薬依存

キュｯ（袖

一瞬でも信じたのに

ばっ（振り払う

袖を掴んでいたなつくんを、強引に振り解き、体制を変える

しゃがみ込むように近づき、上に乗る 体重も全部かけて、

ちゃんと、目が合うようにする

なつくんの声が震える

なんだか目も潤んで

本気なのかな

こさめとなつくんは、ただの幼馴染

寂しさを埋めるなんて、彼女とかの方が得意なのは分かる

でも、…こさめだって寂しいよ

確かに、学校に行ってるのはこさめだけで…なつくんはずっと家で1人だけどさ、…

やっぱり寂しかったんじゃん…

そんなんだったら早くこさめに依存すればよかったのに…

こさめの前では寂しくなりたくなかったから、薬やってんの？

意味わかんない

だったら尚更、こさめに依存してくれれば

…何言ってんだろ（笑

確かに、学校を休むことはできるよ

でも、なつくんとずっと一緒にいるために、学歴は必要で…

わがままだけどさ、好きなんだもん…

なつくんのことが

頷いてくれたけど、明日何しよう

久しぶりに家から出してあげようかな

こさめいるし、出かけたいところ適当に

なつくんは昔から優柔不断なところがあった

だから、物事を決めるのに、他人が必要だった

だから提案する

そうすればYESかNOくらいは言ってくれるから

本は、待たせている間、なつくんがよく読むから。

家に沢山あるけど、もう全部読み終わってるみたい

だから、新しいの選びに行くのも良いかな？なんて

休むのは1日だけ

休めるのは1日だけなんだ

貴重な1日

滅多にない1日

だからこそ、学校とか忘れて、なつくんに集中したい

ちゃんと恋人したい

だからこそ、知り合いになんて会いたくない

時間帯は狙おう

いざとなったら、なつくんだけは守ろう

さっきまで薬飲んで痙攣してたのが嘘みたいに思えてきた

さっきまで動くこともできなかったのに、今は普通に喋れてるし

優柔不断なところも、なつくんらしいよね…

やっぱり

こさめがいないとダメなんだね、なつくんは

※滝行のつもり