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「おーいユウタ遅いぞー」タクトが最後尾のユウタを急かすように言った。
「やっぱりやめた方がいいよ」内気なユウタが弱々しい声でみんなに言った。
「確かに心霊スポットなんて行かなくても…」すかさず私がフォローを入れる。
「何言ってんのよ。うちもユカリも平気なんだし、なんであんたが弱気になってんのよ」男勝りなユミカがタクトの隣で言った。
というのも、ユミカはずっとタクトの隣にいる。私は(ユミカはタクトが好きなのでは?)と睨んでいる。
その時ユカリが「タクトが言い出したからユミカは乗り気だもんね〜」とからかうように言った。
(やはりか…)と内心思ったところで空気を見かねたダイキが口を開いた。
「もうすぐ着きそうだぞ。トンネルの中は暗いと思うから離れるなよ」
私達は今*XXトンネル*に来ている。ここは近所で心霊スポットとして有名らしく夏休みだから目的もなくただ何となく探検することにしたようだ。
トンネルの中はとても暗く、幅も人が3人分ほどしかない。
流石にちょっと怖いと思いはじめた時にダイキが「俺に良い考えがある」と自信あり気に言った。
ユミカが「何か思いついた?」と聞いた。
内容を要約すると1列に手を繋いで歩こうというものだった。
そこで並び方を決めることになったがみんな先頭にはなろうとしない。当然だ。私が「タクト先頭にしようよ」と言い切るよりも早くジャンケンで決めようとタクトが遮って言った。
「私はタクトが先頭でいいと思う」とユカリが言ったが結局のところ平等にジャンケンて決めることにした。
ジャンケンを終え、並び方を決めた後ユウタが「僕、やっぱり怖いから真ん中にしてくれない?」ボソッとダイキにお願いした。
「仕方ないなぁ」私はなんて優しいのかと驚くと同時に平等とは?と思ったがその言葉を飲み込んだ。
どんどん奥へと進んで行き、最深部まで着いたがなんの変化も無いなと思ったが私はユウタの顔色が悪いことに気がついた。
私が「ユウタ顔色悪いよ?大丈夫?」と聞くと「少し気分が悪いかも」と言った。
それを聞いたみんなはとても怖くなり、急いで外へ走って出た。
そうして街へと着きみんな解散してそれぞれの家へと帰り始めた。
私とユウタは家が近くて同じ方向に帰った。帰り道でもユウタの顔色を見ていたがもうほとんど大丈夫そうだった。
そしてユウタが別れ際に言った「心配してくれてありがとう。ユカリ。」