少年の日の思い出
1931年に日本のドイツ文学者である高橋健二がヘッセを訪問し、別れ際に「列車の中で読みたまえ」と渡された新聞の切りぬき『Jugendgedenken』だ。高橋は初めこの物語に「少年の日の憶出」とつけていたが、あとで変更され今の「少年の日の思い出」とされている。知名度が高く中学一年生の国語の教科書としても使われていた。
あらすじは簡単
「僕」が「エーミール」という少年から蝶を取ってそれを後悔してしまった話。なんとも道徳の教科書に出てきそうな内容だが、よく考えると少し難しい内容だ。どうしてそうなったのか彼の視点と一緒に貴方達も考えて欲しい。
赫sitenn
ペラペラ …
渡された台本と図書室で借りた本を見返ながらメモをとる。
少年の日の思い出、そういえば中学生の頃習っていた。ほぼ仕事ばっかりだから内容はあまり掴めず何も分からないまま終わってしまった 。
皆からすると「懐かしい」という感情持ち込むだろう。だが俺にはそれが分からない。
「はぁ…分かんねぇ…」
1度休憩しようと本を閉じてメモをとっていたシャーペンを机に置く。
本とメモに集中していてあまり気にしていなかったが、やはり教室は騒がしい。
(どこか静かな場所行きたいな…)
俺は席を立ち、うるさい教室を出た。
廊下も廊下でうるさかった。 教室とほぼ変わらない。
陽キャが戯れているし、一軍女子はトイレの鏡でセットをしている。
きゃっきゃっと聞こえるカップルの声。
どこもうるさい。
「はぁぁ…」
イライラさせながらと、重たい足を引きずり歩いた。
「…やっと見つけた」
静かな場所。やはり部室が1番好きだ。
部員のみんなで掃除もしたから広々しく感じられる。
ここなら心置きなく集中ができる。
カッカッカッ 、……
何故だろう思ったよりペンが進まない。
よく分からないこの「僕」が考えている事。
エーミルは蝶を盗まれ壊されたとしても怒鳴りもせずただ軽蔑していた?
なぜ「僕」は最後に自分の収穫した蝶を潰した?
よく分からなかった。
「……わかんねぇ」
俺は本当にこの役が詰まるのか、また否定されてしまうのか、皆の理想の人形になれるのか
すべて 怖い、辛い、逃げたい 、あの時の記憶 を 全部なくして、いまあのサイトも消して俺が否定される理想では無い人形だった記憶を消したい。全部。
「…全部…あ、もしかして」
俺と此奴は似ているのかもしれない。
「僕」が最後に蝶を潰したのは「自分の罪をこの記憶を消したかった」からのではないかと。
そして俺は今あのサイトを消して自分の記憶から皆の理想にはなれなかった哀れな人形だという事を消したかった。忘れたかった。
「……」ポロポロ
気づいたら泣いていた。
冷たい水が俺の頬を亘って下に落ちる。
目が涙で滲んでしまう。視界がうっすらしていく。自分と彼が似ていることに何故か嬉しみを感じてしまった。
盗みを犯した子と似ていると聞くと初見はあまり良い想像をしないだろう。
それでもいい、ただ
自分と似ていて嬉しかった
消したかった記憶が消えた気がした。まだ残っているが消えていった。
見えないけど消えた。
俺の悲しい記憶が
コメント
5件
中一、、前のやつや(( 「僕」のことみんなで将来の犯罪者や、、、って言ってたやーつ 改めてみるとな、、やばいな((
中一でやった作品だ! ほんとに心情分からなすぎて困ったやつだ。俺は『僕』がサイコパス野郎なのかと思ってたら違ったね。 そういう解釈もある……すげぇ、さすが猫天使さん。 悲しい記憶ね……、なんか泣けちゃう。