生き続ける

4月11日

新しい年を迎え、

桜の花びらが舞う季節の中、

俺らは中学3年生になろうとしていた

この半年の間

きんとき達と出会ってからは、

時の流れが早いような感じがした

窓から見る外の景色は、明るくて

桜の花びらが、景色を色付けていた

..最近、きんとき達と話す事が多くなり、絵を書いていなかった

..スケッチブック、何処に閉まったっけ、..

久しぶりに、スケッチブックを開くと、

きんときと初めて会ったときに、

褒められた紙が、挟んであった

今、鏡で俺の顔を見れば口角が上がっていて仕方ない気がする

...今思い出しても、あの記憶と感情は忘れられない

..だって、俺にとってこれは、きんときとの思い出みたいなものだから

..あ、後1ページだ、

..このページが終われば、きっと..

ガラガラ

..やっぱり、きんときは変わらない

..後何ヵ月後かに、きんときは手術が始まる

その為の、体作りに毎日薬を飲んでいる

..だから最近、俺も薬を飲むようになった

...まぁ、たまには悪くないのかもしれない、

外に出ると、窓とはまた違う景色に見えた

いつのまにかそんな言葉が出ていた

生暖かい風が髪をなびかせて

体と心に心地良い

君は、眠そうな顔をしてそう言った

..あ、笑

そんな事をして、病室に戻った

外から戻ると、薬も効いてきたのか

ドッと瞼が重くなって、そのままベッドで横になっていた

目を覚ますと、きんときが既に起きていた

時計を見れば、もう6の針を指していた

やることをやって、

もうすぐ、消灯の時間になろうとしていた

..今だけは、我儘で居たいから

遊ぶのに夢中になって、いつの間にか時計の針は2を指していた

あの後も、神経衰弱だけでなく、7並べやジジ抜きもしてしていた

..だって、楽しかったから

2人の病室には、微かに笑い声が響いていた