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おかみさんに用意してもらった寝室は、使いこんだテーブルと椅子が部屋の真ん中に置かれていて、奥には衝立を隔てて木製のベッドが横並びに二つと小さな荷物入れのチェストの置かれている、素朴で小奇麗な部屋だった。

村の広場に面している木枠の窓からは、あかりの少ない村特有の降るような星空が覗いている。

テーブルの上に置かれたろうそくの灯火と、薄青の月あかりに照らされた室内は、やさしいあたたかさの感じられるものだった。

そして、今日はこの部屋でレインの二人きりで一晩過ごすというわけで――……。

落ちついた雰囲気のある室内だけれども、心は妙にそわそわして仕方ないのだった。

(ど、どうしよう……)

所在なげに戸口に突っ立っていると、レインもまた同じように戸惑いを隠せない様子で、どうしたものかと視線を泳がせている。

けれども、二人で呆然としているわけにもいかないと思ったのか、レインは先頭をきって**********

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