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渚
テス…？
テス
ほら、そろそろ着くよ。
渚
あ、はい！！
突然、目の前が閃光に包まれた。
渚
うわあああああ！！
テス
…さて、改めまして
テス
ようこそ、渚くん。
テス
数々の死者や八百万の神が集う、下界と対になるもうひとつの世界…
テス
「天国」へ。
テス
さあ、目を開けて。
渚
…！？
渚
ここが天国！？
渚
なんか、もっとファンタジーな世界を想像していたのだが…
渚
地上と余り変わらない？
渚
新宿みたいな大都会だ。
渚の目の前には、幾多の高層ビル、行き交う人々が広がっていた。
テス
まあ、神だろうが人間だろうが
テス
根本的な考えや本質、文化にそこまで変わりはない。
テス
なんなら、神の中には元々人間だったものもいる。
渚
なるほど。
テス
それじゃあ行こうか。
渚
はい！
渚
ん？なんだあれ
歩いている最中、
狭い路地の付近に「地獄行き」と書かれた看板があるのを見つけた。
渚
あの、テス…さん？
テス
呼び捨てでいいよ。
渚
地獄って、行けるんですか？
テス
地獄かぁ〜、あそこは行かない方がいいぞ。
テス
詳しくは言えないが、灼熱の中で重労働を強いられる。
テス
サボったり、少しでも休んだりしたら閻魔大王に懲罰房行きにされる。
渚
閻魔大王？
テス
これから会いに行く。あまり怒らせない方が身のためだぞ。
渚
(そんなものもいるのか。)
テス
ま、ひとまずそんなところだよ。
テス
…なんでそんなこと聞いたの？
渚
…もしかしたら、地獄に落ちちゃうかもって考えてしまって、
テス
大丈夫！
テス
あんな場所、殺人とかしない限りそうそう入ることはない…
役所 最上階
閻魔大王
地獄行きだ。
渚
はえぇ？
テス
ちょっと、どういうことですか！
閻魔大王
下界管理委員会の考案の通りの人物しか神になることは許されない。
渚
下界管理委員会？
閻魔大王
君にはまだ関係の無い話だ。
閻魔大王
それじゃあ早速、地獄に向かってもらう…
渚
そんな、
渚
ちくしょう、
閻魔大王
行くぞ…
閻魔大王
テス。
テス
へ？
閻魔大王
そもそもこれはお前が命令通りに動いていれば起こらなかった話だろう？
閻魔大王
いわばこれはお前のミスなのだよ。
テス
そんな、もう一度考え直してください！！
閻魔大王
この少年を神に無理やり仕立て上げて罪をなかったことにするなどと甘い考えが通用すると思ったか！！
テス
(そこまで見透かされていたのか)
閻魔大王
地獄で反省するといい。
渚
テス！？
テス
嫌だ！あんな場所二度と行きたくない！！
閻魔大王
今から地獄に転送する。
閻魔大王
…何か言い残すことはあるか？
テス
…………
テス
……
テス
…渚くん
渚
はい、
テス
すまなかった。
渚
！
テス
僕が失態を犯してしまったせいで
テス
この件に全く関係のない君を巻き込んでしまったね…。
渚
そんな、僕はただ＿
テス
僕は地獄でゆっくり反省するとしよう。
テス
また会えるのは何十世紀も先の話になりそうだけどね。
テス
それともうひとつ＿＿
シュバッ
渚
え！？
テスは、床から突然出てきた赤黒い光の中へと消えていった。
閻魔大王
時間切れだ。
渚
閻魔大王、、
閻魔大王
さてと
閻魔大王
こいつをどうするか〜、
渚
(…あれ)
渚
(そういえば俺って、どうなるんだ？)
閻魔大王
(好きな子を守る為に、暴走したトラックから庇おうとする覚悟と運動神経、)
閻魔大王
(確信はできんが)
閻魔大王
(こいつはまだ手放すには勿体ない逸材かもしれないな。)
閻魔大王
(本来欲しかったものよりも、神の候補に相応しい可能性がある。)
閻魔大王
(そして)
閻魔大王
(「地上の破滅」を止めるために大きな貢献が出来そうだな。)
テスが地獄に落ちてから2日後…
地獄 最下層
テス
…はぁ、はあぁ、
テス
暑い、
テス
立っているだけでもやっとだ。
閻魔大王の使い魔
オラァ！何ボケっと突っ立ってんだ！！
閻魔大王の使い魔
むち打ちの刑にされたいのか！！
テス
ひいっ！すみません…！
テス
今すぐこの荷物運びますんで！！
テス
はぁ〜、やっと終わった。
テス
ったく、あのクソジジイ
テス
今度会ったらタダじゃ置かないからな……！
テス
(…ん？誰かこっちに来る。)
テス
(中学生ぐらいの女の子？)
▒▒
…
▒▒
あのー、
テス
どうしたんだい？
テス
(この年で地獄に落とされるって、、)
テス
(自殺でもしたのか？)
▒▒
ちょっとお尋ねしたいことがあるんですが
▒▒
ここに、「渚佐久斗」って人が来ませんでしたか？
テス
…え？
テス
君はその渚くんの知り合いなのかい？
▒▒
…はい
美咲
美咲といいます。
電車の中でも寝る前のベッドの中でもサクサク快適に。
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