俊
学校からの帰り道 つい声に出してため息をついてしまった
俊
今日も1人自宅の玄関を鍵で開けると
そこにはやはり
僕の母の亡骸がころがっていた
俊
俊
俊
魂の抜けたソレに話しかけるも、返答があるわけでもなく
ただただ光を失った目が僕を見ていた
俊
俊
僕の父は典型的な真面目サラリーマンで家庭のことなんて二の次
そんな人だった
俊
俊
もう7回も見ているのに
涙が出てくるのはなぜ?
僕にとって母の存在はそれほど大きなものだったのだろうか
毎日毎日考えるのに
答えは出ないままだ
俊
俊
父
俊
父さんにとっては今日初めて聞くことだ
これまでのことを話した
父
父
俊
父
その数分後、警察が来た
警察が来たすぐあとに父さんも帰ってきた
俊
警察が聞くことはいつも同じ、無表情で、冷たい感じがする…
父
父
父さんは母さんの遺体を見た瞬間、号泣していた
僕はもう、一生分泣いたせいなのか、前のようにそれを見て涙は出なかった
作者
作者
作者