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これはとある『本』の人生のお話
この本を作った人物は人々の願いが叶うようにとこの本達を作った
作られた本は2冊
生者のための本『ラー』 死者のための本『アヌビス』
この2冊は神として讃えられた
だが神だとしても二人とも本である
肉体がないため人間を自分の使者として仕えた
ラー
アヌビス
ラー
アヌビス
ラー
アヌビス
ラー
アヌビス
ラー
アヌビス
ラー
ラー
アヌビス
アヌビス
アヌビス
死者のための本『アヌビス』は退屈だった
自分に寄ってくる者は皆欲深い者ばかりだった
一番最初の使者は世界が欲しいと言った
できないことを告げたら燃やそうとしてきたから殺した
二人目は金が欲しいと言った
最初はあげた、だがどんどん額が増えていきこれ以上はダメだと言った
そしたら破られたから頭を殴った
そいつは植物状態になった
三人目も四人目も皆同じような願いをした
だが全ての人は己の為に行動した
だから殺した
次の使者も殺してしまうだろう
延々とそれを繰り返す
アヌビス
だが人は自分の利益のために俺を求めた
売り飛ばされたり、俺を巡ったがために起きた無意味な争い
もう、うんざりだった
放っておいて欲しかった
一人でいたかった
苦しかった
だから俺は逃げた
責任から?
違う
人から?
違う
欲望から?
違う
では何から?
逃げれるのなら、そんなことどうだっていい
アヌビス
また…
俺にまだ苦しみを与えるのか?
もう勘弁してくれ
俺はただ…
アヌビス
アヌビス
そうだ、俺はただ…
アヌビス