食事をとり終えるとメイドが、私をドレスルームへと連れて行く。
「お嬢様、どちらのドレスになさいますか?」
この女性は私の専属メイドの雪乃。唯一、この屋敷で気を許せる相手だ。
「そうね…これなんかどうかしら。」
私の目を引いたのは真っ赤なマーメイドドレスだった。スパンコールが散りばめられていて、レースが贅沢にあしらわれたつくりになっている。
「そんなにも過激なドレスを着たら、殿方はきっと花月様に見とれてしまいますね。明日の舞踏会、思い切り楽しんでくださいね。」
「ありがとう……。そうだ、あなたたちも一緒に舞踏会に出てみない?雪乃なら、絶対に白いドレスが似合う。」
「そ、そんな…メイドである私がそのような場所に出させていただくことなんて、身に余ります…。」
「あなたたちは私よりも背が高く、きれいな体をしているのだから着ないともったいない。」
「私にはもったいないありがたいお言葉です。」
「そう…?でも、いつか一緒に行ける日を楽しみにしているよ。」