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Nao
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みんと。
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「……ここが、羅刹学園」
黒瀬玲は、目の前にそびえ立つ校舎を見上げた。
今日からここが、自分の通う学校になる。
――そう思っていた。
少なくとも、この時までは。
「新入生か?」
突然、背後から声をかけられる。
振り返ると、そこには一人の男子生徒が立っていた。
赤みのある髪。
鋭い目つき。
そして、どこか人を食ったような笑み。
「……そうだけど」
「へぇ」
男子生徒は玲をじっと見つめる。
「なんか弱そう」
「……は?」
初対面で言われる言葉じゃない。
玲が眉を寄せると、男子生徒は楽しそうに笑った。
「俺、四季。無陀野四季」
「……黒瀬玲」
「玲ね」
四季は玲の名前を繰り返すと、突然、玲の肩を軽く叩いた。
「よろしくな、玲!」
「……距離近くない?」
「細けぇこと気にすんなって」
「初対面なんだけど」
「じゃあ今から友達な」
「話聞いてる?」
玲が呆れていると、四季はケラケラ笑った。
その瞬間だった。
校舎の奥から、怒鳴り声が響く。
「四季ィィィ!! またお前か!!」
四季の表情が固まった。
「……やべ」
「何したの?」
「ちょっとしたイタズラ」
「絶対ちょっとじゃないだろ」
「じゃ、またな!」
「え?」
四季はそのまま走り去っていく。
玲は呆然とその背中を見送った。
「……なんなんだ、あいつ」
それが、玲と四季の最初の出会いだった。
――そして数時間後。
「黒瀬玲。お前には説明しておかなければならないことがある」
教師から告げられた言葉に、玲は眉をひそめた。
「説明……?」
「お前がここ、羅刹学園に来た理由だ」
机の上に置かれた一枚の資料。
そこには、自分の名前と見たことのない文字が並んでいた。
そして、その一番下に書かれていた言葉。
――鬼。
「……鬼?」
「そうだ」
教師は静かに続ける。
「お前には、鬼の血が流れている」
玲は言葉を失った。
鬼。
そんなものが、この世に存在するなんて思っていなかった。
ましてや、自分自身がその血を引いているなど。
「これからお前は、自分の血と向き合うことになる」
「……俺が?」
「ああ」
その日の帰り道。
玲は一人、校舎の外を歩いていた。
頭の中は、教師から聞かされた言葉でいっぱいだった。
鬼の血。
血蝕解放。
羅刹学園。
何もかもが突然すぎる。
「……意味分かんない」
そう呟いたとき。
「おーい、玲!」
聞き覚えのある声。
振り返る。
そこには、昼間と変わらない笑顔の四季がいた。
「一緒に帰ろうぜ!」
「……なんで?」
「友達だから」
「いつ友達になったんだよ」
「今!」
「勝手だな……」
玲はため息をつく。
けれど、不思議と嫌ではなかった。
四季と並んで歩き出す。
まだ何も知らない。
自分がこれからどんな戦いに巻き込まれるのかも。
四季と、どんな関係になっていくのかも。
ただ一つだけ。
この日、玲は初めて知った。
――自分の中に流れる、鬼の血の存在を。
そしてそれが、彼の人生を大きく変えていくことになる。
コメント
1件
第2話、読み終えました!玲くんがまさか鬼の血を引いてるなんて…この設定、すごく引き込まれますね。それに四季くんの距離感の近さ、初対面なのに「今から友達」って言い切るところ、なんだかクセになりそうです(笑)。教師の告白シーンの静かな緊張感と、四季くんの明るさの対比が絶妙で、続きが気になります!