蝉が少し鳴き始めた夏の初め
でも暑さは夏そのもので
あ、もうこんな時間か
僕は学校に行く前いつも仏壇に手を合わせる
ut
毎日両親にそう告げる
それより早く行かないと暑い中あいつを待たせてしまう
急いで鞄を持って靴を履く
行ってきます。
もう誰も居ない筈なのに
癖でまたそう言ってしまう
ガラッと玄関の扉をあける
外は相変わらず暑く、蝉の声が鬱陶しい
どこかの家から聞こえる風鈴の音が
唯一涼しさを感じさせる
少し歩くと公園の横に人影が見えてくる
くりっと大きな茶色の目
少し長めの髪
いつもニパッと笑う彼の顔は向日葵を連想させる
sha
ut
そう言いながらベシベシ背中を叩いてくる
遅刻常習犯の僕にとって彼からのこの言葉はいつもお決まりだ
背中叩かれると傷が痛むけど
ut
sha
とぼとぼ見慣れた通学路を世間話でもしながら歩く
sha
ut
sha
ut
僕の両親は
1年前に亡くなった
僕が高校1年生の頃
交通事故で亡くなった
そんな時支えてくれたのがシャオちゃんやった
今もシャオちゃんが居なかったらとっくに死んでるかも
彼には言っていないが
僕の日常は地獄と化してしまった
sha
ut
sha
ut
sha
ut
本当は学校には行きたくないけど
彼に迷惑かける訳にはいかんから
うわ、来たよ
何であいつ学校来んだよ
居なくなればいいのに
僕が教室に入った瞬間
クラスメイトは悪口を言う
他にも暴力振るわれたりもするし
水が降ってくることもある
最初は怖かったけど
今はもうどうでもいいやって思ってしまう
感覚がバグってるって我ながら思う
死にたいって思うけど
僕にそんな勇気無いから
全部失敗に終わる。
僕は弱いんだ
窓の外はどんどん曇ってきてて
雨がポタポタ窓に張り付く
学校にいるときはなんも考えてないから
時間があっという間に感じる
傘、持ってきてないや
もうそんなのどうでもいいか、
珍しく大先生と帰れなかった
なんか用事があるみたいで
今日は帰れないって言われた
何だろうと考えるも心当たりはなんも無い
空はどんより曇って朝とは真逆
蝉の声も聞こえない
取り敢えず今は親に買い物頼まれて
スーパーに行った帰りだ
ぼーっと歩いていると
誰かが公園のブランコになっているのが見えた
こんな土砂降りのなか傘もさしていない
じっと見ると
ブランコに乗っていたのは
青色の彼だった
sha
直ぐに彼の元へ走る
彼は俺の方に気付いてなさそうで
名前を言っても返答はない
それに近くから見えた彼の目は
酷く濁っていた
コメント
2件
コメント失礼します。 雰囲気凄く好きです……! ut先生虐められてたんですね… shoさんはどういう行動をするのか凄く気になりました…!面白かったです。