「真澄隊長の分からず屋!!」
「ああ?分からず屋はテメェだろ。」
些細なことで喧嘩をしていた真澄と四季。正直喧嘩をすることは多々あったが、すぐに仲直りをするため長く続く事は無かった。だから今回もそうなるだろうと疑いもしていなかった真澄だったが、まさかあんな事になるなんて思いもしていなかった。
「ッ、もういい!」
そう言った四季は家を出て行った。
「、、、チッ」
一ノ瀬がいなくなった家はとても静かで、広い家を余計に広く感じさせた。
「その内帰ってくんだろ、、、」
だが四季は何時間待っても帰ってこなかった。
(何でこんな帰ってくるのがおせぇんだ。)
すぐに帰ってくる。そう思っていても何故か妙な胸騒ぎがしてならなかった。
「何処にいんだよ、アイツ、、、」
その時、スマホから電話の着信音が鳴った。
「一ノ瀬か?」
そう思い見るが実際は無陀野からであった。俺はこの時何故だかこの呼び出しに出たくないと脳が拒絶していた。
「何の用だ、無陀野ォ?」
「真澄、、、落ち着いて聞いてくれないか?」
「ああ?何だよ、、、」
「四季が死んだ。」
「、、、は」
声が震える。
「そんなわけ、、、」
「嘘じゃない、、、信じられないかもしれないが四季は死」
「そんなわけねぇだろうが!!」
スマホを握っている手に力が入る。
「一ノ瀬は数時間前まで俺といたんだぞ!!信じられねぇに決まってんだろうが!!」
「、、、四季は一人でいたところを十人以上の桃太郎に襲われたそうだ」
「やめろ、、、」
「一人で戦ったそうだが、回復が間に合わな」
「それ以上言うんじゃねぇ!!」
はぁはぁと息が上がるほどに声を荒げる。
「真澄」
「ッ、、、」
「俺もお前と同じだ。信じたくはない。けどな、、、四季が死んだのを京夜が確認したらしい。」
「、、、」
「四季は安置室へ運んだそうだ、、、俺は今から向かう。お前も気持ちの整理がついたら来い。」
そう言った無陀野は電話を切った。
手からスマホがゴトンッと落ちる。
(一ノ瀬、、、)
『真澄隊長!』
ふと、太陽のような笑顔をこちらへ向ける一ノ瀬を思い出す。
『俺、真澄隊長のことが好きだ!』
『俺、真澄隊長といれる時が一番嬉しい!』
「、、、一ノ瀬」
お前の笑顔が見てぇよ、、、
────────────────────
その後、真澄は安置室へ向かった。
四季は穏やかな顔をしており、あの普段の騒がしさからは想像出来ないような姿だった。
「真澄隊長」
「、、、馨か」
「、、、大丈夫ですか」
「、、、大丈夫に見えると思うか」
「、、、そうですよね」
しばらくの間沈黙が続いた後、馨が口を開く。
「真澄隊長、来週からは仕事に復帰してほしいと無陀野さんが」
「、、、分かってる」
「、、、では失礼します」
そう言い馨は安置室の外へ出た。
「一ノ瀬、、、」
静かな部屋でポツリと名前を呼ぶ。
(一ノ瀬、、、テメェがいねぇとこんなにも世界が色褪せるもんなんだな、、、)
真澄はしばらくの間四季をずっと眺めていた。
────────────────────
復帰した真澄はいつも通り仕事をこなしていたが目に隈が出来ており、酷い顔をしていた。
「、、、真澄隊長、休憩しますか?」
「いや、いい。次の任務へ行く。」
そう言うと、真澄隊長は足早に任務へ向かってしまった。
「無理しないでくださいね、、、」
◻︎◻︎◻︎
淡々と任務をこなしていく真澄。
この桃を拷問すれば終わる。
情報を吐かせるために拷問を始めようとした瞬間。
「アンタのことか、、、あいつが真澄隊長って言ってたのは。」
「あ?」
「一ノ瀬四季が言ってたんだよ、、、最期に真澄隊長、、、ってなぁ。」
思わずそいつの胸ぐらを掴み、問い詰めた。
「何でテメェが一ノ瀬の最期を知ってんだ。」
するとそいつは愉快だとでもいうように笑い始めた。
「そんなん決まってんだろ、一ノ瀬四季にとどめを刺したのが俺だからだよ!」
ピキッと真澄の顳顬に青筋が浮かぶ。
「バカだよなぁ!アイツ、仲間を呼べる癖に勝てると思ったのか一人で戦ってたんだぜ?笑えるだろ、、、グハッ」
「テメェはもう喋るんじゃねえ、カスが。」
まだ喋ろうとする桃太郎に真澄は手に持ったナイフで首を刺した。殺した瞬間、真澄は何故か酷い無力感に襲われていた。
「、、、一ノ瀬」
お前に会いたい
そう思った真澄は家に帰り、引き出しの中にしまっていたマッチを取り出した。
────────────────────
「一ノ瀬、今から会いに行くぞ。」
油を床に撒き、マッチに火をつける。
真澄は四季を彷彿とさせる炎へ包まれようとした。
その時。
『真澄隊長!』
「は、、、」
何故かいないはずの四季の声が聞こえた。
後ろを振り返る。
そこには透けている四季の姿があった。
『真澄隊長何で死のうとしてんだよ!』
「んなもんどうだっていいだろ、俺は今からお前の元に行くんだよ」
『よくない!!俺は真澄隊長に長生きしててほしいのに!』
「テメェがいないのに長生きする意味ないだろ。」
『何でだよ!真澄隊長の分からず屋!』
「分からず屋だろうがなんだろうがいい。俺はテメェといたいんだよ。」
『、、、ッ』
「なぁ一ノ瀬?」
俺のそばにいてくれるか?
『、、、ずりぃよそんなの。一緒にいるに決まってんじゃん、真澄隊長のバカ。俺は真澄隊長には生きててほしいって思ったのに、、、』
「テメェがいない世界で生きててもしょうがねぇんだよ。」
『、、、なんかプロポーズみたい。』
「あ?んなわけねぇだろ。プロポーズすんならもっとマシな言葉使うに決まってんだろ。」
『ええ〜プロポーズしてくれてもいいのに、、、』
「、、、四季」
愛してる
『、、、ええ!?今愛してるって、というか名前、』
「うるせぇな、ほら手ぇ貸せ」
『?』
そう言うと手を繋いできた。
「掴めねぇが、まあいいだろ。」
『、、、ッ』
「四季、来世もお前に逢いに行く。だから待ってろ」
『、ッうん!」
そうして二人は手を繋ぎながら炎の中へと進んで行った。
『来世はずっとお前の隣にいたい』
真澄は目を覚ます。
「は、、、」
そこには見慣れた家と分からず屋!と叫んでいる四季の姿があった。
(戻ってきたのか、、、?)
突然のことに呆けていると
「ッ、もういい!」
そう言い家を出て行こうとする四季。
「待て」
真澄は出て行こうとする四季の腕を掴み、そして抱きしめた。
「俺が悪かった。だから行くな、、、四季。」
「えっ!?今名前、、、」
「うるせぇな、絶対行くなよ。」
「行かないってそんなに言われたら、、、真澄隊長って本当に俺のこと好きだよな!」
「そりゃあな。」
「、、、なんか真澄隊長、今日デレ多いんね。」
「デレ多いって言うな、キスするぞ。深い方の。」
「すいませんでした!!あれは慣れないから勘弁して、、、」
「はぁ、、、四季。愛してる。だから今も、来世も俺のそばにいろ。」
「ッずっと一緒にいるに決まってんじゃん!俺も真澄隊長のこと愛してる!!」
それを聞き、真澄は笑みを溢した。
「今真澄隊長笑って、、、」
「さっさと任務行くぞ。無陀野から応援要請が入ってんだよ。」
「ええ!ちょっとぉぉぉ!?」
四季の腕を掴み、真澄は走る。
「一ノ瀬、さっきの言葉絶対忘れんなよ。」
「分かってるって!真澄隊長!」
そう言った四季は真澄の手に指を絡ませてきた。真澄はその手がほどけないように強く握りしめた。
『来世もずっとお前の隣にいたい』
どうも〜皆様!! Yokazeでーす!!
今実はかくれんぼ中で新しい小説は投稿出来ないんですけど、pixivの方ではもう投稿していたものをこちらでも上げました!!
あの、、、尊敬している方々の小説が面白いし、凄すぎて創作意欲がつい、でちゃうんですよ!!
どうしましょう!!今書けないのに!!(・・;)
っていうことをずっと思っていたYokazeでした〜
ではまたね〜( ´ ▽ ` )ノ
コメント
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なんか見たことあるなって思ったらpixivかい!! 普通に好きだった!!
これpixivでみたやつ!!まじ最高だった!!!