Mrs. GREEN APPLE/BL/りょつぱ/体調不良
若井「やだぁ!絶対いく!」
藤澤「うーん……..流石に今日は無理、かな」
若井が風邪をひいた。病院行ったらインフルとか感染症じゃなかったんだけど、日々の疲れから重めな風邪だったみたい。
で、それが診断されたのが一昨日。
問題は全く熱が下がらないこと
藤澤「38.7は大人しく寝てないと危ないよ。ちゃんと薬飲んでるんだよね?」
若井「……..いきたい」
藤澤「うん、もうそれは分かったから、、、」
今日は映画デートの日で、最近忙しくて今日しかタイミングが無かったら若井はずっと駄々をこねてる。
若井「行ったら元気になるからぁ…」
藤澤「行ったら悪化して倒れるだけだよ。何言ってんの」
若井「おねがいぃぃ」
藤澤「はい、寝てください。お粥作ってくるね」
若井「りょーちゃん!!」
どれだけ説得しても今のこの人には伝わらない。
若井を無視してキッチンでお粥を作ることにした
藤澤「ん〜卵がゆ?それとも梅?そもそもうどん派?」
若井と付き合ってから初めての風邪なのでイマイチ彼の好みが分からない
藤澤「まぁとりあえずお粥でいっか。これなら僕も作れそうだし」
藤澤「は?なにこの”お米が見えなくなるくらいまで水を入れる”って….そんなの鍋の深さとお米の量によるじゃん、ミリリットルで書いてよぉ!」
料理音痴あるあるで、目分量というものが大嫌いなのだ。
ひとつまみとか鍋3周とか。そんなの手の大きさや鍋の大きさによって変わるでしょ。
レシピにイライラしながらもなんとか作り進めると、鍋の中はちゃんとお粥になっていた
藤澤「お〜!!なんか見た事ある!ちゃんと出来るじゃん」
思いのほかそれっぽく出来たため、写真を撮って元貴に送る。
“見て!お粥できた!(写真)”
“おーいいね、若井は元気?”
“デート行けなくて拗ねてる笑。僕お粥は得意かも!”
“お粥が得意料理なのどうにかしない…?”
藤澤「ふふ…笑。後で若井に食べてもらおー」
若井「わ、めっちゃ美味そう」
藤澤「ぎゃっ?!若井、びっくりしたぁ…寝てなきゃダメでしょ!!」
盛り付けてニヤニヤしていると、後ろから抱きついてきた若井。ほんと、心臓に悪い
若井「もう寝れない….ねぇ涼ちゃん、今から映画館いこ?」
藤澤「まだ言ってる……また今度ね?しばらくしたら色んなサブスクで配信されるだろうし、それで観よ?」
口を膨らませあからさま拗ねてる若井。
その顔はやっぱりいつもより赤い。
若井「映画館で観るからいいんじゃん」
まだ諦めないのかこの人は。
藤澤「じゃあ、、、お家でポップコーンもしよ?完成してるのじゃなくて、コーンの状態を買ってお家で作ろ?周りの目も気にせず楽しめるよ」
スペシャルお家映画デートを提案するとだんだんと若井の目が輝いていく。
あ、割と単純なんだ
若井「コーラも!」
藤澤「うん、コーラも買おうね」
若井「えへへ、楽しみだなぁ」
すっかりご機嫌になった若井の頭を撫でる。
熱のせいかいつもよりふわふわした喋り方で愛おしくなってしまう
藤澤「ほら、布団戻って?お粥食べたら寝てください」
若井「う〜……はーい」
若井「美味しい!すっごい美味しいよ!」
藤澤「ほんとー?良かった」
若井「ありがとー!嬉しい!」
藤澤「どういたしまして。にしても不思議だよねぇ。こんなに食欲あるのに2〜3日も熱が下がらないなんて…」
若井の肩がビクッとなる。
そういえば、ご飯の後片付けで俺はキッチンにいたから若井が薬を飲んでるところは見た事ないような…
藤澤「若井?薬…飲んでるんだよね?」
若井「….うん」
あ、これ確定なやつだな
藤澤「ゴミは?昨日はごみ捨て行ってないからゴミ箱にあるはずだけど」
若井「….ゴミごと飲んだ」
藤澤「なに馬鹿みたいなこと言ってんの。怒らないから、正直に言って」
少し睨むと観念したのか俯きながら口を開いた
若井「…..粉だったから、のんでない」
粉だったから…..?粉….だから….?粉薬が嫌い…だから….?え、、それだけ?
藤澤「…….だから治らないんでしょ?!もー心配かけないでよ!ちゃんと飲みなさい!!」
若井「怒らないって言った!」
あまりに理由が子供すぎて思わず口論になってしまった。
確かに粉は口の中に残るから苦手って人いるけど
藤澤「だからって飲まない大人はいません!ちょっとまってて!」
若井「りょーちゃん!怒らないでよぉ」
冷蔵庫からヨーグルトを出して、若井から取り上げた薬を混ぜ込む。
懐かしい。僕も小さい頃はこうやって飲んでたなぁ
藤澤「はい、デザート」
若井「んぇ、薬は、?」
藤澤「いいから食べて。」
若井「、?うん」
普通に美味しい、と頬張る若井。これで騙されるとか…僕よりもこの人の方が純粋でしょうね
藤澤「いい?薬の時間になったら僕を呼ぶこと。またサボったら許さないからね」
若井「いてっ…はーい…」
軽くデコピンをかまして食器を片付けた。
若井「涼ちゃん!治った!見て!」
数日後、若井は嬉しそうに僕に体温計を見せてくる。そこに表示された数字は36.7。
藤澤「うん、治ってるね。おめでとう」
頑張ったね、と頭を撫でると嬉しそうに無いはずのしっぽを振る。
あれから毎回ヨーグルトに薬を混ぜ込んで与えると何の疑いもなく完食してた若井。
藤澤「ヨーグルト、美味しかった?」
若井「ん?うん。あれはなんだったの?ただのデザート?」
藤澤「実はね、あの中にお薬が入ってたんだよ。だから若井は治ったの」
ふーんと興味なさげな反応。子供みたいだねーなんて笑うと思い切り叩かれた
藤澤「酷いなぁ。あ、そうだ、これなーんだ!」
アルミホイル性の簡易的なフライパンを見せる
中には…
若井「コーン、?あ!ポップコーン!!」
藤澤「ふふ、せいかーい!次のオフにはこれで一緒に映画館ごっこしようね」
僕の周りを嬉しそうに飛び回る彼を見て、僕は恋人ではなく育児をしているのではないかという錯覚に陥った。
コメント
2件
めちゃかわいい🤭 駄々こねてる若井さん🫠 またこういう系見たいです!