凛×潔　短編集

1年前、俺の誕生日に恋人が車に轢かれた。

事故の原因は俺だった

この日の事を忘れる事はないだろう

1年前

横断歩道の向こう側で待っている

この時俺は青信号だから油断していた

俺に向かって猛スピードで走ってくる車に気づいていたのは

潔だけだった

ﾊﾞｺﾞﾝｯ!!

身体中が痛い

どうしよう怖い…、死ぬのか？俺

もっともっと…凛としたい事あるのに

サッカーだって、ハグもキスもデートもしたい事いっぱいあるのに

絶対に、言わないと後悔する

目が…、喉が、

凛の手を引く

やっと言えたｯ…

あぁ…もうダメだ

目の前が暗くなってきた

凛が見えない…、怖い、嫌だ、死にたくないｯ

こんなの最悪の誕生日プレゼントだ

病院にいる時の事はほぼ覚えていない

覚えているとしたら、蜂楽達がきてくれた事と

たくさんの線に繋がれてボロボロになった潔だ

このまま潔が目を覚さなかったら

この先どう生きていけば良いかわからなかった

潔がいない誕生日がこんなに寂しいなんて

病院から帰ってきてから風呂も入らずベットに入った

でも寝付けるわけもなくただただ潔との楽しい日々を思い出していた

1年間毎日この道を通って病院に行っている

でも潔が隣にいた時みたいに楽しくなくて

もしからしたら横断歩道の向こう側で待ってたり…なんて考えたりする

今日も潔は目を覚さなかった

やっぱり潔がいないとサッカーも日常生活も何もかも退屈だ

去年の誕生日は潔が嬉しそうに祝ってくれたっけな

でも今年はそうはいかなかった

だから来年は潔が祝ってくれるのを祈って眠りにつく

もう1年後

あれは凛か、？

あんなに楽しくなさそうにサッカーをする凛初めて見た

えｯ？俺？

なんで、？…

てか俺なんで上から凛の事見てんだ？

そうだｯ凛の誕生日に車に轢かれて、

え、？それからどんなけ経ってるんだ？

ｯ！！凛が泣いてる

俺まだ死んじゃだめだｯ

凛1人を残して死ねない

あいつは俺が守ってやらないと

起きろｯ

起きろｯ起きろｯ！凛を守らないとｯ！

ｯ！！…

ﾊﾞﾝｯ！

9月9日0時

人生最高の誕生日プレゼントだ