寝て、起きて、殴られて。
食事もろくに摂らせて貰えない為、年中栄養失調。
こんな環境下だから安心して眠れるはずもなく。
俺も、俺より1つ幼い弟も
やせ細って、骨も見えていて。
目の下には濃い隈も出来ていて。
俺がこんな状態になるのは別にどうでもいいのだが…
最悪なことに、弟も同じ状態にいる。
見るだけで心が締め付けられるその姿に、俺はもう限界だった。
" こんな場所から逃げ出せたら "
なんて思いが脳裏によぎる。
でも、現実に目を向けてみれば
まだ指折りで数えることが出来る範囲の年齢じゃ
当然 外の世界ではすぐ朽ち果てるだろう。
早く大人になりたい。
大人になって、弟を守ってやりたい。
その為なら、俺はなんだってする。
今の倍殴られたとしても。
死の危険にさらされたとしても
🤪
目の前に映るのは僕の大好きなお兄ちゃん。
毎日、毎日
僕のことを守ろうって、頑張ってくれている。
僕はこのままいふにぃに庇護欲を抱かせ、守ってもらって居ては駄目だ。
※庇護欲(ひごよく) = 弱い人を「守りたい」と思う心情
自分だって。
自分だって、動けるんだ。
守ろうと、行動を起こすことができるんだ。
いふにぃに楽をさせるため、僕がいふにぃの分まで殴られることだって
今までのいふにぃを考えれば、お易い御用だ。
いふにぃの為なら、僕はなんだってするよ。
土砂降りの中、外に追い出されても、
殴られて沢山血が出ても。
大好きないふにぃが居るから。
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ガチャ…
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🤪
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母
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母
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とりあえず謝る
そして
母
ゴンッ
鈍い音が部屋中に響き渡る。
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何回も
何回も何回も何回も
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痛みには正直慣れた。
きっといふにぃもそうだろう。
前までは泣きじゃくっていた僕も
最近は泣かずに居られるようになった。
母
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もう1発来る。
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何故か痛くない
何秒待っても襲ってこない痛みに違和感を覚え、目を開けると
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そこには
さっきまで居なかった、兄の姿があった。
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🤪
🤪
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母
母
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母
ゴンッッ
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🤪
🤪
母
🤪
母
母
母
🤪
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🤪
母
母
母
母
バンッッ!! ← 扉を閉める音
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🤪
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🤪
🤪
🤪
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🤪
🤪
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🤪
俺は、
自分より一回り小さな手を握りながら
これからのことについて考えていた。
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…でも、
でもそれは、本当に信用できる人間なのか?
安心して、俺の命より大切な弟を任せられるのか?
🤪
こちらもあまりにもリスキーすぎる。
外の世界は軽く見てはいけない。
周りの人間は、言い方を変えれば腹を空かせたライオン。
ほとけは俺より、大きな大人を怖がっている。
そんな世界に、大切な弟を置けるか。
どちらの選択をしても
デメリットの方が、メリットより大きい。
どうすればいい?
どのような選択をすれば、俺は安心して弟を守れる?
どうやって行動すれば、命を繋ぐことが出来る?
🤪
どうすれば…
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いふにぃの目が暗くなる。
きっと、これからの事について深く考えているのだろう。
…正直、僕は性格上、今を、この瞬間を生き延びることが出来れば
その時その時で、対処法を考えればいいという思考だ。
なにか…なにか、いふにぃの気持ちが軽くなる行動を、することは出来ないのだろうか
…
僕は、人と触れ合うと安心できる。
要するに、いふにぃとくっつくのが大好き。
毎朝、僕が起きたらいつもいふにぃはハグをしてくれる。
僕はそれがとてつもなく大好き。
暖かくて、安心できるから…
…安心…
…僕の安心は、いふにぃと手を繋いだり、くっついたりすること。
いふにぃの 安心 は僕には分からないけど
僕の安心で、いふにぃも安心することは出来ないのだろうか?
…なら僕が今、やるべきことはただ一つ。
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次回から他メンさん出てきます。
コメント
2件
最高です!
好きです✨️次も休息取りながら頑張ってくださいね!私はテスト期間中です💦