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エリナ

……

エリナ

……

エリナ

……んっ

エリナ

……

エリナ

……ッ!?

エリナ

こ、ここは何処……!?

エリナ

……

エリナ

……暗い

エリナ

暗い空に、紅い月

エリナ

そして、壊れた遺跡……

エリナ

……

エリナ

立派な石柱が砕け折れて、天井も無くて……

エリナ

どこか歪んだ暗い空……

エリナ

嫌に目につく紅の月が……

エリナ

……不気味だ

???

……くくく

エリナ

だ、誰だ!?

???

我が魔界を、小気味いい言葉で飾り立ててくれる……

???

……

???

誰、と問うたな

???

我は魔王

魔王

この魔界の主だ

エリナ

魔界……

エリナ

どこかで聞いたような気はするけど……

魔王

……魔界を正しく理解する者は、地上にはおらぬ

魔王

我が加護を与えた、狂いの国にすら……な

エリナ

狂いの国……

エリナ

……狂国?

エリナ

っていうと、加護っていうのは……

エリナ

……「深紅の柱」?

魔王

ほう、聡いな

魔王

さすがは、神より与えられた魔導船を駆る者

魔王

……いや

魔王

その、偽者……か

エリナ

……な、何を言っている!?

魔王

……

魔王

おそらく、神は嘆いたのだ

魔王

自らの愛する人間どもが、争いを続けることを

魔王

そして、神は決めたのだ

魔王

自らが人間に与えた魔導船で

魔王

その争いに、終止符を打つことを

エリナ

……

エリナ

……そう

エリナ

全ての国は、帝国によって統一された

エリナ

あなたの言うように、神がそう望んだのなら……

エリナ

その目的は、果たされたんだろう?

魔王

然り

魔王

これからは、憎しみや悲しみ……

魔王

負のエネルギーが、地上から減っていくはず

魔王

我が地上侵略の夢も、少し先になりそうだ

エリナ

……

エリナ

……それで、私をどうするつもり?

魔王

くくく

魔王

我としては、ほんの100年も待てば良いのだが

魔王

貴様に会いたいという者がいてな

エリナ

……え?

エリナ

私に……?

魔王

面識はあるはずだが、面識は無いはず

魔王

哀れに彷徨う魂を、我が救うてやったのだ

魔王

……次の輪廻に乗らぬように、な

エリナ

……?

魔王

さぁ、姿を現すが良い

魔王

エリナよ!!

エリナ

ッ!?

元・エリナ

……

元・エリナ

あなたが、私を……

元・エリナ

……

元・エリナ

私の身体、返しなさい!!

エリナ

元の……エリナ?

エリナ

この身体の、最初の持ち主……

魔王

くくく

魔王

何とも、楽しき余興よ

元・エリナ

……

元・エリナ

魔王様、私に力をお貸しください!

元・エリナ

そうすれば、私が魔導船の力を使って

元・エリナ

地上の全てを、魔王様に献上いたしますッ!

魔王

……ほう、それは魅力的だ

魔王

我が元にいる間に、ずいぶんと従順になったものだ

魔王

……

魔王

……ちと、興覚めだな

元・エリナ

え……?

魔王

先ほども言うたが

魔王

我としては、ほんの100年を待つだけで良いのだ

魔王

故に、お前の側につくメリットは無い

元・エリナ

そ、そんな……

魔王

だが、あの偽者に加担するメリットも無い

元・エリナ

それなら、私に……!

魔王

……

魔王

そうだな、これは余興だ

元・エリナ

……!?

エリナ

……!?

魔王

お前たちが争い合い

魔王

相手の心を砕いた方を勝者として

魔王

その魂と身体を、地上に送ってやろう

元・エリナ

……つまり、私が勝てば

元・エリナ

元の身体を取り戻して、地上に帰れる……

エリナ

逆に、私はあまり得が無い……

魔王

……確かに、それは不公平だな

魔王

ならば、貴様が勝った場合は望みをひとつ叶えてやろう

エリナ

……魔王からの申し出で、少し怖いけど

エリナ

拒否できる立場でもないから、素直に受け入れよう

魔王

くくく、実に賢明だ

魔王

……

魔王

では、醜い争いを始めるが良い……ッ!!

元・エリナ

……

元・エリナ

あなた……私の身体を奪った盗人のくせに

元・エリナ

何でそんなに、堂々としていられるのですか?

元・エリナ

恥を知りなさいッ!!

エリナ

……とは言っても

エリナ

望んでこうなったわけじゃ、ないんだけど

元・エリナ

……ああ、もう

元・エリナ

その品のない喋り方……

元・エリナ

尊い王家の血が流れる私の身体で、その体たらく……

元・エリナ

おとなしく、その身体から出ていきなさいッ!!

エリナ

……確かに、この身体を奪ったことは悪いと思うよ

エリナ

あなたは、急に身体から追い出されて……

エリナ

……そして、気が付いたら魔界にいたんだよな?

元・エリナ

そうです!

元・エリナ

その苦しみ、虚しさ……あなたに分かりますか!?

エリナ

……

エリナ

……わからない

エリナ

……

エリナ

だから、気にしない

元・エリナ

……ッ!?

エリナ

私はあなたの身体を引き継いで、世界を平和にしようとしただけ

エリナ

あなたが元の身体のままだったら

エリナ

魔導船を帝国に使わせなかったはず

元・エリナ

当然です!

元・エリナ

我が王家の力を、なぜ敵である帝国などに……!

エリナ

でも、私があなたの

エリナ

元のエリナの意志に反して、魔導船を使ったからこそ

エリナ

この短期間で、帝国による世界征服が成された

エリナ

そういう意味では、魔導船の力は……

エリナ

……このエリナの身体は、私の方が上手く使いこなしていた

元・エリナ

……ッ!!

元・エリナ

盗人のくせに、白々しいことを……ッ!!

エリナ

……

エリナ

……

エリナ

……この戦いは、相手の心を砕いた方が勝ちになる

エリナ

……

エリナ

あなたはそんな風に私を攻め立てているけど

エリナ

本当に、勝つつもりがあるの?

元・エリナ

……ッ!?

元・エリナ

もちろん、あるに決まっています!!

元・エリナ

そういうあなたこそ、私の心を砕く方法があるとでも!?

エリナ

……

エリナ

……もちろん

元・エリナ

ッ!?

エリナ

私、この身体になった日の夜に

エリナ

一晩中、気持ちの良いことしちゃった

元・エリナ

え……

元・エリナ

……ひ、人の身体で、何を……!

エリナ

両胸の、乳房の下側

元・エリナ

ちょ……?

エリナ

そこから脇腹に続く細いライン

エリナ

白魚のような指で、撫でるように、下へ、下へ……

元・エリナ

は、破廉恥な!!

エリナ

……もう大人なのに、そういうことはしなかった?

元・エリナ

す、するわけ無いでしょう!!

元・エリナ

王家の淑女たるもの、清らかな身で

元・エリナ

結婚相手となる男性に、身体を捧げなくては!!

エリナ

……純粋なんだね、あなたは

エリナ

男性に裸を見せるのも一苦労だ

元・エリナ

……

元・エリナ

……まさか、あなた

元・エリナ

私の裸を、男性に……?

エリナ

……というか

エリナ

私はこの身体になる前

エリナ

元々は、男だったんだ

元・エリナ

……ッ!!?

エリナ

……

エリナ

だから、あなたの身体は

エリナ

男の俺に、自由に動かされて

エリナ

男の俺に、たくさん妄想させられて

エリナ

男の俺に、勝手に快楽を味わわれてる

エリナ

……

エリナ

……可哀そうだね?

エリナ

まぁ、当の「エリナ」はそう思ってないんだけど

元・エリナ

……

元・エリナ

……

元・エリナ

……信じられないことを……

元・エリナ

……

元・エリナ

で、でも……

元・エリナ

私の心は、それくらいでは……

エリナ

……

エリナ

言い忘れてたけど、あなたのメイド……

元・エリナ

……

元・エリナ

……タバサのこと?

エリナ

私があなたの身体で

エリナ

朝まで楽しんでるところを

エリナ

クライマックスのところで、見られちゃったよ

エリナ

……

エリナ

……全部、恥ずかしいアソコまで

元・エリナ

……

元・エリナ

……

元・エリナ

……タバサは

元・エリナ

私の育ての親で……

元・エリナ

王家の誇りを……

元・エリナ

王家の偉大さを……

元・エリナ

……色々と教えてくれた恩人で……

元・エリナ

……

元・エリナ

そんな人に、そんなふしだらな姿を……

元・エリナ

……

元・エリナ

……本当に?

元・エリナ

……

元・エリナ

……どうして?

元・エリナ

……

元・エリナ

……

元・エリナ

……

魔王

……

魔王

……くくく

魔王

どうやら、勝者は決まったようだな

魔王

……

魔王

相手の尊厳を破壊し、心を砕くとは……

魔王

……貴様、我が配下にならぬか?

エリナ

それは、約束が違うなぁ……

魔王

……くくく

魔王

戯れに、問うてみただけよ

魔王

……

魔王

ああ、そうか

魔王

我も貴様と約束をしたな

魔王

貴様が勝った褒美だ

魔王

何でも望みを言うが良い

エリナ

……

エリナ

無事に帰れれば、それで良いんだけど

エリナ

それじゃ、ダメ?

魔王

出したものを引っ込められるわけが無かろう

魔王

何か言わねば、殺すぞ

エリナ

えぇー……

エリナ

それじゃ、ちょっと考えるから

エリナ

1時間くらい、時間をちょうだい?

魔王

ふん、1時間など一瞬よ

魔王

……

魔王

ああ、今のは望みにはカウントせぬからな?

エリナ

……

エリナ

カウントしても、良かったんだけどなぁ……

TS転生王女は殿下と一緒に世界征服をします

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