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〈第6章〉
シェイドキット…自分につけられたその名前を心のなかで呟きながら、隣に座る猫たちの話を聞いていた。どうやら、この岩の上の猫たちは”族長”という猫らしい。ブルースターもその中の一匹で、顎の曲がった猫はクルキッドスター、ハチワレの猫はトールスター、こげ茶の猫はラギットスターというらしい。それと、今から我々がはいるのはサンダー族という猫の集団らしく、ブルースターが率いているようだ。クルキッドスターの集団はリヴァー族、トールスターの部族はウィンド族、ラギットスターの部族はシャドウ族というらしい。自分の飲み込みの速さに驚きながらも、先ほどの高杉の件について考えていた。
高杉がキツネに食われた時。キツネは高杉をのどに詰まらせ死んだものと思っていたが、だとしたら不自然だ。あのとき、キツネは高杉を丸呑みしていたか?いや、確かに咀嚼音が聞こえた。バリボリ聞こえた。そして、高杉がのどを通ったと思われる時、なんか喉あたりが光っていた気がする。
そうか。あの時高杉が助かったのはキツネがたまたま高杉をのどに詰まらせ死んだわけではない。何か特別な力が作動したのだ!
しかしそれがなにかもわからないので、一度考えるのをやめ下を見下ろした。この岩は割とデカいらしい。下の猫たちを見下ろせる。最後の、ラギットスターが話終わったあと。下の猫たちのなかの一匹が口を開いた
「おれはその4匹を部族に迎えることに反対です。純粋な部族猫ではない猫が戦士になれるのでしょうか?」
そうだそうだと大半の猫が賛成の声を上げ始めた。どうやら自分たちはあまり好かれていないらしい。もともとお尋ね者なので、歓迎されないのは慣れているが、猫にまで嫌われるのは結構本気で傷つく。
「あァ?」
やばい。高杉がキレた
「高杉、やめろ!」
俺の制止も効かず、高杉は2本足で立ち上がり、その辺の木の棒を手に取った。肉球なのでつかみにくそうではあるが、掴めている。そして高杉は、刀を使う要領で猫たちに向かって突進した。猫たちは一斉に高杉に飛びかかったが、それすらも高杉は棒で叩き飛ばす。すると
「俺も、猫に嫌われる筋合いはないんでな」
「アハハハ!じゃあ、ワシもやるぜよ!」
銀時と辰馬も加勢しやがった。………仕方ない。自分も参加しよう。ブルースターたちが何か言っている気がするが聞こえない聞こえない。
気づくと、大半の猫たちが気絶していた。ブルースターがぎょっとした声でこちらを見た
「なんてこと…。わが部族の戦士も他の部族の戦士も、皆木の枝一本で制圧させられた…?」
ラギットスターも怯えた顔をしていた
「おいブルースター…。この猫たち、お前の手に負えるのか?」
クルキッドスターも
「やっぱりやめたほうがいいと思うんだが。バケモノじゃないか…子猫でこれだぞ。」
トールスターも、引いた声で言う
「流石にこれは…」
しかしブルースターはきっぱりとした声で言った
「でも、これはいいわ。つまり…部族に忠実になれば、それはある意味最強じゃない」
残った猫と、族長たちがぎょっとした顔をした。
ブルースター。この猫は…どの人間よりも器がでかいかもしれない
コメント
1件
ああ、第六章、すごく面白かったです!特に高杉があの「あァ?」でキレる瞬間と、短剣も知らない木の棒一本で猫たちをバッタバッタと倒していくのが痛快でしたね。でも、その中でブルースターの「部族に忠実になれば最強」という言葉がすごく印象的で…確かに、あの器の大きさ、人間よりあるかもと思います。キツネの喉の謎も気になるし、続きが楽しみです!