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はる☻
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ちびさん、第1話読みましたっ🥀 もう、最初から最後まで甘ったるくてやばいです…!外でツンツンしてる柔太朗が、楽屋の扉閉まった瞬間に豹変して舜太にべったりになるの、ギャップ萌えが止まらない…「このままがいい」って耳元で囁くの、反則すぎるよ…! 加入日を覚えてて「隣にいる意味が始まった日」って言うところ、じんわり来ました。過去の話も交えつつ、今の仲の良さが伝わってきて、ほんとにあったかい気持ちになりました。また続き読みたいです🌙
テレビ局の巨大なスタジオから、ようやく喧騒が引いていく。
『 生放送終了 』の赤いランプが消えた瞬間、それまで背負っていたアイドルとしてのスイッチを、出演者たちは一斉にオフにした。
スタッフの慌ただしい足音や、機材を乱暴に片付ける金属音。
遠くで響く誰かの「 お疲れ様でした! 」という声がだんだん遠ざかっていくのを聞きながら、俺たちは楽屋へと続く廊下を歩いていた。
「 ……ふぁーっ! 疲れたぁ〜! 」
隣から、分かりやすいほど大きな伸びの音が聞こえた。
見なくてもわかる。
舜太だ。
こいつはさっきまで何百万人という視聴者が画面の向こうで見守る生放送のステージで、あんなにも眩しい笑顔を振りまき、完璧なアイドルをやりきっていたというのに、本番が終わった途端これだ。
骨抜きにされた大型犬みたいに、ずるずると肩を落としている。
柔太朗は横目で舜太を見た。汗で前髪の数本が額に貼り付いている。
「 舜太、さっきのカメラアピール攻めすぎじゃないの 」
「 えー? そう? しっかり見ててくれたんやん! 」
「 見てなくても視界に入るの 」
「 冷たっ! じゅう、相変わらずみんなの前では塩やなぁ〜。もっとこう、お疲れ様ぁって優しくしてくれてもええやん! 」
「 うるさい 」
ぶっきらぼうに返しつつも、柔太朗は自分の歩幅をほんの少しだけ緩め、舜太が追いつくのを待った。
カメラが回っている前や、他のメンバーがいるところでは、どうしても照れやプライドが邪魔をしてツンとした態度をとってしまう。
周囲の目を気にして、あえて少し冷たいくらいの距離感を保つのが、柔太朗なりのアイドルとしての防衛策だった。
廊下の角を曲がり、ようやく自分たちの楽屋の扉の前にたどり着く。
ガチャリ、と音を立てて舜太が先にドアを開け、中に足を踏み入れた。
「 ふう……足パンパンやわ 」
舜太はソファに向かって歩き出そうと、気を抜いたように息を吐く。
だが、その瞬間。
背後から、音もなく忍び寄る影があった。
すっと伸びてきた細く白い腕が、舜太のウエストに迷いなく回される。
「 細……折れちゃいそう 」
不意打ちのことに驚く間もなく、ガシッと力強く引き寄せられ、舜太の背中が硬質な胸板へとぴたりと押し付けられた。
「 っ……え? 」
息を呑んだ舜太の首筋に、ふわりと温かい息がかかる。続いて、栗色の柔らかい髪が、舜太の肩口にコトリと預けられた。
後ろから全体重を預けるようにして、自分の体にぎゅっとしがみついてきたのは、さっきまで廊下で「 うるさい 」と塩対応をかましていた柔太朗、その人だった。
「 ……じゅう……? 」
舜太が戸惑いながら声を漏らすと、首筋に回された腕がさらにぐっと力を増す。
逃がさないと言わんばかりの、強い執着と甘さが入り混じった抱擁だった。
「 このままがいい 」
舜太の耳元で低く囁かれたその声は、外で見せるツンとした冷たさのかけらもなく、ただひたすらに甘ったるく、熱を帯びていた。
誰もいない、楽屋の扉が閉まった瞬間の密室。
外の世界の目をすべて遮断したこの場所で、柔太朗は堰を切ったように、さっきまでの飢えを埋め尽くすように、舜太の背中にしがみついて離れなかった。
「 もう……外ではあんな冷たくしといて、二人になった途端これやもん……反則やって、じゅう 」
舜太は照れくさそうに、でも嬉しさを隠しきれない声で笑いながら、後ろに回されている柔太朗の腕をそっと両手で包み込んだ。
「 うるさい。外ではちゃんとアイドルやってるんだからいいだろ 」
「 はいはい、そーですねー。でも、俺にばっかそんな甘々になるの、ほんまにずるいからな? 」
「 甘々にしてるつもりはない 」
「 めっちゃしてるやん! ほら、今だって離れようともせんし 」
図星を突かれたのか、柔太朗は小さく「 ……っ 」と息を呑むと、さらに舜太の背中に顔をうずめ、ぐりぐりと額を押し付けてきた。
その甘えっぷりは、外で見せるクールな美形のイメージからは完全にかけ離れた、ただの恋人に飢えた大型犬そのものだった。
「 ……今日、長かったんだよ 」
「 え? 」
「 生放送の間中、お前があちこち愛想振りまいて、色んな奴と楽しそうに笑ってるところ、ずっと見せられてさ 」
「 ……内心、めちゃくちゃイライラしてた 」
耳元で紡がれる低い独占欲の混じった言葉に、舜太は胸の奥を激しく揺さぶられた。
外では涼しい顔をして、スマートに仕事をこなしているように見えて、その内側ではこんなにも激しい感情を渦巻かせていたなんて。
「 じゅう……それ、嫉妬? 」
「 嫉妬じゃない……ただ、俺以外の奴にあんな笑顔向けていいのは、俺の前じゃないのって思ってるだけ 」
ふっと掠れた笑い声を零しながら、柔太朗は舜太を抱きしめたまま、ゆっくりとソファのほうへと体勢を傾けた。
そのまま二人でソファに倒れ込むようにドスンと腰を下ろす。
舜太を後ろから包み込むように抱きしめた姿勢のまま、柔太朗は相手の肩に顎を乗せた。
「 なぁ、そういえばさ 」
少し落ち着いたのか、柔太朗がトーンを落として言った。
「 ん? 」
「 今日さ、加入日だよね 」
その言葉に、舜太は目を見張り、それからふっと柔らかく微笑んだ。
「 おっ、さすがじゅう。ちゃっかり覚えとるやん 」
「 忘れるわけない。……舜太と出会って、同じグループになって、こうして隣にいる意味が始まった日なんだから 」
普段は恥ずかしくて絶対に言わないようなストレートな愛の言葉が、後ろから不意打ちのように降ってくる。
舜太は顔が一気に熱くなるのを感じながら、柔太朗の腕に自分の手を重ねた。
「 ……なんか今日のじゅう、一段と甘々やな? どうしたん、急に 」
「 急じゃない。ずっとこうしたかった。……舜太こそ、さっきから嬉しそうな顔隠せてないじゃん 」
「 隠してないもん! だって、大好きなじゅうがこんなに甘えてくんねんで? 嬉しくないわけないやん! 」
舜太が体を少しだけ捻って振り返ろうとすると、柔太朗は「 動くな 」と低い声で制し、さらに強く抱きしめ直した。
「 顔見せるな。照れる 」
「 えー、ずるっ! じゅうばっか俺の背中に顔隠して反則やん! 」
「 彼氏の特権 」
そう言って、柔太朗は舜太の首筋にふわりと自分の唇を寄せた。
キスをするわけでもなく、ただ柔らかい熱を落とすだけの、あまりにも親密で、愛情の深さがダイレクトに伝わってくるスキンシップに、舜太は全身の力が抜けそうになるのを必死でこらえた。
「 ……なぁ、じゅう 」
「 なーに 」
「 あの頃さ、俺が加入したばかりのときのこと、覚えてる? 」
「 ……急だね 」
「 だって、今日の記念日やもん。あのときさ、俺、ほんまに必死やったやん? 」
「 じゅうはめちゃくちゃ尖っとるし、『 こいつ怖っ、絶対仲良くなれんわ 』って最初は思っとったで、内心 」
「 は? 俺がいつ尖ってたよ 」
「 いやいや、バリバリ尖ってたって!『 俺に近づくなオーラ 』が背中からバシバシ出てたもん 」
「 でも、そんなん言いながらも、僕がダンスの振れで困っとったら、わざわざ誰も見てへんところでこっそり教えてくれたりしてさ 」
懐かしい記憶を思い出しながら、舜太はフッと声を出して笑った。
柔太朗は、後ろから抱きしめたまま、少しだけ気恥ずかしそうに鼻を鳴らす。
「 ……教えてやった覚えはない。勝手に見て盗んでたんだろ 」
「 たしかに見て盗んだけどさ! でも、あのときからじゅうは、ずっと俺のこと見てくれてたんやん 」
「 ……当たり前でしょ。同期なんだから 」
「 あのツンツンやったじゅうが、今じゃこんなふうに後ろからぎゅってしてきて、俺にベタ惚れ甘々になってるなんて、あの頃の俺らに教えてやっても絶対信じへんやろな 」
舜太のその言葉に、柔太朗はふっと息を漏らした。
「 信じないどころか、お前は調子に乗るだろ 」
「 あ、ばれた? 」
「 ほら 」
「 乗るでそりゃ! だって、こんなにかっこいいじゅうを独り占めできてんねんで? 自慢でしかないわ 」
柔太朗は、愛おしさと照れ臭さが混ざり合った複雑な気持ちになりながら、舜太の体に回していた腕にさらに力を込めた。
外で見せる「 ツン 」とした姿も、二人きりで見せる「 甘々 」な姿も、どちらも嘘偽りのない自分自身だ。
そして、その両方を丸ごと受け止めて、同じ熱量で愛してくれるのは、世界でこの男ただ一人しかいない。
「 ……ねえ 」
低い声で、柔太朗が呼んだ。
「 ん? 」
「 これからもずっと、こうして俺の隣にいて 」
「 ……決まっとるやん。どこにも行かへんよ 」
舜太は体を少しだけ預け直し、柔太朗の腕に自分の腕をしっかりと絡ませた。
柔太朗は舜太の肩に顔をうずめたまま、小さくフッと笑った。
不安なんて、最初からどこにもなかったみたいに、胸の奥は温かい安心感で満たされている。
どれくらいの時間が経っただろう。
楽屋の外で、マネージャーの足音が近づいてくるのが聞こえた。
「 そろそろ移動しまーす、準備してくださーい 」という乾いた声がドア越しに響く。
現実の時間が、また動き出す。
アイドルとしてのスイッチをもう一度入れ直さなければならない時間が、すぐそこまで迫っていた。
「 やだー 」
「 じゅう腕離して 」
「 ん”ー 」
柔太朗は名残惜しそうに腕をほどき、ゆっくりと舜太から離れた。
舜太も名残惜しさを飲み込みながら立ち上がり、パパッと自分の服のシワを払った。
「 はーい、今行きまーす! 」
楽屋のドアを開け、外の廊下に踏み出す。
一歩外に出れば、二人はまたそれぞれの場所で戦うアイドルに戻る。
並んで歩く足音が、カツン、カツンと一定のリズムで響いた。
前を歩くスタッフの背中を追いかけながら、舜太がふと横を向いた。
「 なあ、じゅう 」
「 うん? 」
「 今日が終わってもさ、明日も明後も、ずっとこうやからな 」
当たり前のことを、当たり前のように口にする。
だけど、その言葉の重みを、今の柔太朗なら痛いほどよく分かっていた。
廊下の影で、すれ違うスタッフの目を盗むように、柔太朗は舜太の手のひらをほんの数秒だけ自分の指先でかすめるように触れた。
「 ……当たり前 」
柔太朗は前を向いたまま、小さく、だけどはっきりとそう答えた。
口角が自然と上がる。
不安なんて、最初からなかったみたいに、足取りは驚くほど軽かった。
窓の外では、新しい夜が静かに広がっている。
お互いの過去を抱え、同じ未来を見据えながら、俺たちはまた明日へと歩き出す。
世界で一番甘くて深い愛が待っている。
言葉にしなくても分かってる。
俺たちはずっと一緒で、運命なのだから。
加入記念日おめでとうございます!