殺し屋として、兄弟として

やっと

みんなの思いと奇跡が繋がって

殺人ピエロを倒した

それなのに…なんで……

ゆあんくんは……

こうして、俺らの長い長い平和な世界を 目指す殺し屋としての旅は

幕を閉じた

あのあと、「ゆか」と名乗る異世界と創る 能力を持った妖怪の女の子が来て現実世界へ 俺らを返してくれた

それからすぐにゆあんくんを病院に連れて 行って手術してもらった

今まではあまりにも傷が酷い場合適当に 理由を作ってたまに病院で 手当をしてもらっていたが今はそうも 言っていられない

そうして長い手術が終わり今に至る わけなんだけど

そう

ゆあんくんは植物状態になってしまったのだ

虚ろで焦点があっていない赤い ゆあんくんの瞳

何度名前を呼んでも返事をしてくれない

こんな思いをするのは何度目だろう

ずっと目指してきた平和な世界

でも…それと引き換えにゆあんくんを 失うなら

あのままの世界でもよかった……

ゆあんくん

ごめんね

守れなかった

一年後

ゆあんくんが植物状態のまま 一年が経過した

ゆあんくんの容態は良くも悪くもならず 全く変わらない

今は点滴でゆあんくんに栄養を送り 命を繋いでいる

もう諦めて葬儀に出すかとも考えた

でも…それができなかった

流石にこの現状が一年も続くと 俺ももう駄目かなって思う

ゆあんくんに殺し屋の道を 歩ませなければ

俺がバイトを掛け持ちして頑張って稼いで

普通の人間の人生を歩ませていれば

大学まで行かせてやっていたら

なりたい職業に就かせてやっていたら

もっと良い方にゆあんくんの人生が 変わっていただろうか

俺は…

兄失格だ…っ！！

ボスが俺の頭を撫でてきた

眠ったじゃぱぱに上着をかけ、俺は 病室を後にした

ﾊﾞﾀﾝ…

俺が部屋から出るともふが待ち構えていた

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来世は

絶対に守る

もう…大切な家族は死なせない

次回：ハート♡700