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★ Ohmori Motoki side
「……早く、涼ちゃんに聞かなきゃな」
佐久間さんとのDMの画面を見て、涼ちゃんを見つめる。
藤澤に聞いてみる、とは言ったもののあんなに幸せそうな涼ちゃんに浮気してる?なんて聞けるはずもない。
若井も涼ちゃんから距離が遠ざかってきている気がするし、顔がどんどん暗くなっている。
当の本人はそんなこと気にせず、引っ付いているのだが…
「…涼ちゃん、ちょっといい?」
『ん?なにー?』
勇気を出し、涼ちゃんを呼び出す。
楽屋の外の、人気がないところまで涼ちゃんを連れてきて
浮気をしてないか、聞こうとする。
「あのさ、涼ちゃん……さ、」
『?うん?』
怖い。
涼ちゃんの口から、”浮気してる”と言う言葉が出てくることが。
若井に対するあの眼差しは、すべて嘘だった。
そんな事実を、若井に突きつけなくちゃいけない。
「……ぁ、の…さ、」
浮気してない。
そう思いたかった。
「……やっぱり、なんでもないや」
「ごめん」
『あ…うん、わかった…?』
ごめん
ごめんね
「……っ、」
若井にもう悲しい顔はさせたくないよ
あいつのこと、不安にさせないでよ
幸せにするって言ってたじゃん
「…なんなの、…」
外野の僕になにも言う権利はない
けど…、
誰よりもふたりをすぐそばで見てきた。
恋するふたりを、ずっとずっと見てきた。
ふたりに、幸せになってほしい。
誰よりもお互いを愛していた。理解し合っていた。
なのに、
浮気…なんて、さ、
「ばかじゃないの…」