凪が感情を知るまでのお話

愛ってなんだろう

家族の温もりってなんだろう

好きってなんだろう

愛してほしい

最初はそうだった

けど

もういいや

あれ、

嬉しいってなんたっけ

悲しいってなんだっけ

イライラって

嬉しいって、

なんだっけ

朝起きて

ごはん食べて

着替えて

家をでる

ご飯は美味しくない、

いや、

味がしない

わからない、

ご飯はいらない

けど、

生きるために食べてるだけ

なんで生きるんだろう

友達、

俺にはいらない

感情がわかないから

意味がないんだ

あー、

感情がわかない、

ごはんの味がわからない

生きるのってよくわからない

…

そっか

フェンスに目を移す

おーい！なにしてんの？

頼んでない

余計なお世話だ

なんでだろう

この人には自然と話してしまう

話したからってなにか変わるわけでもない

でも、なんでだろう

どうせ意味ない

言葉は簡単なんだから

でも、少し

期待してる自分がいるのだろうか

感情を知れるかもなんて

思ってる自分が

馬鹿馬鹿しい