東で聞いた噂

昨日と違う。

本当は起きたときから感じてたんです。嫌な予感を。私は休みたいと言いました。お母さんだって私が人より見えることを知っていたのに。

───あの日はなんとなく嫌な予感がありました。

だからといって特に変わったことがあった訳では無かったのですが…勘って言えばいいんですかね？

私の席は一番廊下側の前から3番目です。

はい、ちょうどドアが見えやすい席です。でも授業中は黒板を見るのでドアを見ることはなかったと思います。

その時は2時間目、授業の最中でした。

何も、朝の嫌な予感もすっかり忘れていました。

本当にただただぼーっと黒板を見ていたんです。

その時、不意にドアが視界に入ったんです。

男の子がいました。

こちらを見つめて、不気味な笑みで。

目があってしまいました。逸らさないといけないって分かっていました。

不思議と目が離せなかったんです。金縛りの様に体が固まって、声も出せなくて。

本当に焦りましたよ。授業中でしたし。

ですが、何分たったのか授業が終わるチャイムとともに我に戻りました。

その日からです。いつ、どこにいても男の子がいます。不気味な笑みで。本当にどうにかしてでも休めばよかったって後悔しています…。

今？いますよ。　ほら、そこに。