今日はいれいすのみんなで某タワーに遊びに来ている。
if
そういえばちゃんと登ったことないかも!
りうら
なんか遠足?的なので来たきりだわ
ほとけ
高いとこ楽しいね!
僕はというと…
ないこ
しょうちゃん?
ほとけ
どうかした?
初兎
あー…
初兎
うん、なんでもない
高いところはあまり好きじゃない。
悠佑
高いの嫌いか?
初兎
いや、こんくらいなら平気だよ!
悠佑
いやここ一応世界一高いタワーやぞ?
りうら
俺一回行ってるし、一緒に下で待ってようよ
初兎
いやいやいやほんと大丈夫だよ!
初兎
みんなで登りたいじゃん
if
やばそうだったら言ってな
初兎
うん
別に強がったわけじゃない。
あの時からもう何年も経ってるんだし
こんな頑丈な建物で、
みんなと一緒で、
みんな楽しみにしてたお出かけで、、
僕のせいでそれをこわしたくなかったし、何より僕もみんなと登りたかった
ないこ
じゃあ…いこっか!
一同
おー!!
展望デッキ
悠佑
うわ、だいぶ上まで来たな
ほとけ
ほんとだ!
ほとけ
人が豆粒サイズだ!
りうら
遠くまでよく見える〜!
if
晴れててよかったね
楽しそうなみんなを見て、やっぱり来てよかったと思った。
ふと、どのくらいの高さがあるのか気になった。
なるべく外を向かないようにしていた視線を恐る恐るガラスの向こうへ向ける。
初兎
うわ…
思っていたより高くて足がすくむ。
ほとけ
あ!ここ足元透けるやつなんだね!
if
結構怖いね〜
初兎
え?
急いで足元に目をやると、
初兎
っ!
あるはずの床がなくて。
見えるのはずっとずっと下にある地面
あ
悲鳴が聞こえる
悲鳴が、
怒号が、
ものの壊れる大きな音が、
それは僕自身の悲鳴なのか
それすらもわからないまま
浮遊感と共に襲ってきて、
僕の視界も
思考も
全てを支配する。
ないこ
しょうちゃん!
悠佑
おい!大丈夫か?!
遠くで誰かの叫ぶ声がして。
初兎
っはぁ、は、は、、
大きく息を吸って現実へ引き戻された
初兎
ひゅ、、っげほ、、っはぁ、は、
あ、、れ?
息って、
どうやって吸うんだっけ。
頭が真っ白に染まってゆく
初兎
っひ、、ぅ…は、、
どれだけ頑張って吸っても呼吸が整わない。
大丈夫って言ったのに。
初兎
ごめ…なさ、、
周りの音なんかとっくに聞こえない
ただ自分の不自然な呼吸音だけが
ぼんやりした頭に届いて。
初兎
(はやく…)
初兎
(はやく治さなきゃ)
みんな困ってるよ。
でも…
初兎
置いてかれるのは、もう嫌だったから
その言葉が届いたのかはわからないけれど。
温かいものに包まれたのを感じて、
僕は意識を手放した。