はそれを好都合だと利用した。そうまでする程弱りきった彼に付け込み、自身の欲を吐き出したのだ。その事実に再度頭が重くなる。
「じゃあ俺帰るわ」
ベッドから降りれば鏡越しに昨晩の跡が身体中に残っているのが見えた。隠すように衣服へ袖を通し、床に落ちていた血が付いているナイフをそっと机に置く。
「もうこんな事すんなよ」
「……心配かけてすみません」
しない、とは言わなかった。想像の範囲内だ。彼ならそう言うと思っていた。もし言っていたとしても、お得意の記憶喪失で忘れてしまったと誤魔化してしまうだろう。
家に帰って何となくスマホを確認すると二通の通知が入っていた。彼からだ。
[昨日はありがとうございました。]
[もし良かったら、また連絡しても良いですか?]
一通目との時差を考えると、二通目は何度も悩んで送信した内容だろうというのはすぐに見当がつく。そして連絡というその言葉の意味も。
[いいよ]
入力画面を操作し、特に悩むこともなく返事を返す。この誘いを断れば、彼はまた自分を傷付ける選択を取る気がしたから。俺がそれを止められるのなら何だってしたい…なんて、本当はまたよがる彼の姿を見たいだけの言い訳にしかならない言葉だけど。
「…今日も、お願いします」
「ん」
今夜も俺たちは身体を重ねる。どちらが先でもなく唇を合わせ、静かな夜に卑猥な音を響かせながら。向こうがどう思っているのかは知らないが、とにかくこの時間が終わって欲しくないと、そう強く俺は思ってしまった。
(…このまま好きになってくれよ、星導)
コメント
1件