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【Escape】

4 - 『疑惑とシガラミ』

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2022年02月22日

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ジン

すまないが、2人に話がある。

ジン

何故あまり病院に
姿を見せない??

ジン

医者としての自覚は無いのか?

nakamu

ぁー…すみません、

nakamu

別の患者で忙しくて。

きりやん

そんなに怒らないでくださいよ…
俺達だって

きりやん

その患者さんが亡くなって
悔しいんですから…

ジン

…なんだって?

nakamu

昨日の夜…

nakamu

院長先生が帰った後に
容態が急変して…

ジン

私を呼べば良かっただろう…!

nakamu

そんな余裕も無かったんです…

きりやん

しかも3人同時に…

きりやん

急にですよ?
急に亡くなってしまって…

ジン

最善は尽くしたんだろう?

きりやん

もちろんです!

ジン

なら…もういい。

nakamu

その患者さんの
処理はしておいたので
大丈夫な筈です。

ジン

処理?
どんな処理だ?

きりやん

遺体は霊安室に置いてあるので
そのまますれば…

ジン

なるほど…。
…私の病院で
死者を出してしまうとは…。

nakamu

そんな!
院長先生の所為じゃないです!

nakamu

俺達が力不足だったから…

きりやん

そうですよ…!
すぐにジン先生を呼べば
良かったんです!

ジン

……いい、や…
君達の所為じゃないさ…

ジン

亡くなってしまったのは
私の責任だからね…。

ジン

よく頑張ってくれたと思うよ

nakamu

…あの!
これからの仕事は
今まで以上に頑張ります…!

ジン

そんな事しなくても大丈夫…
疲労で倒れてしまっては
元も子も無いだろう。

ジン

ただ普通に、
仕事に励んでくれたら良い。

nakamu

…ありがとうございます。

ジン

じゃあ私は
手続きがあるからここで…

ジン

頑張ってくれて
ありがとう。

nakamu

………はあ。

きりやん

おつかれ。

nakamu

きりやんもお疲れさま。

きりやん

やっぱ一芝居終えると
疲れるなぁ…

nakamu

まあ、あの人は結構なんでも
許してくれるし、

nakamu

チョロい方じゃない?

きりやん

誰かに聞かれてても
知らないぞー

nakamu

そう言うの想像すると
怖いね‪w

nakamu

ゾクゾクする‪w

きりやん

案外あるから怖いんだよな‪w

nakamu

本当にならない内に
戻ろっか

きりやん

はーいよっ。

???

………………

・ ・ ・ 。

あの子

私は何をしていろと…?

あの子

えー…
ひまだよ…

あの子

ひまひまひまひまひま!!

あの子

…………、もう…

ぅ"う"う"う"う"う"

あの子

なにこの声

気になってはいるものの、 嵌められた 手枷のせいで動けない。 ご丁寧に何処かと 繋がれているみたいだし

下手に行動しない方が 身のためかもしれない。

ただ…

あの子

ちょっとこわいな…

私は…おばけとか、 得体のしれない物が 無性に怖くなる。 正体が分かれば怖くないのに。

なんとか聴こえないように ソファのクッションで 耳を塞いで2人を待った。

きりやん

はい、ただいまぁ…

nakamu

ただいま。

あの子

………

異様な光景? とも言い難いけど… なんで涙目????

nakamu

どうしたの?
怖い事でもあった?

あの子

…この声がやだ
なにこれ…?

きりやん

声?あー、え?

きりやん

まさか、
それが怖くて泣いてんの?

あの子

…泣いてないから。

nakamu

えっとね、今の呻き声は

nakamu

昨日の3人だね。

nakamu

薬入れて暫くしてるから
何か進展があったのかも。

そう言って nakamuはパタパタと そいつらの元まで 走っていった。

きりやん

必然的に
絡まなきゃダメじゃんこれ

あの子

…………。

きりやん

うっわ、気まず

あの子

ねえ

きりやん

なに

あの子

さっきの事忘れて。

きりやん

さっきの事?あー…

きりやん

怖くて涙目になってた事?‪w

あの子

キミほんと性格イイよね。

きりやん

皮肉ってんの分かってんぞ

あの子

私、別に、

あの子

こわかった訳じゃないから

あの子

ちょっと待ちくたびれてた
だけだから。

きりやん

へぇー、待ってたんだ?‪

あの子

待ってたよ、そりゃあね。

あの子

あとこれ外して手枷。

きりやん

無理。

あの子

なんで?意地悪過ぎない?

きりやん

だって鍵はnakamuが
持ってるから。

きりやん

俺は開けられないんだよ。

あの子

じゃあ戻ってくるまで
ずっと?

きりやん

そ。

あの子

はあ…、そっか。

あの子

その間暇だな。
あ、そうだ。

あの子

ねえきりやん、
昨日の話の続きをしようよ。

きりやん

なんで態々掘り返すんだよ…

あの子

つまんないんだもん。

あの子

きりやんは私の事嫌い?

きりやん

信用できない。

あの子

まあ、だろうなって思った。

きりやん

出会ってから
そんなに経ってないのに

きりやん

あれだけ信じられるnakamuが
不思議だわ。

あの子

それは私も感じる。

あの子

危害を加えられないのは
有難いんだけどね。

あの子

正直…心配するよ

きりやん

え?は?

きりやん

心配する??なんで?

あの子

あの子

だって、
あれだけの才能があるのに
人のこと簡単に信じたら

あの子

いつか騙されたり
するかもしれないじゃん。

あの子

それが心配なんだよ。

きりやん

………

きりやん

お前はさ、いつからnakamuの事
知ってんの?

あの子

…なんて答えたら良いのか
わからない。

きりやん

ふーん…
俺が勝手に話すのも
どうかと思うけど
出会う前の話とか興味ある?‪

あの子

ある。すごく聞きたい。

きりやん

…アイツは、
nakamuは凄い才能があってさ?

きりやん

俺なんて
簡単に抜かすぐらいに。

きりやん

でもその分、
誰かに嫉妬されてたんだよ。
前に話されたけど、痛々しくて
聞いてられなかった。

あの子

虐められてたみたいな感じか…。
ねぇ、きりやんは
そんな事言ってるけどさ、

あの子

キミも同じ様な仕打ちを
受けて来たんじゃないの?

きりやん

またその言い方じゃん。

あの子

こう言う言い方しか出来ない。
許して。

きりやん

で?
お前が思う仕打ちって何?

あの子

比べられたりとか
したのかなって。

あの子

きりやんは努力するタイプ。
でも才能には勝てないって
多分何度も思ってるよね?

短く溜息を吐いた。 こうも言い当てられると 気持ち悪さより諦めが勝つ。

俺は暫くの沈黙の後、 最大限繕った笑顔で 子供の頃の様に 言い放ってみせた。

きりやん

そーですっ、俺は才能なんて
持ち合わせてないですから!

…って…

きりやん

幾らでも自虐してたよ。

きりやん

飛んでくる声は
罵声から変わらなかったけど。

あの子

それに疲れて
こんな計画に賛同した…。

きりやん

そうそう。
復讐も兼ねてるからさ。

あの子

やっぱり、
キミ達は私の知ってる2人とは
違うんだね。
何もかもが。

あの子

…一緒に見えてた私は
馬鹿だったって自覚した。

きりやん

いきなりどうしたんだよ‪w
同情なら必要ないけど?

あの子

そんなのじゃないよ。
ただちょっと
見方を変えようって。
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