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灰色で飛べない鳥たち。
わたしもいつか、 綺麗に空を飛んでみたい…
今日は待ちに待った映画祭。 私はそこを取り仕切る役を 任されている。
失敗は絶対に許されない。
梅澤
?
私がフロアのテーブルの位置を 指示していたら、ふいに後ろから 声をかけられた。
梅澤
遠藤
梅澤
私の後輩の遠藤さくらは仕事に 熱心なのはいいのだが、 結構何でもかんでも やらかしてしまうのだ。
梅澤
遠藤
梅澤
ガラスの靴のトロフィーは 毎年、新人女優賞を受賞した 女優に渡すものだ。 まさかそれを家に忘れるだなんて…
はぁ…って、なんかすごい 視線を感じるんだけど… 少し冷静になって 周りを見渡してみると、 フロアの人間の視線が 一気に私の方に向いていた。 少し大声を出し過ぎたみたいだ。
梅澤
遠藤
梅澤
頭をフル回転させ、 最善策を考えていたところ、 一つの考えにたどり着いた。
梅澤
遠藤
梅澤
遠藤
さてと…トロフィーは 遥香に任せたとして…。 私は… あ… 与田さんとこ行かなきゃ… 絶対怒るだろうな…
コンコン
梅澤
与田
梅澤
与田
梅澤
バタン
梅澤
梅澤
フロアに戻るとなぜか さくらの姿が消えていた。
梅澤
新内
梅澤
トロフィー忘れるわ、 フロアから姿を消すわ、 ホント、何やってんのさくら…
遠藤
フロアで仕事を手伝っていても、足を引っ張ってばかりで、 いる意味がないと思って逃げ出してしまった。
かっきーから返信が来たようだ。
はるか
さくら
はるか
はるか
遠藤
?
突然、後ろから声をかけられた。
遠藤
筒井
遠藤
筒井
遠藤
筒井
梅澤
遠藤
梅澤
遠藤
梅澤
遠藤
梅澤
賀喜の返事はもらえた。あとは間に合うことを祈るのみ。 けど、万が一のために司会には伝えておかないと。
梅澤
新内
梅澤
新内
さてと。これで準備は整った。あと残り30分。 賀喜の姿は一向に見当たらない。 賀喜…間に合って…
賀喜
遠藤
賀喜
賀喜
さくらからのラインを受け取り、すぐさま家に向かった。 すると玄関先になんとも美しいガラスの靴が置いてあった。
賀喜
すぐにバッグにつっこみ、玄関を出て、駅まで走り出した。
が、駅に着いたはいいものの、なんと道路のど真ん中で 歌を歌っている人がいたのだ。 その人に群がる人たちのせいで道が塞がれてしまっていた。
飛んでみたい?
賀喜
それなら
もう諦めるしかないのか…… いや!だめだ。 さくらのためにもここで諦めるわけにはいかない。
走ることだよ
賀喜
私は映画祭の場所へと全速力で走り出した。
賀喜
駅から全速力で走ってきた私の体力はもう限界に近かった。
賀喜
会場のビルに入ると沢山の記者たちがいた。 もう映画祭は始まってしまったようだ。 Twitterで“♯映画祭”で調べてみると、
名無し
名無し
など、まだトロフィー授与は行われていないようだった。
賀喜
さくらはいつも落ち込むと人が少ない場所に行く。 このビルは2階に時計台がある。 きっと人があまりこないためそこにしょんぼりと座っていることだろう。
賀喜
遠藤
ガシッ
私はさくらの腕をつかみ、走り出した。
賀喜
遠藤
私はさくらを連れて映画祭会場の1階大広間へと向かった。
新内
あぁ。やばい。まだ賀喜が来ていないのにとうとう授与が始まってしまった。早く…早く… 私は一人ずっとそわそわしながら新人女優賞受賞の女優を見つめていた。
新内
新内が万が一の時に使うあのセリフを使ったそのとき
バタンッ
突然大広間のドアが勢いよく開いた。 これって、まさか…!
梅澤
遥香はガラスの靴を右手に掲げていた。
賀喜
バタンッ
私は勢いよく大広間のドアを開けた。 すると大勢の人の視線がこちらに向けられた。 そして舞台の上には齋藤飛鳥の姿が。どうやらギリギリ間に合ったようだ。 私はガラスの靴を右手に大きく掲げた。
新内
賀喜
新内
私は恐る恐る新人女優賞受賞の女優の前へと向かった。
賀喜
齋藤
そう言うと齋藤さんが私の腕に触れた。
齋藤
賀喜
賀喜
急に齋藤さんが私の腕を引っ張り、舞台上へと上げてくれた。
賀喜
齋藤
賀喜
齋藤さんが私の手を取り、まるでレスリングの勝者かのように上に掲げた。 その瞬間、
ワァァァァァ
パチパチパチ
周りの記者さんのカメラや照明さんがこちらを向きながら ニコリとほほ笑んでいることに気が付いた。
あぁ。なんて美しい景色なんだろう…。 間に合って本当に、よかった。