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この作品は【hbfw】【frfw/knfw】です。
この作品はライバー様の名前をお借りした二次創作です。
ご本人様には一切関係ありません。
拡散、転載、スクショなどはお控えください。
また、全ての配信を追えている訳では無いので口調などが違う可能性があります。ご了承ください。
タグの意味と界隈のルールを理解している方のみお進み下さい。
・2jgt@軸
・全て自己満妄想
深夜2時、みんなはもう寝てしまって、しんと静まり返ったアジト内。冷たい地下室の廊下を歩き、俺はある部屋の前で足を止めた。
コンコン
控えめにノックすると、部屋の中から気配がして、小さな足音がこちらに近づいてくる。その音だけで、俺は嬉しくて、じっとその人を待った。
ゆっくりとドアが開いて、中からスウェット姿のボス…わっちさんが顔を出す。
「どしたぁ?」
突然こんな深夜に押しかけても、迷惑そうな顔ひとつせず出迎えてくれるわっちさんに、自然と自分の頰が緩むのが分かった。
「ごめんわっちさん、こんな時間に…」
ごめんと言う割には嬉しそうな声色の俺。
「ええよ、別になんもしてなかったし。どしたん?眠れなかった?」
子供をあやすみたいに優しく俺の顔を伺うわっちさん。なんだか本当の母親みたいで、俺の中で、甘えたいという感情がどんどん溢れ出してくる。
ドアを押さえるわっちさんの手の間に自分の腕を差し込み、腰に回してきゅっとこちらへ抱き寄せた。
「んわ、なーに?ほんまに寂しかったん?」
「うん、会いたくなっちゃって。わっちさんの顔見れて安心した」
「んはは、らしくないなぁ」
わっちさんはそう笑いながら、俺の首に腕を回し、うなじのあたりをよしよしと撫でる。まるで俺の扱いを全てわかっているかのように、嬉しいことばかりしてくれるんだから。こんなの、離れたくないに決まってる。
「ね、今日は一緒に寝てもいいっすか…?」
めいっぱい甘えた声でおねだりする。きっと優しいわっちさんなら、いいよって言ってくれるはず……。
「んー?俺はええけど、先約おるよ」
「……は?」
「あれ、雲雀くんじゃん。奇遇〜」
「なぁんでお前がいんだよぉ”…!!」
「はー?こっちのセリフなんですけどぉ?」
先約というのは、嫌というほど知った顔の男で。というかわっちさんの寝室に、こんな深夜に出入りするようなヤツなんてコイツ以外思い当たらないんだけどさ。
「お前らほんま仲ええよなぁ、考えることも一緒なんて。奏斗も今さっき、眠れない〜って俺んとこ来たんよ」
俺にあったかい焙じ茶の入ったマグカップを手渡しながら、わっちさんが困ったように笑って言った。
あの奏斗が眠れないなんて時ないだろ!
わっちさんのベッドで我が物顔でくつろいでいる野郎に目を向けると、にっこりといつもの憎たらしい笑顔を返された。あーあ、出遅れちまった。
「だって不破さんのベッドでっかいから寝心地いいんだもーん。毎日ここで寝たいくらい」
「お前らのとそんなに変わらんやろ、まあ…来たい時は来てもかまわんよ」
「えッ、マジすか!やっぱうちのボス最高〜!」
奏斗お得意のあざとモード入ってるし。
わっちさんの、奏斗を弟のように眺める目にムカついて、せっかく淹れてもらったお茶を一気に飲み干してしまった。
今日はせっかくわっちさんと2人きりになれると思ったのに。たしかに奏斗は相棒だし、よく気が合うけど……こんな時までおんなじ思考しなくたっていいやん!
わかりやすく不貞腐れている俺に気がついたのか、わっちさんがベッドに腰掛けながら俺を呼び寄せた。
「ひーば、おいで?」
柔らかい笑顔でそう言われると、行かないわけにもいかなくて。引力みたいに引き寄せられてわっちさんの前に跪くと、頭の後ろに手を回され、ぎゅっと優しく抱きしめられた。
「よーしよし、今日もお疲れさま。いつも頑張ってくれてありがとうな」
わっちさんの体、あったかくて、いい匂い。
少し顔を見上げてみると、眉尻を下げ、ふわりと微笑むわっちさん。いつものカッコよくて頼れるボスのわっちさんじゃなくて、俺らにしか見せてくれない解けた表情。この可愛い顔を独り占めしてるんだって思うと、なんだか、持っちゃいけない背徳感で満たされるような気がした。
わっちさんのお腹の辺りに頭を押し付けて、すりすりと擦り寄りながら言う。
「わっちさぁん…俺、ちゃんとやれてる?ボスの役に立ててる…?」
「当たり前やろ〜?いつも頼りにしとるよ、雲雀」
「わちさん… ; ; 」
欲しかった答えをもらえた嬉しさで、より一層強く抱きしめ返した。
「あー、ズルいぞぉひばばっか!ね、不破さん僕は?僕も頑張ってるでしょ?」
「奏斗も、色々やってくれてありがとな。えらいえらい」
「やったぁ〜♡」
たまにこうして甘やかしてもらわないと、まだまだガキな俺らはやってけない。もちろん組織がデカくなって仲間が増えることは嬉しいけど……その分ボスといれる時間が減って、ほんのちょっとだけ、不満が溜まってた。それをわっちさんも分かってるから、こうやって受け入れてくれるんだと思う。
「ねぇ不破さん、頑張ってる俺らになんかご褒美ちょーだい?」
「んぇ?ご褒美?」
「そーそー、ね、雲雀も欲しいよね?」
突然何を言い出すかと思えば。奏斗の顔を見て分かった、こいつやらしいこと考えてるだろ…!
わっちさんが押しに弱いことを知ってる上での、奏斗の押せ押せ戦法。いつもの技だ。
生憎、俺はわっちさんとこうしてるだけで十分ご褒美もらえてるんだよ。これ以上なんて別に望んでないし……。
「んは、ひばも欲しいの?俺からのご褒美」
「ほしいっす!」
To be continued…