テラーノベルの小説コンテスト第4回テノコン 2025年1月10日〜3月31日まで

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花子くん(1話〜78話)

第78話 - スミレ(後編)

200

2022年09月13日

#花子くん#小説#夢

柚木かほ🌙👻(元かほりん)

穴の前・・(昔)

スミレ

(もう・・
そこは嘘でも
悲しむ素振りを
見せるところだわ
本当に正直なひと・・)

ユリ

(本当に正直なひと・・)

その後2人は穴の中に落ちていった・・・

穴の前・・(今)

寧々

(これは夢？
それとも誰かの
思い出・・？)

かほ

・・・

お面を被った人さあこちらへ巫様これこそは彼方の岸へと続く門あなた様達は今より神の御許へと旅立たれるのですお祝いを申し上げますスミレ様、ユリ様

寧々

お祝い・・

かほ

お祝い・・

寧々とかほが持っていた鈴が鳴り電気がでる。 (バチン)

かほ

いっ！何！？

寧々

あれ？
私たち今まで
何して・・
(下を向いた)
きゃああ！？？

かほ

どうしたの？
寧々ちゃ・・
(下を向いた)
きゃああ！？？

かほ、寧々

崖ッッ
(ズザザ)

寧々

どこなのよ
ここは！？

かほ

どこなの！？

お面を被った人赤根の娘が門に拒まれるなど・・これまでになかったことだぞ！さてはお前ッ偽物か！？

寧々

最初からスミレちゃん
じゃないって言ってた！

かほ

そうだよ！
私はユリ様
じゃないって
言ってたよ！

寧々

なんなのよこれ！？
これが結婚式！？
あなた達まさか
スミレちゃんとユリ様
って子をころ・・
(お面を被った人に
棒を向けられた)
キャーッ

かほ

(お面を被った人に
棒を向けられた)
くっ！

お面を被った人儀式はどうする失敗か？そんなことになれば村がどうなるか・・ええいその娘達で構わん捕らえて放り込め！今回は特別に2人だからな！そうだ！何もしないよりはいいはずだ少しは加護を頂けるやもしれぬ

寧々

やだ待って・・

かほ

・・・

お面を被った人に手をガシッと掴まれた

かほ、寧々

！！

お面を被った人おおよくぞ捕らえたそのまま落としてしまえ (1人ずつ手を掴まえている)

寧々

やめて
放して・・っ

かほ

放してよ！

お面を被った人おめでとうございます巫様達おめでとうございます

寧々

かほちゃん！
魔法でどうにか
できないの！

かほ

・・・

寧々

う・・
やだ・・！
花子くん！！
凛花ちゃん！！

凛花花子くん

はーあーい

寧々

は・・花子く・・

花子くん

遅くなって
ゴメンね

かほ

遅いよ・・

凛花

ごめん
ごめん

お面を被った人コイツら村の者じゃあねぇぞ何者だ！

凛花花子くん

ごめんだけど(凛花)
悪いけど(花子くん)
(お面を投げて
お面を被った人に
向かって投げた)

お面を被った人グッ！(当たった)

凛花花子くん

結婚式は中止だよ

花子くん

どこの誰だか
わかんない
ヤツのとこに
俺の助手を
嫁がせるわけには
いかないからね

凛花

どこの誰だか
わかんない
人のところに
私の人間の時の
私を嫁がせるわけ
にはいかないからね
まあ、逆に困る
からな〜

スミレ

わたくし達が
生まれるよりも
ずっとずっと
昔からこの村には
彼岸へと通じる
穴が開いている

ユリ

穴からは度々
飢えた妖が
湧いては人々を
貪りに食ったので
村人達は仕方なく
年若い娘を生贄
として穴に放り込む
ことにした
そうすれば数年の
間は妖に怯えず
暮らすことが
できたから

スミレ

村のため身を
捧げた娘は
神仏の坐す
常世へ渡り
その御許で
永久の幸福を
享受するのだと
みんなは言った

ユリ

けれど私達は
知っている
神の国も幸福も

スミレユリ

穴の底にはない
ということを

スミレユリ

・・・

花子くんと凛花が戦っている所を見ている

スミレユリ

結局
何も変わらないのね・・

凛花達は・・ズ・・・ズズズ (何か地面から出てきた)

寧々

なっ何これ
この黒いの・・！

お面を被った人・・(男性) ああ神がお怒りだお面を被った人・・(女性) お許しを・・！お面を被った人・・(男性) おのれ儀式さえ行われていたなら・・お前達のせいだ！お前達さえ・・(だっ)

寧々

きゃ・・

お面を被った人ボロボロ

凛花花子くんかほ寧々

え

お面を被った人おまエタ・・ちのお・・ォおぉぉお (ボロボロ)(ガシャン)

寧々

ひっ・・
なんなのこれ・・！

花子くん

人が腐っていく・・

凛花

腐っていってるね・・

かほ

だね・・

凛花

あの煙のせいかな？

花子くん

多分ね・・

(ピシッ) 凛花達が今いる地面がくずれた

花子くん

な・・

凛花

え・・

凛花花子くん

(がっ)ッ

凛花はかほの手を掴んでいる花子くんは寧々ちゃんを抱えている

寧々

ぐえ

かほ

・・・

凛花花子くん

ぐ・・
ぐぐぐ・・
(落ちそうに
なっている)
っ・・

スミレユリ

大丈夫よ
もう終わらせますから
(落ちた)

凛花花子くん

！
(下を向いた)

スミレユリ

(にこ😊)
(ドボン)

凛花花子くんかほ寧々

(パチッ)

寧々

あれ？

花子くん

ん？

凛花

あれれ？

かほ

あれれ？

寧々

ここ・・
もしかして
昨日の・・

かほ

・・

ユリ

驚かせてごめんね

スミレ

安心して
この世界は
最初に戻った
だけですから

寧々

スミレちゃん・・！
と・・

ユリ

私はユリと言います。

かほ

ユリ・・・
(もしかして・・)

花子くん

どういうつもり？
俺と凛花を不意打ち
したり
ヤシロとかほを
身代わりにしたり

凛花

六番から
なんの指示を
受けてるの？

スミレ

ここはわたくし達の
ための用意された
時の牢獄
わたくし達の死を
契機に世界の時は
戻される

ユリ

依代として
目覚めた時から
ずっとここで
同じ1日同じ死の
繰り返し

スミレ

あの人の思惑など
わたくし達に
尋ねないでね

ユリ

はるか昔
命を落とした
あの日を最後に
あの人には
1度も会えないの

スミレ

いつかはきっと
会いに来て
くださると
思ってましたわ
もしかしたら
あの朴念仁
意外とわたくし達を
愛していて
あの瞬間わたくし達を
悔いているのかしらって

ユリ

だって
最も思い入れの
ある品が依代
として選ばれる
のでしょ

寧々

スミレちゃん・・
ユリちゃん・・

スミレユリ

でも・・
勘違いだった
みたいですわね

スミレ

何度わたくし達が
死を繰り返してみても
あの人は来ない
巫役が変われば
或いはとも思ったけれど
結局同じ
流石にもう飽きて
しまったわ

ユリ

そうだね・・
あなた達元の世界に
戻りたいのでしょう？

スミレ

この札を剥がせば
ここから出られる
はずですわよ

花子くん

！？
それっ・・
依代の!?
ヤシロと凛花と
かほ知って

凛花

それは・・
様子を・・

かほ、寧々

(パアン)
(寧々は花子くんの
口をおさえ、かほは
凛花の口をおさえた)

凛花花子くん

ぐえ

かほ

静かに！
((コソッ

凛花

私は剥がそうと
思ってたんだけど？
((コソッ

かほ

だって・・
((コソッ

凛花

まあ、いいよ・・
様子を見て決める
((コソッ

かほ

うん・・((コソッ

寧々

スミレちゃん・・
ユリちゃん・・
ひとつだけ聞いても
いい？

スミレ

はい

ユリ

いいですけど・・

寧々

六番さん最悪
じゃない？
どこがいいの？

スミレユリ

・・・

花子くん

ヤシロどしたの
急に

寧々

だって！
さっきスミレちゃん
とユリちゃんの
思い出がなんとなく
見えたんだけど・・
六番さん笑わないし
素っ気ないし
そもそも葵を誘拐して
洗脳(？)するしで
いいところがいっこも
ない！

スミレユリ

そ・・
そんなことは・・

寧々

ある！！(カッ)
こんな陰気な村に
いるから
六番さんなんか
好きになっちゃう
のよ〜！！

スミレユリ

そっそうなの
かしら・・

寧々

(ギュッ)
スミレちゃん！
私達と一緒に
この最悪村から
逃げ出さない!?

スミレユリ

え！？

かほ

いいじゃん！

凛花花子くん

ちょ
ちょっと来て

4人でコソコソ話してる・・

花子くん

何言ってんの
ヤシロとかほ
アオイちゃんを
助けたいんでしょ？

凛花

そうだよ！
だったら
サクッと
札剥がし
ちゃった方が
い〜って

花子くん

依代の力が
失われれば
様子のおかし
かったアオイ
ちゃんも元に
戻るかもしん
ないんだよ

寧々

そうかも
しれないけど・・

かほ

ね・・

かほ、寧々

でも本当に
それしか
ないのかな・・

寧々

あのね・・六番さん
は葵を連れて行くとき
学園のためだって言っ
てたのよね
あのお面の人も似た
ようなこと言ってた
この服だって葵が着
せられてたのにすごく
似てるしスミレちゃんと
ユリちゃんの名前は多分
赤根スミレ、赤根ユリ・・
これって・・
葵がスミレちゃんとユリ
ちゃんと似た状況にいる
ってことなんじゃないかな
もしそうなんだったら
今の学園がこの村と
同じような状況ってこと
になる
穴が開いて怪異が
たくさん出てきてて
それを鎮めるには
誰かを穴に放り込まない
といけない
でもこんな儀式今はない
よね？
これまで私達はそんな
ことしなくても大丈夫
だった
それなら・・六番さんは
気付いてないだけで葵を
犠牲にする以外の方法が
あるのよ！・・
・・だよね？
私の知らないところで
誰が生贄にされてたり
しないよね!?

花子くん

いや・・俺の代に
生徒を犠牲にした
ことはないかな

寧々

ほっ
良かった！

かほ

良かったね〜！

凛花

・・・

寧々

だったら私たちが
六番さんとは
別の方法で学園に
開いちゃってる
っぽい穴をなんとか
すれば・・葵も助け
られるはず

凛花

へ〜
なんか色々
考えたんだね〜