テラーノベル
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- ̗̀⚠︎ ̖́-前回の続き
短め
雑
✻✻
「私と一緒に此処から出ない?」
不意に差し出されたその言葉に、涙の跡が残る頬で顔を上げた。
「…ここから?」
ニコライは笑った。今まで見せていた明るさとは違う、でもとても静かな、芯の通った微笑みだった。
「もう十分頑張ったよね。…私も実は怖かったんだ。でも、フョードル君となら――まだ、外の世界でやり直せる気がするんだ。」
言葉はゆっくり、でも確かだった。
フョードルは包帯の巻かれたニコライの腕を見つめ、しばらく黙っていたが、やがて小さくうなずいた。
「…僕、怯えてばかりで…何もできなかったんです、。そんな僕でいいんですか、?」
「いいよ。そんなの、僕も同じさ。辛いときは一緒に泣いて、一緒に笑えばいい」
ニコライはそっとフョードルの小さな手を握る。
その温もりに、フョードルの心が少しだけ溶けていく。
「でも、どうやって…?」
「大丈夫。計画はできてる。君が本当に一緒に行きたいと思ったら、すぐにでも」
フョードルはまた涙が溢れそうになったが、それはさっきとは違う――希望の色だった。
小さく、でも確かに頷く。
「一緒に、出たいです…」
ニコライは大きく息をついて、やさしくフョードルの髪をなでた。
「うん、じゃあ準備しよう。今度こそ――絶対に、君を守るから」
扉の向こうに続く暗い廊下
けれど、今はその先に優しい光を少しだけ想像できる気がした。
二人で、固く手を握り合った。
「まず、ここを出るには看守の交代のタイミングを狙うんだ。」
静かな声でニコライが言う。
二人だけの時間、けれどどこかで誰かに聞かれている気がして、お互い小声になる。
「この部屋の奥には古い通気口がある。小さいけど、君となら入れる。僕も何とか通れるはず…あとは廊下の見取り図、このノートに全部書いてある。」
ニコライは服の奥から小さなノートを取り出して、フョードルにそっと見せた。
「…こんなに、準備してたんですね、」
「フョードル君と会ってから本気で考え始めたよ。私独りだったら、どうせ諦めてたかもしれない。でも一緒なら、どんな暗闇も越えていける気がする。」
そう云うニコライの瞳には希望の輝きがあった
フョードルの心臓が高鳴る。不安と、そして小さな光に向かう勇気。
「怖いです。でも…行きたい。外の世界を、貴方と一緒に見たい、!」
ニコライはにっこりと笑って、小さな手をしっかりと握る。
「ああ、約束するよ。何があっても、君から手は離さない。」
それから二人は静かに立ち上がり、部屋の隅にある薄暗い机の下の床板をそっと持ち上げ、通気口の奥を覗いた。
「ここから入れる?」
「うん…大丈夫、行けそうです。」
「よし、行こう。」
奥深い闇に、二人の小さな影が消えていく。
ほんのわずかな手の温もりだけが、互いを確かに繋げている。
開けた所に出て廊下に出る
反射的に互いを見て、小さくうなずき合った
「大丈夫。私達ならきっと、乗り越えられるよ。」
その言葉は、闇のなかの希望の灯になった。
――未来はまだ見えない。
けれど、もう“独り”じゃない。
そう思えたことに、二人はそっと微笑み合った。
✻✻
こんにちは〜そらです!
めちゃめちゃ出すの遅れました…申し訳有りませんッッ
何かリクエスト有ればお願いします!
ではまた〜
コメント
2件
原作では大人の余裕に満ち溢れてるドスくんが、こんな健気で可愛いのが萌えますねっ!!🔥❤️🔥何より言葉選びが繊細で見ていて飽きないです🫵🏻😖💘 続き楽しみにしてますねっ!🥺🫶🏻💗