こんにちは……………
初投稿だった連載中のお話が全く進んでません(定期)
こっちの短編集(仮)も書きかけ3話も進んでません(定期)
てことで()切り替えていきましょう
⚠︎注意⚠︎
名前をお借りした以外はほぼ一次創作です!!!
これまでのももちろんですが、ご本人様とは一切関係ありません!
「くぁ〜…………」
俺は楽山大吾。
雇われの警備員をしている。
簡単に言えば、依頼されたらどんなところでも警備しますよって感じのほぼ何でも屋。
今日は美術館の警備を依頼され、見回りを始めたのは22時。
特に何も起こらないまま4時間が経過して今は深夜2時。
楽山「眠いんだよなぁ………………」
ふと思い立ち、美術館を巡りながら見回りをすることにした。
俺が警備をするのは開館するまでの10時間。
働きすぎて捕まりそうなのは置いといて、残りは6時間もある。
そこまで広くないところなら5周はできそうだ。
楽山「うわ、めっちゃすげー」
歩き出すと、周りにはたくさんの絵が。
特別惹かれる絵とかはないけど数に圧倒された。
適当に館内を見回っていたら、酷く目を引かれる1つに出会った。
楽山「…………………なにこれ、」
作者も作られた時代も不明の絵だった。
解説だってそこらを探せばいくらでも見つかりそうな薄味のものだった。
絵の中にいるのは1人の青年。
黄色い髪と瞳なところ以外はなんの変哲もない、俺と同い年くらいの青年。
それなのに、作品が纏うその空気が俺の目を惹きつけた。
直感的に「欲しい」と思っていた。
気がつけばその作品に触れていた。
楽山「…………………あ、やべ」
がた、と音が聞こえて周りを見渡すと空が明るくなるのが見えた。
職務を思い出して急いで警備員室まで戻った。
楽山「おわっ、あぶね〜。落とすところだった……………」
2日後の朝。
美術館から自宅に戻り1つの絵を壁に掛けた。
楽山「……………もう警備員はクビだなぁ、w」
その絵を見つめたまま呟いた。
まあお察しの通り俺は美術館から絵を盗んできたわけ。
盗んだ絵はもちろん黄色い髪と瞳の青年の絵。
そこまでするやつがあるかって話ではあるけど、それほど惹かれたという証拠だ。
ちょうどこの仕事も辞めてしまおうと思っていたところだったしな。
それにしても、この絵はどこか寂しそうでずっと見てしまう。
楽山「はぁ…………これからどうすっかな」
これからの生活を案じつつ、とりあえず溜まった洗濯物やら洗い物やらに取り掛かった。
楽山「ふぅ…………やっと終わった………………」
家事を終えて部屋に戻ろうと扉を開いた。
楽山「…………………え、」
「あっ………………」
扉を開けた先には青年がいた。
強盗かとも思ったけど特に部屋は荒らされていない。
なんならここは2階だからどうやって入ったのかもわからない。
楽山「………………どちら様ですか?」
「あ、えっと……………まあ、絵から出てきましたー…………みたいな」
楽山「絵?」
そういえば、と壁に掛けたはずの絵を見るとそこにいた青年は姿を消していた。
青年に見覚えがあると思ったのは絵のせいかもしれない。
楽山「な、何で絵から?」
「特殊な絵の具を使って描かれたんだよね、多分」
楽山「多分って何!?怪しさ満点じゃん…………」
「いや俺もわかんないからさぁ!」
楽山「はあ!?何だよそれ……………」
「だって外に出たいって思ってたら急に出れたんだもん……………」
楽山「そんなん騙されるやつがあるかよ!?」
「でも君だって見えてるわけだし……………!」
言われてみてから気づいたが青年はちゃんと立っている。
俺たち人間と何ら変わりなくそこに存在していた。
楽山「…………………帰れんの?絵の中」
「そりゃそうだけど……………」
楽山「ならいっか。名前は?」
「名前?何それ」
楽山「『何それ美味しいの?』じゃないんだからさぁ……………」
「え、何それ」
楽山「わかんないならいいよ………………」
「なんかごめん」
楽山「名前ないの?……………あ、そっか題名もないもんね」
「うん。……………なんか考えてよ」
楽山「え、俺?センスないんだけど…………」
「いいからなんか考えてって!」
楽山「えぇ〜…………?絵から出てきたし……………絵人とか?」
「かいと?」
楽山「うん。絵に人って書いて絵人。どー?」
絵人「絵に人……………そのまんまじゃんw」
楽山「はい〜?嫌なら別に使わなくていいですけど〜??」
絵人「はいはい、ありがとうございますー!」
とりあえずソファに座らせて話し始めるよう促した。
絵人の話を聞けば、その作品が、絵人が寂しそうな空気を纏っていた理由がわかった。
絵人はずっと昔、名前も顔も知らない誰かに描かれた。
その人は有名な画家というわけでもなく、趣味で絵を描くような人だった。
しかし、絵人を描いた作者はそれから数年のうちに亡くなった。
作者には家族がいなかったようで死体の発見もずいぶん遅れたそうだ。
その長い間、絵人は幾度となく外に出ることを願った。
いつものように外に出たいと思っていたある日、突然絵の外に出られたそう。
外に出られた喜びもつかの間、話し相手もいなかった絵人は亡くなった作者に話しかけてはがっかりする毎日を過ごしていた。
ある日、絵人が作者の知人によって発見された。
それから近くの美術館に寄贈され、俺が盗むまでずっと孤独を抱えていたそうだった。
楽山「そっか。寂しかったね」
絵人「うん………………」
楽山「泣いてる?w」
絵人「別に」
楽山「んはは、素直じゃないねぇ〜。ほらおいで」
腕を広げて絵人を呼ぶと、なだれ込むように腕の中に収まった。
楽山「だいじょぶ、俺がいるから」
絵人「………………ん、」
抱きしめて優しく声をかけると、部屋には啜り泣く声が響き渡った。
楽山「……………へーき?」
絵人「うん…………ありがとう、」
楽山「…………よし、どっか出かけよっか!」
絵人「え、どこに……………?」
楽山「絵人の服も必要でしょ?あ、それから寝具とかも!」
絵人「いやいいよ!俺は絵の中にいるし……………」
楽山「いーじゃん、いーじゃん!せっかくだし一緒に住もうよ」
絵人「わっ、待って名前…………!」
楽山「楽山大吾。楽山って呼んでよ」
絵人「え、うん…………ばかっ、わかったから引っ張んなって!おい楽山!」
絵人を引っ張ってショッピングセンターに行った。
最初に絵人に似合いそうな服を5、6着見繕ってからシーツやら枕やらを買った。
そんなことをしていたらお腹が減ったのでフードコートで絵人にたくさん食わせた。
帰りにカラオケに寄って絵人にたくさん歌わせた。
ショッピングセンターもカラオケも行ったことがないらしく、目が輝いていた。
楽山「絵人すごいねー。歌も上手いじゃん」
絵人「え、そうかなぁ!歌とか初めてで全然わかってないけど……………」
楽山「え、めっちゃ上手いよ!?少なくとも俺よりは」
絵人「いや楽山も上手かったけどね!?」
家に帰って絵人の部屋を用意してやるとすごく嬉しそうだった。
風呂に入れて今はソファの上で髪を乾かしてる。
楽山「わー、めっちゃ髪だ」
絵人「そりゃ髪だからなぁ?」
楽山「なんかきれー…………」
絵人「綺麗すぎて食うなよ?w」
楽山「絵人のなら食えそう」
絵人「はあ!?冗談だって!頼むから食うなよ!?」
楽山「あは、本気にしちゃってかわい〜w」
絵人「かわっ……………………」
楽山「あれあれ〜?黙っちゃってどうしたの〜?w」
「あ、もしかして照れちゃったとか」
絵人「うるせぇって……………!!」
少しからかってみれば、簡単に顔を赤くしていて面白い。
必死に顔が赤いの隠そうとしてるみたいだけど真っ赤な耳がよく見えた。
楽山「はい、乾かすの終わりー。歯磨きして早く寝なね」
絵人「ありがと……………」
それから俺は毎日のように絵人を連れ出してはたくさん遊んだ。
次第に仲も深まり、距離だって近くなっていった。
深く言うと絵人が怒るから言えないけどセフレのような関係にまでもつれ込んでいた。
何となくだったけど惹かれあっていた。
お互い恋仲に発展できる立場にいないことは理解していたから必然ではあると思うけどね。
セフレと言っても手は繋ぐしデートだってするしキスなんかももちろんする。
お互いのことだって大切に思ってるし好意だってある。
側から見ればただのカップルにしか見えないと思う。
楽山「かーいと」
絵人「ぅわっ!おはよ」
楽山「おはよ。今日はさあ、家でゆっくりしよーよ」
絵人「とか言って雰囲気出てきたら誘うんでしょ!」
楽山「え〜?そんなことないけど?」
このままずっと終わらなければいいのに。
この時間が終わるなんて想像もつかない。
絵人「楽山ぁ…………………?」
楽山「……………ん、絵人?どーしたの」
絵人「調子どう?」
楽山「あー……………うん、平気だよ」
あれから何十年も経った。
それなのに未だに黄色い髪と瞳を輝かせる絵人の頭を撫でた。
絵人「無理すんなよ?」
楽山「うん。優しいねぇ〜、絵人くんは」
絵人「うるさー」
俺は病を患ってベッドでの生活が長引いてる。
入院するという話も出たが、絵人を1人にするわけにはいかず在宅治療とかを続けてる。
絵人は優しいから入院してって言ってるけど寂しがるのはそっちなんだよね。
絵人「楽山?」
楽山「ん、なぁに?」
絵人「なんかぼーっとしてた」
楽山「そー?」
絵人「うん。考え事?」
楽山「ちょっとね。……………げほっげほっ」
絵人「ぅえ、楽山!大丈夫?どっか辛い?」
楽山「あはは、へーきだよ。げほっ、大丈夫だから。ね?」
絵人「うん……………ちょっと下行ってる」
楽山「うん」
絵人が部屋から出た途端、俺の咳が酷くなった。
絵人に心配をかけたくないっていう思いが現れてるのかな。
きっと俺はもう長くない。
絵人を悲しませたくはないけど俺は人間だからね。
楽山「………………ごめんね、絵人」
誰もいない空間に呟くと深い深い眠りについた。
個人的に雰囲気があんま好みじゃないので没です
今まで全部そうですけど!!!😤
絵人くんのその後とかリクがあれば書きます(絶対ないですね)
天乃絵人くんは絵みたいな誰かが創り出した物語を演じてると思ってます
「1000年生きてる」に感化されて書いた話でした
コメント
5件
1000年生きてるって神曲じゃないかぁ!!作品も最高だし全部最高✨
絵人くんのその後見てみたいです!