花火大会〈全6話〉

8月25日

もし生まれた場所が

シャオロンと逆だったら

もし生まれ持った性格が

シャオロンみたいだったら

少しは俺も近づけたんやろうか

空回りする期待すら

華を咲かすんやろうか。

目の前で

好きな人が呼び出されるとこを見た

学年一の美人に

美化できる恋を見せられた気がした

この恋は美化されない。

美しい恋なんて私にはできない。

甘い夢も

淡い期待も

この恋にはしようがないから

花火の魔法がかけられるなら

美化しようのないこの濁った恋も

期待のように一瞬咲いて

淡く散っていくすら美しい。

いつまで経っても

脳みそ小学生だなぁ、私。

8月26日

違うわけないよ。

そんな恋する乙女みたいな顔してさ

いや、

恋、してんのか。

そこから先は聞こえてない

耳まで真っ赤にすることないやんか

いいなぁ、

そんなに想われてるんや

ムカつく、

あの視線が俺に向けばいいのにって

俺に振り向けばいいのにって

俺の方が幸せにできるのにって

それでも、

諦めきれない俺の方が腹が立つ

花火大会...

俺はどうするのが正解なんかな

放課後

本当は○○と行きたい。

でも、○○は違うやん、

想い人がおって、しかも隣に。

俺が入る隙間なんてとっくにないやろ

あぁ、馬鹿だなぁ俺。

花火の魔法にかけられれば

もう諦めるべく恋も

色褪せずに美しく着飾れるんやろうか

500で続きます 更新速度バグってます。