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翌日―本部―
雨
眉間にシワを寄せ、デスク上のパソコンと睨み合う界人に雨は声をかける
界人
真
あれから本部は大忙しだった
医療・研究部隊では異邦人の身体検査、事務員は臨時宿舎の手配、そして第三部隊は後処理に追われた
中でも界人は本来行う予定だった事務仕事を全て雪に押し付けられた
苦笑しながら真は言う
真
真
真
界人
雨
雨
賛成という風に真と界人は頷いた
真だけでなく、2人も内心、異邦人が来たという状況を楽しんでいた
―本部カフェテリア―
真
美羽
美羽
臨時宿舎で寝泊まりすることになった矢城と美羽を迎えに行き、全員揃って席に着いた
口をへの字に曲げ睡魔と戦う矢城の横で、美羽は昨日と変わらずの笑顔だ
美羽
矢城
雨
珈琲の入った紙コップをくるくる回しながら雨が問う
その質問に2人はうーんと唸った
矢城
矢城
面白くなってきたとでもいうように真は身を乗り出した
界人
界人
界人
美羽
真は大仰に頷いた
自分が説明しているとでもいうような得意げな笑みを浮かべている
界人
ふいに界人は声を落とした
界人
矢城
界人
界人
真
淡々と、言葉を選びながら説明を続ける
その情報を、矢城と美羽はさらに脳で処理をする
まだ理解が追いつかず、口元に手を当て考え込む美羽を横目に矢城が口を開いた
矢城
3人は顔を見合わせた
「やはりそうなるか」と界人は目を伏せた
雨
雨が目を細める
雨
2人は肩をこわばらせ、顔を見合わせた
"影特殊部隊"…影に関係があるのは確かだ
見ておいても損はないだろう
矢城
別の部隊が受け持っていた小任務を第三部隊が譲り受けた
気づけば3人は着替えており、隊章の宝石が光っていた
雨
界人
矢城
街はそれなりに栄えているようで、ビルや商業施設が並んでいた
離れてみても、レンガ造りの部隊本部の建物はよく目立つ
関心している矢城に美羽が話しかけた
美羽
美羽
矢城
美羽
こんな状況でもキャッキャとはしゃぐ元気があるのを彼は羨んだ
木漏れ日の差し込む森に差し掛かった時、3人は足を止めた
真
矢城
美羽
目の前にたたずんでいたのは、漆黒の巨体を持つスライム状の生き物だった
ノイズがかかり、この世のものではない―"バグ"のような見た目をしている
思わず2人は後退りした
真
界人
界人
空気が変わった
どこからともなく武器を取り出し、3人は散っていった
真
雨
パチン
音を立てて真が放った赤黒い球が影に命中する
その瞬間、影が動き出した
奇声を発しながら彼女ににじり寄る。その声は砂嵐のような雑音がひどく、耳が痛くなるほどだった
美羽
あと数メートルというところで、真の姿は虚空に消えた
そして次の瞬間、彼女は影の死角にまわっていた
真
界人の手に握られた大鎌が影をきり裂く
影がよろめいた。この瞬間を待っていたように、雨は赤黒い糸で巨体を縛り付ける
界人
真
再び赤黒い球を生成する―
まばゆい閃光がほとばしった
美羽と矢城は思わず目を瞑った
数秒の間、影の号哭が響き、消えた
矢城
界人
怪物の姿は消えていた
3人は涼しい顔をして二人に歩み寄る
美羽
雨
矢城
矢城
落ち着けといいながら雨は笑った
雨
雨
雨
雨
そう言いながら彼女は、宙にぽっかりと穴があいたような膜を生成した
そしてその中に手を入れ戻した時、手に持っていた大鋏は消えていた
雨
雨
彼女は右手の人差し指を立て、くるくると弧を描いた
かすかに傷跡がある
美羽は自分が痛みを感じているように口を結んだ
真
真
襲わないから大丈夫だよ〜と言いながら彼女は両手を上げた
界人
雨
界人
真
言い争い始めた界人と雨を制止するように真は二人に割り込んだ
さも当たり前のように行われた戦闘、当たり前のように使われた異能力
それだけで矢城と美羽には大きな衝撃だった
矢城
界人
界人
矢城は心底驚いた
すごいところに世話になってしまった、と