ある夜。海岸沿いの100mのスロープで可愛い格好をしてバイクを押している女の子一人とその片端にいる連れらしき男一人と眼鏡を掛けた少し太った24を超えていそうな汚らしいおっさんが歩いている。その女の子とメガネを掛けたおっさんは何やら何かを話している。暫く言い合いをして一区切りつくと女の子がバイクに跨り連れらしき男に指示を出した。
「ちょっとあそこに縛りつけておいて。」
と。一体何が始まるんだ?そう思っていると連れらしき男が手際よく眼鏡を掛けたおっさんを縄に縛りつける。私は思わずスロープの頂上まで退避してきてしまった。だが好奇心は猫を殺すのか。スロープの頂上からその様子を少し見ようとスロープの下を見た。だがそれでも怖いので近くにあった建物の壁から顔を出してじっ、とその末路を見守ってゆく。そしてその次の時にはバイクのエンジンが掛かった。大きな轟音を立ててバイクが唸っている。そしてバイクが発進して20mくらい進むと眼鏡を掛けた汚らしいおっさんの体から豪快に血が吹き出した。私はそういう瞬間を今生まれて初めて生で見た。意外とそのスロープの下も電気などで薄ら照らされていたのでその様子がよく目に映る。そして40m行ったあたりからおっさんの体が文字通り内臓を出して伸びてきた。ざっと推定14mくらいだろうか。伸びすぎてバイクの下はスロープの白いタイルではなく海岸の少し湿った砂だった。体は真っ二つに裂け顔が鼻の下から目にかけて欠損している。そしてそのまま100m行ったあたりでバイクのエンジンが止まる。なにかすごいものを見てしまったと関心していると女の子が近づいてきて「見る?」と声をかけられた。そしてその場でおっさんだったものが見世物のように釣り上げられた。女の子はご満悦な様子。連れらしき男は「ごめん…。ごめんな…。」と涙を流して泣いている。
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