これは、私、凛と、不思議な男の子、奏太が出会ったばかりの頃のお話。
凛
1つ、幸せ
奏太
2つ、涙
凛
3つ、喜び
奏太
4つ、絶望
凛
5つ、出逢い
奏太
6つ、別れ
これは、10年以上前の話
まだ、この島を出る前だった
凛
まず、私が住んでいた不思議な島、
凛
海香の木島(ろこのきとう)には、
凛
不思議な伝説があります。
凛
昔々、日本という国ができる前の話。
凛
海の中は、とても静かでした。
凛
ただ、龍がたてる寝言しか聞こえません
凛
龍が寝るのは、年に3日だけ
凛
今の暦にすると、12月21日、3月6日、
1月29日。
1月29日。
凛
この前日からは、人は、決して音をたててはいけません。
凛
人間が、静かにしていられるから、龍との関係はできていました。
凛
ここで、この島の伝説は終わっています。
凛
今も、龍が寝る前日には、学校も仕事も無く、みんなが静かにしています。
凛
この島には、もうひとつ、伝わっているものがあります。
凛
唄です。
凛
1~6まであり、内容は様々です。
凛
1.3.5は女性が、
凛
2.4.6は男性が、
凛
というふうに、交互に歌います。
凛
歌詞は、感情などの単純なものですが、
凛
独特な響きがあります。
凛
ですが、
凛
どうしてか、
凛
独特な響きを唄えるのは、海香の木島民だけ。
凛
そんな伝説に
凛
関係ないような、
凛
ちょっと関係あるような、
凛
私が体験したお話を聞いてください。