レモネードをもう一杯

ｽﾙｯ…

たっつんだけは

たっつんにだけは使わせない

分からないなんて

ずるいのは俺だけで良いから

たっつんを見てると熱くなる

急に会話が上手くできなくなって

目も合わせられなくなる

…もしかして…俺…

たっつんに……

おかしい

…おかしい

間違いなんかじゃない

俺は…

バッ！！！！

たっつんの前では

素顔は見せれない

それはなぜ…？

ガチャｯ

バタンッ…

……辛いから

…素顔なんか

出したくなかった

ﾀｯﾀｯﾀｯ……！

金だけ巻き取れば良い

それはどうして？

人の欲は大嫌いだ

なぜ嫌いになったの？

女なんかもっての外…

そんな言い方しないで…

俺に本心は必要ない

どうして？

…………要らないって言われたから

誰に言われたの？

………母さん

なぜお母さんはそんな事言ったの？

…俺の事が嫌いだったからだよ

なんで嫌いだったの？

愛されない…

愛が欲しい…

好きって言って…

……たっつん

愛に飢えてるとか馬鹿にしたけど

……本当は俺の事だから

…怒んないでね

安い言葉じゃない

嘘でもない

…心からの

『愛』を君にあげたい…

泣くな…

こんなの…もう慣れたはずやのに…

こんなに胸が痛いなんて…

辛い…

愛してほしい…

好きって言ってほしい…

こんな欲にまみれた俺を

愛に飢えさせたアイツを…

殺したい

『好き』って…

『愛してる』って…

見慣れたはずのベッドの上で

アイツが居た枕元で

喘ぐよりも下品に

誘うよりもがむしゃらに

声を荒らげて泣いた

ランプの光だけが灯る部屋に

どれ程似つかわしくない声を出したのか

喉は限界だった

夢を見てしまった

浅はかな愚かな夢を

叶うと確証のない夢を

勝手に期待した…

あぁ…やっぱり俺は

ベッドで鳴くのがお似合いだ…

…クソビッチ

続く…