文化祭の朝 教室は飾り付けの匂いと、わくわくした空気でいっぱいだった クラスメイトの笑い声が響く中、ふと視線の先に海人を見つける
エプロン姿で、真剣に看板を直してる その横顔に、思わずスマホを構えたら
海人
撮んなよ笑笑
って笑いながら、近づいてくる
海人
ほら
海人がポケットから小さな紙袋を出す 中には、手作りのブレスレット
◯◯
なにこれ?
海人
昨日、◯◯の分も作った
◯◯
かわいい!ありがとう笑
手首につけてもらうと、彼の指が少し長くて 皮膚に触れたところが熱を帯びる
海人
…今日、休憩時間になったら屋上来て
そう耳元で囁かれた瞬間、胸が苦しくなるくらい高鳴った
昼休み 屋上のドアを開けたら、風と一緒に海人が振り向く
海人
来たな
って言って、カメラを構えて
海人
文化祭記念。俺と◯◯だけの写真
◯◯
なにそれ海人らしくないじゃん笑
シャッター音の後 海人がふっと笑って、急に距離を詰めてきた
◯◯
今日変だよ?どうしたの?
海人
…ずっと、◯◯が好きだった
その言葉が、校庭のざわめきよりもずっと大きく響いた







