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颯へ 誕生日おめでとう! 直接言えなくて残念だなぁ。 この手紙を読んでるってことは、もう俺はそこにはいないんだね。 混乱させちゃったよね、ごめん。 俺さ、颯が余命宣告を受けた2ヶ月前に、余命半年って言われてたんだ。 でも、颯に言うつもりはなかった。 悲しませたくなかったから。 それに、苦しむのは_俺だけでいいと思ったから。 ………ただの自己満だけどね。 でも颯から、あと1年しか生きられないって聞いたとき、すごくショックだった。 神様は、なんて理不尽なんだって。 だからせめて颯には、悔いのない人生を過ごしてほしいと思ったんだ。 楽しかったよね。 遊園地で、颯ったらジェットコースターばっかり乗って、最後酔っちゃってさ笑 カフェで食べたモーニング、めっちゃおしゃれで2人ですげぇって言いながら写真撮りまくったり。 ドライブで行った海の砂浜で追いかけっこして、思いっきり転んだり。 一生分の思い出、つくれたかな? 提案したのは俺だけど_たぶん心の何処かで、もっと颯との時間を過ごしたいって思ってたのかな。 昨日家に呼んだのも、死ぬ前に颯に会いたかったからなんだ。 ……覚悟決めてたのに、颯のこと見たら気持ちが高ぶっちゃって。 でも颯が言ってくれた言葉、すごく嬉しかった。 こんな素敵な恋人がいて、俺は幸せ者だなぁって。 …俺先に逝っちゃうけど、心配しないで! ずっと颯のこと見守ってるから。 俺の分まで幸せになってね。 大丈夫、すぐ会えるよ。 _生まれ変わったら、絶対俺のこと見つけてね。 約束だよ? 俺、待ってるから。 今までありがとう。 またね。 有利より
神代 颯
手紙には、涙の跡がいくつも残っていた。 そうとう、辛かったのだろう。 ふと見ると、封筒にはネックレスが同封されていた。 どうやら、ペンダントのようだ。 開けてみると、そこには
神代 颯
2人で最後に撮った写真が入っていた。 それを見た瞬間、今までのことが一気に頭に蘇った。
神代 颯
こちらこそ、ありがとう。 俺の恋人になってくれて。 本当に、ありがとう。
半年後
神代 颯
死ぬのってこんな感じなんだ… …もっと、苦しいのかと思ってた。
神代 颯
____。 神代颯 享年22歳。 それは、春の気持ちの良い朝の出来事だった。