テラーノベル
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yk「んぇ!?焼きそばパン売り切れ!?」
ガヤガヤした昇降口近くの購買で、気が抜けるような眠そうな声が響いた。
購買のおばちゃん「ついさっきに買われちゃってね、もうないのよ」
yk「そ、そんなぁ…今日こそ食べようと思ってたんに…」
小さながま口財布を握りしめて、焼きパンはしゅん…と、落ち込んだように眉を下げた。
gt「焼きパン、ドンマイ!」
もぐもぐしながらぐちつぼが話しかける。手にはブドウパンの袋が。
yk「はぁ…ぐっち、お弁当持ってない?ぼく焼きそばパン食べるつもりで来ちゃって、持って来てないんだぁ…」
gt「>%^*\>\>$>?\!」もぐもぐもぐ
yk「なんて言ってんのかわかんないや…」
とぼとぼ階段を登って、ぐちつぼと共にいつもの教室に向かう。2階にある、特別教室2-1と書いてある部屋だ。
tr「あ、焼きパンぐちさんおかえり〜」
gn「おう遅いぞー!」
yk「ただいまぁ…」
sm「あれ、焼きパン何も持ってなくない?」
kn「あ、ほんとだ」
いつものメンツがいつもの席でいつものように昼食を食べている。
yk「焼きそばパン、売り切れちゃってたんだぁ…」
gt「やっぱなー、ブドウパンこそ正義だからな!焼きパンも大人しくブドウパン買っとけばよかったんだよ」
ブドウパンは売れ残ってたのにな…とか思いつつ、焼きパンはいつもの席に座ろうとする。
yk「…ん?たらこさん何食べてんの?」
tr「え?焼きそばパンだけど?」
焼きパンの脳裏に雷が落ちた。
焼きパンが焼きそばパンを買いに購買へ向かう時、たらこはすでにこの席に座っていて、
tr「いってらっしゃーい」
とか言って送ってくれたはず。
たらこは焼きパンの後に購買に行った?
…わけはない、はず。
それに、よく見たらげんぴょんもかねごんも、焼きそばパンの袋らしきものを机の上に置いている。…んそめは食べていないようだが。
yk「え、えぇ!?焼きそばパン、無くなってたのって…ぼくの分は!?」
sm「そりゃあ、まあ、あるよ?それ」
くすっと軽く笑いながら、んそめは指を指した。
その先にはぐちつぼが、ひらひらと焼きそばパンを揺らして持っていた。
yk「あ、えぇ!?何でぐっちも持ってんの!?」
少し考えた後、ぐちつぼは口を開いた。
gt「…まあ、俺らはさ、焼きパンが焼きそばパンを食べたがってるのを知ってたじゃん?」
yk「ん?うん」
gt「だからさ、早く行って買って来てやろうと思ったわけよ。俺やさしー!」
yk「う、うん?」
gt「それでさ、俺が焼きそばパン買って、手に持ってんのに焼きパン何も反応しないから。いつ気づくかなーって見てただけ」
yk「えええ!?」
驚きのあまり大きな声をあげた焼きパンに、他5人は笑い出した。
gn「焼きぃ!何で気づかないんだよ!ww」
sm「焼きパンが『購買行ってくるー』って言ってた時にぐちつぼめっちゃアピールしてたよw」
kn「さすがにあれは俺でも気づくよ」
tr「焼きパンそん時目ギラギラだったもんねw」
yk「え、それで、この焼きそばパンはぼくのでいいんだよね?」
gt「おん。でも焼きパン、お金」
yk「あ、そっか。買ってくれたんだもんね。」
焼きパンは焦りながらがま口財布の中身を確認する。
yk「あ。」
そこで気づいた。
買うにしても、そもそもお金が足りていなかったのだ。
yk「ああ〜!!」
その様子にまた5人は笑い始める。
tr「やっぱり足りてない!w」
sm「だと思ったよw」
gn「あ〜、おもしれぇww」
kn「焼きパンw今日はぐっちの奢りだよ」
yk「ごめんねぇ、ぐっち!ご馳走様です?」
gt「まあね?こんくらい大したことないっすよ!」
yk「わーい、やったぁ」
なんだかんだあって、複雑な思いだが焼きパンは焼きそばパンを食べることができた!
gt「でもお金は持ってこような」
yk「うっ…」
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終わりです〜
焼きパンとみんなのために焼きそばパンを買っていたぐちさんの話でした。
そめさんだけ焼きそばパンを食べてないのは、普通に弁当か甘いパンをいっぱい食べてそうだったからです。
じゃあ今回はこれで。
ありがとうございました😊
コメント
11件
やばいめっちゃ可愛い 読んでる最中ニコニコ止まらんかったわ😊 ほっこりするな〜ほっこりもいいな〜 パソ可愛いしぐちさん優しくて好き そめさんも解釈一致だわw あーなんか心洗われた気がする、ほっこり😌
焼きパンと焼きそばパンがややこしくて間違いやすいので、脳を活性化させて読んでください🙇
kawaii焼きパン 焼きパンって単語か一瞬焼きそばパンに見えた時があったw