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#ハイキュー夢女子
コメント
1件
読み終わったよ!侑の調子がガチで狂わされてて面白かった(笑)「こいつ誰やねん」ってタイトル通りだわ。初対面でヘラヘラしてる伊織に振り回される侑、新鮮すぎて草。フルネーム覚えてるのを治にバラされてるの、ほんとツボった。また来るって言った時の侑の「来たかったら来たらええやん」がツンツンしててかわいかったし、朝の教室のシーンもまた見たいわ!続き楽しみにしてる🔥
四月。
新学期が始まって、まだクラスの全員の名前も覚えきれていない頃。
宮侑は、いつも通り騒がしかった。
宮 侑
北 信介
宮 侑
北 信介
宮 侑
北 信介
宮 侑
隣で治が呆れたようにため息をつく。
宮 治
宮 侑
宮 治
宮 侑
いつも通りの朝。 いつも通りの双子の言い合い。
クラスメイト
廊下からクラスメイトに呼ばれ、侑は顔を上げた。
宮 侑
クラスメイト
クラスメイト
宮 侑
クラスメイト
宮 侑
侑は興味なさそうに返事をした。
バレーが好きな人間なんて、別に珍しくもない。
自分のプレーを見て驚く人間だって、これまで何人も見てきた。
だから、その時は本当にどうでもよかった。
放課後。
体育館には、バレー部の練習前の独特な空気が漂っていた。
ボールが床を叩く音。 シューズが擦れる音。
部員たちの声。
侑はネットの向こう側にいる治に向かって、ボールを放った。
宮 侑
宮 治
宮 侑
宮 治
宮 侑
北 信介
北の一言で、双子は同時に黙った。
体育館の入口から、ひょこっと顔が覗いた。
???
短い髪。 茶色と黄色の中間みたいな、明るい髪色。 少し珍しい、淡いピンク色の瞳。
制服を着崩しているわけでもないのに、どこか自由そうな雰囲気がある。
その子は入口から体育館の中を見回すと、すぐにこちらへ歩いてきた。
???
北 信介
北が答えると、その子はぱっと顔を明るくした。
???
そう言って、壁際に荷物を置く。
置いた荷物の横にしゃがみ込んだかと思えば、靴紐を結び直し、体育館の端に転がっていたボールを拾った。
侑はその様子を横目で見ていた。
宮 侑
宮 侑
宮 侑
宮 侑
そいつはボールを片手で持ち上げ、軽く指先で回した。
くるくる。
くるくる。
そして、近くにいた部員に向かって聞いた。
???
部員
???
返事を聞くなり、そいつはボールを床に弾ませた。
ポン、ポン。
軽くドリブルするようにボールを扱いながら、体育館の空いているスペースへ歩いていく。
侑は思わず眉を寄せた。
宮 侑
宮 侑
そう思っていたら。
その子が突然、こちらを向いた。
目が合う。
宮 侑
???
???
宮 侑
???
宮 侑
???
宮 侑
???
あっさり。
本当にあっさりと、その子は視線を戻した。
侑だけが、なんとなく納得できずに残された。
宮 侑
初めて会った人間に、こんな自然に言い返されたのは久しぶりだった。
しかも、まったく悪びれていない。
侑は少しだけ、その子のことが気になった。
ほんの少しだけ。
……たぶん。
しばらくして。
練習が始まる前の休憩時間。
侑が水を飲んでいると、さっきの子が隣にやってきた。
???
宮 侑
???
宮 侑
???
侑は飲みかけの水を止めた。
宮 侑
???
???
宮 侑
侑は即答した
宮 侑
その子は「へえ」と呟いた。
???
宮 侑
???
あまりにも普通の反応だった。
侑は一瞬、言葉に詰まった。
自分がバレーに本気だと言うと、たいていの人間は驚く。
すごいね、と褒める人もいれば、そんなに必死にならんでも、と笑う人もいる。
でも、この子は違った。
ただ、当たり前のことみたいに言った。
好きなものに本気なのは、ええことや。
それだけ。
宮 侑
???
宮 侑
???
???
宮 侑
???
宮 侑
???
宮 侑
侑は思わず顔をしかめた。
宮 侑
???
宮 侑
???
宮 侑
???
その子はけらけら笑った。
侑は呆れた。
呆れたのに。
なぜか、もう少し話を聞いてみたいと思った。
宮 侑
???
宮 侑
???
その子はボールを片腕に抱えて、にっと笑った。
花宮 伊織
宮 侑
花宮 伊織
宮 侑
花宮 伊織
宮 侑
花宮 伊織
宮 侑
花宮 伊織
あっさり名前を呼ばれた。
花宮 伊織
宮 侑
侑は少しだけ返事が遅れた。
別に、名前を呼ばれたくらいでどうこうなるわけではない。
ただ。
宮 侑
宮 侑
伊織はそんな侑の様子など気にせず、ボールを軽く放り上げた。
花宮 伊織
宮 侑
花宮 伊織
宮 侑
侑の表情が変わった。
宮 侑
花宮 伊織
宮 侑
花宮 伊織
宮 侑
花宮 伊織
花宮 伊織
即答だった。
侑は絶句した。
いや、そらそういう人間もおるやろう。
でも、バレーの話をあれだけ真剣にした直後に、本人の実力をまったく知らないと言われるとは思わなかった。
宮 侑
花宮 伊織
宮 侑
花宮 伊織
宮 侑
花宮 伊織
宮 侑
体育館に侑の声が響いた。
治が遠くから振り返る。
宮 治
宮 侑
宮 治
宮 侑
伊織は自分を指差しながら、楽しそうに笑っていた。
花宮 伊織
宮 侑
花宮 伊織
その日、侑は初めて知った。
世の中には、自分の自信満々な態度にまったく動じない人間がいるらしい。
宮 侑
花宮 伊織
宮 侑
花宮 伊織
宮 侑
花宮 伊織
宮 侑
侑は近くのボールを拾った。
花宮 伊織
宮 侑
花宮 伊織
伊織は少し考えたあと、口角を上げた。
花宮 伊織
その返事に、侑はなぜか嫌な予感がした。
伊織はボールを受け取ると、軽く両手で持ち上げた。
花宮 伊織
宮 侑
花宮 伊織
侑は少し離れた場所に立った。
最初は軽くラリーするつもりだった。
相手は部活に入っているわけでもない、ただの見学者。
適当にボールを返して、少し遊んで終わり。
そう考えてた。
侑がボールを投げる。
花宮 伊織
伊織は一歩横へ動いた。
そして。
パンッ!
思ったよりも、きれいな音が響いた。
ボールが侑のほうへ飛んでくる。
宮 侑
侑は慌てずに受け止めた。
返ってきたボールは、予想よりずっと正確だった。
宮 侑
花宮 伊織
宮 侑
侑はもう一度、ボールを投げた。
今度は少しだけ、取りにくい位置へ。
花宮 伊織
伊織はすぐに反応した。
一歩、二歩。
体を傾けて、ボールの落下点へ入る。
パンッ!
また返ってきた。
今度も、ほとんど狙った場所に。
侑の目が細くなる。
宮 侑
運動神経がええ。
しかも、ただ反射的に動いているだけではない。
ボールがどこへ飛ぶのかを見て、先に動いている。
侑はもう一度、ボールを投げた。
少し強く。
伊織は一瞬だけ驚いた顔をしたものの、すぐに体勢を整えた。
パンッ!
宮 侑
伊織はその声を聞き逃さなかった。
花宮 伊織
宮 侑
花宮 伊織
宮 侑
花宮 伊織
宮 侑
花宮 伊織
伊織はにやにやした。
花宮 伊織
宮 侑
花宮 伊織
宮 侑
伊織は、ふっと真剣な顔になった。
花宮 伊織
宮 侑
花宮 伊織
侑は黙った。 伊織は自分の手を見つめていた。
さっきまで笑っていた顔とは、少し違う。
花宮 伊織
宮 侑
花宮 伊織
侑は思わず笑いそうになった。
こいつ。
さっきまでふざけていたくせに。
宮 侑
侑はボールを拾った。
宮 侑
伊織はにっと笑った。
花宮 伊織
その声が、体育館に響いた。
何度も。
何度も。
ボールが行き交った。
伊織が失敗すれば、悔しそうに唇を尖らせる。
侑が少し難しいボールを返せば、伊織は必死に追いかける。
そして成功すると
花宮 伊織
まるで試合に勝ったみたいに喜ぶ。
侑はいつの間にか、自分まで本気になっていた。
宮 侑
最初は、ただの見学者だった。
それが今では、もう少し難しいボールを返してやりたいと思っている。
次こそは取れへんようなボールを。
いや。
取られたら取られたで、それはそれで面白い。
そんなことを考えている自分に、
侑は気づいていなかった。
花宮 伊織
伊織は床に座り込んだ。
花宮 伊織
宮 侑
花宮 伊織
宮 侑
花宮 伊織
宮 侑
花宮 伊織
伊織は笑いながら、床に転がったボールを拾った。
侑はタオルで汗を拭きながら、伊織を見下ろす。
宮 侑
何気なく言った言葉だった。
けれど、伊織の手が一瞬止まった。
花宮 伊織
伊織はボールを抱え直す。
花宮 伊織
宮 侑
花宮 伊織
宮 侑
侑はそう言ってから、少しだけ言葉を探した。
宮 侑
伊織は目をぱちぱちさせた。
花宮 伊織
宮 侑
花宮 伊織
宮 侑
花宮 伊織
宮 侑
花宮 伊織
宮 侑
花宮 伊織
伊織は満面の笑みを浮かべた。
侑は言葉を失った。
宮 侑
褒められたくらいで、こんなに嬉しそうにするんか。
いや、そもそも。
自分はそんな大げさに褒めたつもりなんてなかった。
ただ、見たままを言っただけだ。
でも伊織は、まるで特別なことを言われたみたいに喜んでいた。
宮 侑
侑がぽつりと言うと、伊織はきょとんとした。
花宮 伊織
宮 侑
花宮 伊織
伊織は元気よく立ち上がった。
そして、侑の肩をぽんっと叩く。
花宮 伊織
宮 侑
花宮 伊織
宮 侑
花宮 伊織
宮 侑
また言い合いになった。
遠くで見ていた治が、北にぼそっと言った。
宮 治
北 信介
宮 治
北 信介
北は淡々と答えた。
治は侑のほうを見た。
いつもなら、侑は練習のことばかり考えている。
相手の技術を見て、改善点を探して、次はどうするかを考えている。
けれど今の侑は。
ボールを拾いながら、何度も伊織のほうを見ていた。
伊織が何か言うたびに反応して。 伊織が笑うたびに、言い返して。
しまいには、自分から話しかけに行っている。
治は小さく笑った。
宮 治
そろそろ帰る時間になった。
伊織は荷物をまとめ、体育館の入口へ向かった。
花宮 伊織
北に手を振り、部員たちにも軽く挨拶する。
侑は、なぜかその様子を目で追っていた。
別に。 別に、何も思っていない。
ただ、今日初めて会った人間が帰るだけ。
それだけのことだ。
……なのに。
花宮 伊織
名前を呼ばれ、侑は顔を上げた。
伊織が入口からこちらを見ていた。
宮 侑
花宮 伊織
侑は一瞬、答えに詰まった。
なんで俺に聞くねん。
ここは俺の体育館でもないし、俺が決めることでもない。
そう思ったのに。
口から出たのは、別の言葉だった。
宮 侑
花宮 伊織
伊織の顔がぱっと明るくなった。
花宮 伊織
宮 侑
花宮 伊織
宮 侑
花宮 伊織
宮 侑
花宮 伊織
伊織は笑いながら手を振った。
花宮 伊織
宮 侑
扉が閉まる。
体育館に、いつもの音が戻ってきた。
侑はしばらく入口を見ていた。
宮 侑
宮 治
宮 侑
治が横から顔を覗き込む。
宮 治
宮 侑
侑は勢いよく振り返った。
宮 侑
宮 治
宮 侑
宮 治
宮 侑
宮 治
宮 侑
言った瞬間。
侑は固まった。
治も固まった。
宮 治
宮 侑
宮 治
宮 侑
宮 治
治の顔が、ものすごく楽しそうになった。
宮 治
宮 侑
宮 治
宮 侑
侑はタオルを治に投げつけた。
治は笑いながらそれを避ける。
北はそんな二人を見て、いつも通りの声で言った。
北 信介
宮 侑
宮 治
ふたりは慌てて返事をした。
そして、コートへ戻る。
ボールを手に取る。
いつもの練習。 いつもの体育館。 いつものバレー。
……のはずやのに
頭の片隅に、あのピンク色の瞳がちらついた。
『次はもっと上手く返したるからな!』
『俺からボール取れるようになってから言えや!』
『絶対取ったるから!』
宮 侑
侑はボールを握り直した。
宮 侑
もうちょい難しいボールを返したろ。
いや。
もっとちゃんと、相手してやってもええかもしれん。
どうせ、すぐ来るやろうし。
宮 侑
宮 治
宮 侑
侑は顔を上げた。
いつも通り、ボールを高く放り上げる。
鋭いサーブが、コートの向こうへ飛んでいった。
けれど、その日の侑は。 練習が終わるまで、何度も体育館の入口を気にしていた。
もちろん、誰にも気づかれないように。
……いや。 治には、全部バレていた。
翌日の朝。
侑が教室に入ると、窓際の席で伊織が机に突っ伏していた。
宮 侑
昨日の元気はどこへ行った。
侑は近づいて、机を軽く叩いた。
宮 侑
花宮 伊織
宮 侑
花宮 伊織
宮 侑
伊織は片目だけ開けた。
花宮 伊織
宮 侑
花宮 伊織
宮 侑
花宮 伊織
そう言って、再び机に突っ伏す。
侑は呆然とした。
昨日、あれだけ走り回って。 あれだけ大声で笑って。 あれだけボールを追いかけていた人間が。
今は、机に溶けるように寝ている。
宮 侑
花宮 伊織
宮 侑
花宮 伊織
宮 侑
その時、伊織が薄目を開けて、ぼそっと呟いた。
花宮 伊織
宮 侑
教室に侑の声が響いた。
クラスメイトたちが振り返る。
伊織はそのまま、また目を閉じた。 侑は頭を抱えた。
宮 侑
初めて会った昨日から、ずっと調子が狂いっぱなしだ。
スポーツの話をすれば本気になるくせに、普段は適当。
言い返してくるくせに、褒めたら素直に喜ぶ。
そして、朝は驚くほど起きない。
意味が分からない。 理解できない。
……けれど。
侑は自分の席へ戻る途中、もう一度だけ伊織を振り返った。
机に突っ伏したまま、すやすや寝ている伊織。
その横顔を見て、侑は小さく呟いた。
宮 侑
そして。 ほんの少しだけ、口元が緩んだ。
もちろん、本人は気づいていない。
そして伊織のほうはというと。
花宮 伊織
昼休み、友達にそう言いながら、昨日のバレーを思い出していた。
花宮 伊織
それだけだった。
少なくとも、伊織にとっては。